Amazonと原発と
◉Amazonなどの米IT大手の会社が、原子力発電所をターゲットに、事業提携しているようです。日本では、一部の活動家とマスコミが原子力発電所の危険性を煽って、元々あった原子爆弾など核兵器への恐怖心などが加わって、さらに東日本大震災での福島第一原子力発電所事故もあって、原発アレルギーがあるのですが。アメリカの企業はこの点、フラットですね。
ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、AI生成の原発のイラストです。
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■ベースロード電源■
詳しくは、上記リンク先の全文を、ぜひお読みいただくとして。日本では、KADOKAWAグループのニコニコ動画が攻撃を受け、サービスが長らく ストップした上に、個人情報が流出してしまって、大問題になっていますが。アメリカのIT大手にとって、莫大な顧客情報は最大の財産であり、デジタル化された音楽や書籍や動画などのサービスは、事業の太い柱。これを安定して運用するためには、安定した電力の供給は不可欠ですからね。
24時間365日、長期間にわたって安定した電力を供給できる原子力発電所は、現時点では最もベースロード電源に適した存在です。水力発電も、安定してはいるのですが、渇水による電力供給不足が起き得る存在でもありますから。ベースロード電源という意味では、夜間には発電できない太陽光発電や、まさに風まかせで不安定な風力発電は、論外です。反原発派は、いろいろと重箱の隅をつつきますが、この部分は動きません。
■原発近くにサーバ■
GoogleとかAmazonとか、巨大なデータセンターを世界各地に持っていて、冷却の効率を考えて、カナダとかアラスカとか北欧の、寒い地域においているんだとか。データセンターのサーバは、熱の発生と冷却がセットですから。寒い地域はそれだけで、冷却用のエネルギーが減りますから。コンピュータにしろ、発熱と冷却は、昔から課題でしたから。Appleも、長年の付き合いがあったIBMのPowerPCからIntelに乗り換えたのも、熱の問題ですから。Appleはさらに、独自設計の低発熱CPUに舵を切るのですが。IT企業とは、熱との戦い。
逆に言えば、日本が今後、こういうデータセンターを誘致しようと思ったら、北海道とか東北の寒冷な地域に、原子力発電所とがセットなんでしょう。このnoteでも書いていますが、安全性が高い第四世代の原子炉である高温ガス炉は、出力は第三世代炉の3分の1ぐらいですが、コンパクトで立地を選ばないんですよね。第三世代炉は、古くて解体岩盤(できれば第三紀以前の岩盤が理想)に冷却用の水が必須だったんですが、高温ガス炉はどちらも不要。そういう意味では、過疎地にデータセンター誘致の、切り札になるかもしれません。
■新たな産業都市?■
データセンター自体は、さして雇用は生みませんが。そのデータセンター設置のために、道路であったり通信であったりのインフラが、ついでに充実しますしね。高温ガス炉は、その名の通り高温を発して、これが製鉄や石炭石化、水素生成などに利用できる可能性があります。原発は原発それ自体で完結せず、そういった産業をコンパクトに集めて、新たな産業都市を形成することも、可能かもしれませんね。特に水素は、トヨタが推し進める水素エンジン車への燃料であり、それ以外にも需要が増えるでしょうし。
原子力発電所を中核として、火力発電所や水素生成、アンモニア生成とか化学肥料工場、自動車用の燃料生成工場とか。過疎地には過疎地の戦略として、そこを上手く活かして大規模な誘致が可能なような。それこそ、熊本のTSMC社の工場誘致で、他の工場もどんどん移転してきて、新たな経済圏を形成するように。伝奇の安定供給を考えれば、水力・火力・原子力が併設できるような、そういう場所が理想ですが。今から考えて、地方の県知事や市町村の長は、専門家に意見を聞くべきかと。
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