令和の日英同盟
◉日本とイギリスが円滑化協定に署名して5日。この件に関して立憲民主党も共産党も、野党があまり騒いでいませんね。価値がわからないから騒いでないのか、分かっているから騒がないのか、そこはわかりませんが。これってでも、台湾有事を含む中国封じ込め政策で、ついに海洋国家の代表的な日米英の3ヶ国が、事実上の軍事同盟を結んだわけで。昨年2月には日本とオーストラリアでも円滑化協定に署名していますから、これは日米豪印によるクワッドの面から見ても、英連邦の盟主が動いたわけで。そして、ギリスは、香港も長らく植民地としていたわけですからね。
ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、ロンドン名物タワーブリッジです。
◉…▲▼▲▽△▽▲▼▲▽△▽▲▼▲…◉
さてさて。台湾有事となったとき、直接的には日本とアメリカが、間接的にアジアのオーストラリアとインドが動くわけですが。特にインドは、背後から中国を牽制するだけでも、中印国境に軍隊を動かすだけでも、プレッシャーになりますからね。これぞ遠交近攻の兵法です。遠くの国と同盟を結び、近くの国を挟み撃ちにする。あっちこっちに敵を作った中華人民共和国は、インドやベトナムやモンゴルと言った国境を接する国が、軍隊を動かすだけで対応しないといけないので。実際に交戦しなくても、プレッシャーになりますからね。
イギリスがこういう形で関わると、中国としてはイヤでしょうね。なんだかんだ言って、国際政治においてはまだまだ世界トップクラスの政治力を発揮する、老獪な国ですから。それは、ゼレンスキー大統領の各国向けの演説でも、イギリスの情報部が協力したという噂があります。相手国の琴線に触れる文言を折り込み、味方につけてしまったあのソフトパワーは、日本に最も欠けた部分ですからね。他国との駆け引きや、交渉の巧妙さ、二枚舌どころか三枚舌を駆使するダーティな部分も含め、イギリスはトップクラス。というか、国際政治の枠組みって、大英帝国が作ったようなものですから。
アメリカの外交官や官僚は、与謝野馨氏が大の苦手だったそうです。父親も外交官で、皮膚感覚でイギリス流の外交術を身に着けている。さらに祖父母も高名な文学者でというのは、叩き上げのアメリカの外交官には、コンプレックスを刺激されちゃうんだそうで。ここらへんは、豊臣秀吉が黄金の茶室に走って、千利休の侘び寂びを理解できず、あるいは自分の宝物自慢をしたら徳川家康に「家臣こそ宝」と返されて、凹んだように。自分も、青学の名家の人間と話すと、そこはビシビシ感じましたからね。ああ、住む世界が違うなと。いわんや、本家本元のイギリスの政治家。モンティパイソンを生んだ国だもの。
戦前の日本は、日英同盟によって天皇陛下がインド皇帝たるイギリス国王と同格ということで、なんとなく天皇は皇帝と同じ格という雰囲気ができたようで。しかし、海洋国家同士の日英同盟が更新されず、日本は陸軍と朝日新聞などが推す日独伊三国軍事同盟に傾き、敗戦とファシズムの国という汚名を浴びてしまったわけで。世界は、海洋国家と大陸国家に大別されます。アメリカのように、両方を兼ねる国もありますが。日本は島国で海洋国家、貿易で立国していく国ですからね。この円滑化協定が将来的に、新たな日英同盟になれば、いいんですが。岸田総理、軍事はかなりの高得点連発です。
どっとはらい( ´ ▽ ` )ノ