九州で半導体投資ラッシュ
◉九州はあの広さの割に、人口は東京都より少ない1255万8978人ほど(Wikipediaの推計)ですからね。で、九州最高峰が屋久島の宮之浦岳で、標高1936mと、2000m級はなし。ちなみに九州本土の最高峰は、大分県の九重連山・中岳で標高1791mですから、そこまで山がちではないんですよね。まぁ、平地も多くはないですが。ちなみに、四国最高峰は石鎚山天狗岳で1982mと、九州より高い山があるんですよね。熊本とか宮崎とか鹿児島とか、人口密度が少ない過疎地や、涼しい高原地帯がけっこうありますから、工場誘致には適していますね。
ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、阿蘇山の写真だそうです。草千里でしょうかね。美しいです。
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■数兆円規模の投資?■
X(旧Twitter)を見ていたら、この記事を紹介ししているポストがあり、九州の投資ラッシュについて、まとめてありました。京セラはもともと、稲盛和夫氏が鹿児島県出身なので、鹿児島空港がある国分市に、工場などを持ってきてくれましたし。でもやはり、台湾のTSMCの工場進出が大きいでしょうね。そりゃあ、関連する企業は工場を近場に固めてしまえば、効率が上がりますからね。運送費とか。また、資材の調達とか流通も、一箇所に固めたほうが便利ですし。
うわぁ、額が大きいですね。数兆円規模? でもこれ、アベノミクスによる円高抑制策と、やはり玄海原発と川内原発の再稼働による、電力の安定供給が大きいでしょうね。ロシア連邦によるウクライナ侵攻による、世界的な天然ガスなどの値上がりが、電気料金を直撃しているのですが。西日本は多くの原発が再稼働できたおかげで、この夏も値上げせずに乗り切れているんですよね。この冬も大丈夫でしょう。この一点でも、東日本は不利なんですよね。これも、無能な方の菅元総理大臣のせいなんですが。
■アベノミクスの余波■
元九州男児としてはありがたい話です。でもX(旧Twitter)には、九州はメガソーラーで電力安定しているから、なんて寝言を言ってる人もいましたが。んな訳あるか〜い。比較的安価な電力の安定供給、半導体産業としてはここが大事ですから。不安定な太陽光発電や風力発電は、むしろリスクです。大規模な工場群は、莫大な電力が必要。もちろん、自社で発電所を持つところも多いですが、バックアップ電源は絶対に必要。しかし、こういう景気のいい話が、不愉快な人もいるようで。
安倍政権での円高抑制で、国内企業も戻ってきましたし、さらにこういう半導体産業建設ラッシュの目が出てきたから、二重の意味で悔しいんだろうなぁ…と邪推。 これがせめて、韓国企業の日本工場わんさかなら、諸手を挙げて称賛し、返す刀で日本落ちぶれた途上国に逆戻りだと、言い募ることができたのに。悔しいでしょうね。反自民・反政府ポーズが行き過ぎて、国民の幸せを憎むようになったら、もう人間として終わっています。
■攘夷は極右も極左も■
半導体産業は、日本としては凋落しました。石原慎太郎氏が、『「NO」と言える日本』で、半導体の輸出規制でアメリカを屈服させると息巻いてた90年代初頭を思えば、20年ちょっとで落ちぶれたと言えば落ちぶれたんですが。栄枯盛衰は世の常。でも、国や企業にはまだ体力有るのですから、上り調子の台湾に投資して貰う。そういうモノなんですが。なぜか、リベラル派が国粋主義者みたいなことを言い出す。
けっきょく、「日本よい国 清い国。世界にひとつの神の国。日本よい国 強い国。世界に輝く偉い国。」が、裏返ってるだけなんですよね。ここら辺は、佐藤建志氏が1992年に『ゴジラとヤマトとぼくらの民主主義』でとっくに指摘しているのですが。「よい国 清い国 世界にひとつの平和憲法の国。日本よい国 強い国。世界に輝く唯一の被爆体験がある国。」になってるだけなんですよね。だから、妙なタイミングで尊王攘夷みたいなことを言い出す。
日本人の心を一尺掘れば、尊皇攘夷が吹き出す───と喝破したのは半藤利一氏でしたが。尊皇は尊憲法九条でも尊被爆体験でも何でも良いのですが、攘夷の部分は無自覚な上に、言霊思想が混じってるからですけれど。外国企業が日本に工場を建てる、ソレがもう理屈抜きで感情的に不愉快。ハイ、それSONYがコロンビアピクチャーズを買収したときの、アメリカの国粋主義者と何が違うんですか? 極左と極右はコインの裏表。真逆に見えて本質は似ています。
Fair is foul, and foul is fair. 奇麗は汚い、汚いは綺麗。シェイクスピア『マクベス』の魔女の言葉より。
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