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寺沢武一先生死去

◉残念です。自分が小学生の頃、『コブラ』はとにかくかっこいい漫画でした。主人公の小粋なセリフに、圧倒的な画力、卓抜したアイデア、突出していましたね。個人的には『ゴクウ』がサイバーパンクの先取りでありながら、その画力とアイデア力で、時代を何十年も先取りしていたように思います。他にも『鴉天狗カブト』や『武 TAKERU』など、自分はたぶん全作品の単行本を持っていますね。電子書籍も書い直しましたし。68歳は早いですが、闘病生活の長さを思えば、仕方がないという部分もありますが……。

【「コブラ」の漫画家・寺沢武一さん死去、68歳 「デジタルマンガ」先駆け、1998年から脳腫瘍で闘病】毎日新聞

 漫画「コブラ」「鴉天狗カブト」「ゴクウ」で知られる漫画家の寺沢武一(てらさわ・ぶいち)さんが死去したことが11日、わかった。68歳。北海道旭川市出身。1998年に脳腫瘍を患い、闘病生活を送っていることを2003年に公表していた。

 手塚治虫氏の下で修業を積み、1977年に「週刊少年ジャンプ」(集英社)にデビュー作「コブラ」を発表、78年11月からは連載を開始した。左腕に銃を装着した不死身の男・コブラの活躍を描いたSF作品で、単行本は3000万部以上を売り上げ、82年にアニメ映画化、テレビアニメ化された。

https://mainichi.jp/articles/20230911/spp/000/006/118000c

1998年に悪性腫瘍で、それ以降は自身で漫画が描けなくなっておられました。あの緻密で繊細な絵は、なかなか難しいですからね。ただ、創作意欲は高く、ストーリー作りの方は続けられ、作画スタッフを揃え、コブラの新作自体は、アシスタントなどが執筆して、以降も不定期に世に出ていましたが。闘病初期の頃は、竹書房の麻雀大会に参加もされておられましたね。Twitterでも、フォローしていただき、リプライも何度かいただきました。確かに、寺沢先生の絵は唯一無二ですが、あのストーリーのアイデアこそ、寺沢先生の真骨頂。

自分など、何かいいアイデアを思いつたと思っても、よく考えたら寺沢先生がもっとすごいアイデアで書いていたなと、思い返してボツにすることも度々。個人的には、『異次元レース』編とかホント傑作でした。それ自体が、いくつか部隊を変わってのレースという形で、どの世界も魅力的で、アイデアも秀逸。短編も中編も長編も、どれも面白かったです。最初から上手かった絵も、どんどん緻密になり。CGをマンガに本格的に取り入れた先駆でもあり、最初はカラーの表現などに特化していましたが、『ゴクウ』ではそれが花開いた感じでした。

アニメ版『スペースコブラ』も、自分が好きな出崎統監督作品で、今でも名作の誉れが高いですね。コブラ役は野沢那智さんで、まさにコブラのイメージ通り。劇場版の松崎しげるさんも良かったですが、やはり野沢さんのイメージですね。アーマロイド・レディ役は榊原良子さん。クシャナ役やハマーン・カーン役で有名ですが、強い女性を演じさせると、やっぱり合いましたね。クリスタルボウイ役は次元大介役で知られる小林清志さん。もっとも、寺沢先生はコブラの声のイメージは、クリント・イーストウッド役の山田康雄さんだったそうで。なるほど、納得のイメージですね。

コブラ自体は、Webコミック『COBRA OVER THE RAINBOW』が2019年で、これが最後の連載。コロナ禍もあってあまり話題を聞かなくなりましたが。2020年7月20日の「リハビリ病院に居ます。食べたいものが食べれnなくて大変です。(原文ママ)」のツイートをされており、体調が優れないのは知っていましたが。23日のツイートを最後に、ツイートもなく(相互フォロエアーだったので、ツイートは読めますので)。残念です。脳腫瘍との闘病で、だんだん身体の自由もままならず。それでも、最後まで創作に取り組まれていたのでしょう。今日は、コブラを一気読みします。

最高のエンターティナーの一人、寺沢武一先生のご冥福をお祈りします。合掌

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