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水素を作る船の斬新な外見

◉船舶関係では老舗企業の商船三井が、水素生産船を開発に取り組むことになったのですが、その実証船であるヨットのデザインが、とても興味深いです。おかたい企業なのに、とてもSFチックと言うか、未来的なデザイン。なのに、松本零士先生のアルカディア号やクイーン・エメラルダス号のデザインにも通じる、未来感とクラシカルな要素との融合さえ、そこに感じます。

【あまりに斬新ルックス!「水素をつくる船」の現在地 実証船が東京に登場 “チーム日本”始動か?】乗りものニュース

商船三井が開発する「水素生産船」、その最初の実証船であるヨットが東京に登場しました。すでに水素生産の一連のサイクルは成功済み。今後、東京湾を舞台に、より進んだ動きを見せていくようです。

https://trafficnews.jp/post/133088

ヘッダーはWikipediaのフォトギャラリーより、海王丸写真です。

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■海洋国家の資源■

詳しくは、上記リンク先の全文を、ぜひお読みいただくとして。日本は世界第6位の面積の排他的経済水域を持つ、海洋国家 ですから。この広大な海を利用して、いろんなことができると思うんですよね。その1つが、このような水素生産船。日本の場合は、例えば房総半島沖 とか常に強い風が吹いていますから。その分、海難事故も多いのですが、そういう自然のエネルギーを人間が利用可能なものに変えることができれば、大きいですよね。

 そもそも「ウインドハンター」は、洋上で吹く風を用いてCO2(二酸化炭素)を出さずにグリーン水素を作り、船内に貯めて陸上へと運ぶことから、“動く洋上風力発電”と“水素生産設備”が融合したハイブリッドプラントとも言える存在です。

洋上風力発電は、どんな地域であっても24時間365日風が吹いているわけではないので、ベースロード電源にはなりえないのですが。しかし風のある海域を探して、そこに水素生産船が自身で移動して風を受け、電気を発電するのではなく水素を生成するのならば、これはこれで興味深いエネルギー供給方法ですね。効率の面でどれぐらい有効かは分かりませんが、うまくすると排他的経済水域の中だけで、そこそこのエネルギー供給ができるかもしれませんね。

■現代帆船の時代■

現状では 試験的ながめ、ヨットの大きさですが。これもいろんな 風力に対応する意味でも、帆船とかタンカークラスの大きさとか、いろんなサイズがあっても良さですね。風を求めて世界中を回遊する水素生産船。これはこれで、TOYOTAが目論む、水素エンジンと水素燃料の未来にも、合致しそうです。また こういう目的の船ならば、船員たちの数は、そこまで多くなくても良さげですね。

 強風時は帆走をするため帆を展張しますが、風の弱い海域では帆を収縮させたうえで、貯蔵タンクのMCHから水素を取り出し、水素を燃料電池に投入して発生させた電力で推進プロペラを回し推進力を生み出します。このため、運航を通じてGHG(温室効果ガス)を一切排出しない完全ゼロエミッションを実現できるとされています。

帆船というと、自分たちの世代だと航海訓練所の訓練用帆船の、海王丸や日本丸を思い出します。海の貴婦人とも呼ばれた、その美しい外観と100m 近い巨大な船体、訓練生たちがマストの上にずらっと並ぶ姿は、実に美しかったですね。宮崎駿監督の名作『未来少年コナン』で、最後まで活躍するバラクーダ号も、帆船でしたが。やはり船といえば帆船という、イメージがどこかあります。

海王丸

■洋上のエミュー■

日本人の、先祖グループのひとつであるポリネシア人たちは、東は南米沖のイースター島から、西はマダガスカルまで到達した、大海洋民族ですから。四方を海に囲まれた島国に日本では、この広大な海を最大限に利用していくのが、重要です。日本の排他的経済水域は広いだけでなく、日本海溝を含む深い地域も多数あり、深海には様々なマンガン塊や希土類など資源が眠っており、まさに宝の山。メタンハイドレートや海洋温度差発電、潮流発電などなど、エネルギーの面でも有望ですから。

エミュー

海上でもこうやって、水素生産船が広大な海域を移動しながらエネルギーを生産する。海洋国家らしい、未来予想図だと思いませんか? 船というのは浮力を利用する分、未だに大量の物資を輸送する上では、重要な存在です。水素生産船も、わずかなエネルギーで移動できますから。オーストラリア大陸の大型走鳥類であるエミューは、降雨を求めて、大陸中をランダムに移動するそうですが。水素生産船もまた、洋上のエミューのように、風を求めて航海する、特別な存在になるかもしれませんね。


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