被災地は復興ではなく移住?
◉米山隆一氏がX(旧Twitter)上で、令和6年能登半島地震について、「人口が減り、地震前から維持が困難になっていた集落では、復興ではなく移住を選択する事をきちんと組織的に行うべきだと思います。」とポストし、炎上しています。このnoteを執筆している1月11日21時時点で、1004.6万閲覧で2.1万イイネ、イイネ率0.20%ですから、公開される頃には0.1%台になってるでしょう。個人的には、限界集落の集約は、前から書いていますので、そこは否定しませんが。どうも、強制移住とか話が大きくなています。
これに対する、飯田泰之明治大学教授の意見が興味深かったので、転載しつつ、個人的な雑感を。
ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、豊洲の海沿いのマンションだそうです。
◉…▲▼▲▽△▽▲▼▲▽△▽▲▼▲…◉
■飯田泰之明大教授の意見■
まずは、長いですが飯田教授の連続ポストを以下に転載します。これ自体、かなり読み応えがあります。移転後に「前の集落の方が良かった」と答える人は2.3%と非常に少なかったというデータも、興味深いですね。自分自身は、強制移住には反対ですが、学園都市的な都市計画は、必要だと思っていますので。
著書も、リンクしておきますね。
■強制移住はともかく…■
ウチの田舎だと離島が多く、数百人数千人規模の集落がある離島が、けっこうあるんですよね。60人~150人規模の7つの島で構成されるトカラ列島の十島村の 総人口731人とか、3島で構成される三島村の人口376人などがあります。近年の大型のタワマンだと、東京都中央区のTHE TOKYO TOWERSのように、地下2階・地上58階・塔屋1階で総戸数が2799戸もあります。一棟で3000人とか暮らせるので、限界集落の移転はタワマン1棟もあれば、島ごとできてしまうんですね。
これが石川県だと、能登半島の先端にある珠洲市でも、人口は1万2000人弱です。これは鹿児島県ではかなり大きな有人島である屋久島の、約1万2000人と大差がないです。そうなると数十人数百人の限界集落どころか、市ごと巨大タワマン4棟ほどで移住可能です。ひぇ~。東京に住んでいると 30階建てとかのタワーマンションが、駅前再開発でポコポコを建っているのですが。数棟で地方都市が収納できちゃう。
でも移住よりも問題なのは仕事、移住する人間に生業を用意できるか、なんですよね。農業や漁業、林業などの一次産業は、地域と切り離せませんからね。日本酒や醤油などの、食品の製造業も、水と環境って大事ですし。また、移住するなら地域コミュニティまるごと移住することが大事なんですよね。阪神淡路大震災や 東日本大震災で移住した人は、孤独死が多くて。人はコミュニティで生きるので。
■むしろ地方への移住を■
ただ、これもやり方かなと。別のnoteでも書いていますが、水産業は陸上養殖など、新たな可能性がありますし。農業も、機械化とAIと集約農業で、変わりますし。農業や漁業、水産業の企業化は、ある程度可能でしょう。全国に2790の漁港があり、あんがい少ないなと思いませんか? 日本全国に小学校が約2万校あり、7.1倍も多いです。漁港を中心とした地域再編と集約、これはできそう。
で、それ以上に大事なのは、むしろ東京一極集中の緩和です。例えば、東京大学には毎年3000人の学生が入学し、教授や准教授、講師、事務方など、膨大な人間がいますが。これを大学院機能だけを残して、地方に移転してしまえば珠洲市レベルの学園都市が爆誕。東京教育大学が筑波大学になったように、むしろ東京一極集中を改善する方法はありそうです。
移転しても、ブランド力が落ちない大学は、東大・一橋大・東工大など、けっこう限られますが。アニメスタジオのように、地方に移転してもやっていける業種は、国の補助金と受け入れ側の地方の税制優遇などで、もうちょっと移転を促進できそうですけれどね。ここらへんは、経済産業省などが業種や企業ごとの、見直しを精査する必要がありそうですが。
記事にもなっていたので、追記しました。
気に入った方は、サポートで投げ銭をお願いします。あるいは、拙著をお買い上げくださいませ。どっとはらい( ´ ▽ ` )ノ