海洋微生物から抗癌剤や抗生物質
◉海洋微生物から、抗癌剤や抗生物質が発見されることについての記事が、ナゾロジーにありました。こういう研究も、自分は昔から好きです。生物学とか、理系の学問でありながら、数学や物理と違って、人間の生活に直結している、実学的な側面が大きいからでしょうね。そういう実学は、発見に至った科学者の顔が見えるエピソードが多く、物語性もあるからでしょう。
ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、メイプル楓さんのイラストです。
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■海洋の可能性は■
詳しくは、上記リンク先の全文を、ぜひお読みいただくとして。例えば、ペニシリンの発見とその活用は、人類史における大きな発見であり。その効能に関しては、村上もとか先生の名作『JIN』でも、詳しく描かれましたが。1928年にスコットランドの細菌学者アレクサンダー・フレミングによって発見されたペニシリンですが、廃棄しようとした寒天培地のシャーレを観察した彼は、黄色ブドウ球菌の培地に、カビのコロニーがあり、その周辺だけ球菌が繁殖していないことに、偶然気付いたのが発端。そうやって、天然由来の物質が、抽出されるわけで。
そもそも人類をはじめとする生物は、海で生まれた存在ですからね。隕石によってもたらされた、という説もありますが。では、その隕石の生物は、どこで作られたんだって話で、結論の先延ばしにすぎません。現在では、海洋表面で、落雷のエネルギーを元に生物が生まれたという説と、海底の熱水噴出孔で硫化化合物を利用する形で生まれたという説など、諸説ありますが。いずれにしろ、まさに母なる海。そもそも地球の約70%は、海ですから。地球というより海球です。人類にとって有用な生物や物質が、まだ未発見で埋もれている可能性は、膨大ですから。
■海洋開発が未来■
このnoteでも何度か書いていますが、四方を海に囲まれた島国日本は、200弱ある国と地域の中では、61位とけして大きくはないです(といっても上位30%に入り、東アジア最大の島国であり、世界の島国の中では4番目に大きいですが)。しかし、島嶼部が多く、排他的経済水域では世界6位の海洋国家。日本海溝などの深い海溝もあり、まだその多くが 手つかずです。今後の日本は、素材開発の化学関係、再生医療や代替医療を中心とした医学関係、宇宙工学やロボット工学などの工学関係が、鍵を握りますが。海洋開発は巨大なフロンティア。
この海洋開発は、化学にも医学にも工学にも、全部繋がってくるんですよね。日本はかつては造船業が、現在は自動車産業と鉄道が発達した国ですが、将来的には航空産業へのシフトは必然。ここら辺は、三菱は味噌をつけましたが、HondaJetなどが地道に頑張っています。イーロン・マスクがやっているように、アメリカはもう一方 踏み込んで、航空宇宙産業に力を入れています。日本も、H2やH3ロケットが頑張っていますが、航空宇宙産業と同等かそれ以上に可能性があるのが、海洋開発だと自分は思っています。
メタンハイドレートや海底油田のエネルギー関連、南鳥島などの海底のマンガン塊などの鉱物資源など、海洋資源の開発は急務ですし。そこの深海開発は潜水艦の潜水能力の開発とも直結しますので、軍事的にも重要なのですよね。個人的には、沖ノ鳥島などの海域を利用した洋上発電や、洋上水素生成、あるいは洋上バイオエタノール生成など、いろんな可能性があると思いますし。日本は島国の割には、大陸国家である中華文明の影響が大きく、海洋国家としての歩みは明治維新以降の150年ちょっとですからね。
■バイオと海洋と■
日本のバイオテクノロジーは、批判する人もいますが、まだまだ世界レベルだと思いますし、むしろ遺伝子工学がここまで進化し、いろんな生物のゲノム解析が進んだ今だからこそ、可能性があると思うんですよね。なんだかんだ言って、日本人はコメの品種改良から、園芸品種の開発まで、凝り性で好きですしね。ソメイヨシノを作出した染井村の職人たちは、メンデルの法則に近いところまで、辿り着いていたとか。明治の時代、生糸精算が奨励されましたが、生糸が日本の主要な輸出物でなくなっても、蚕の飼育で蓄積したノウハウが、回をも用いたバイオテクノロジーに応用されるように。蓄積は大きいんですよね。それが、文化の力。
日本人に必要なのは、そういう昔からの強みを、現代にも連鎖させて、活かすこと。本場の中国にもない経絡を多数発見したように、海洋生物から新たな新薬を作る、その素地は日本には十分にあります死ね。もちろん、トンデモ陰謀論を真に受けて、製薬会社から訴えられるスカポンタンな国会議員や、それを支持する情報弱者もいますが。日本の学問後からは、まだまだ世界にごしていけると、自分は思います。それらを活かすために、日本はもっと海洋開発に力を入れるべきですし、そのためにも深海開発用改造人間・カイゾーグの開発が待たれます。
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