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漫画村運営者に懲役3年の実刑確定

◉犯人が作家や出版社、もっと言えば国益に与えたダメージを思えば、もっと重い罪で良いと思いますが。それでも、実刑判決が出たのは大きいですね。執行猶予が付かない実刑が、安易な違法アップロードの抑止になれば良いのですが……。

【「漫画村」運営者、控訴せず 懲役3年などの実刑が確定】朝日新聞

海賊版サイト「漫画村」の運営者とされ、著作権法違反(公衆送信権の侵害など)と組織犯罪処罰法違反(犯罪収益等隠匿)の罪に問われた住所不定、無職星野路実被告(29)に対する懲役3年、罰金1千万円、追徴金約6257万円の一審判決が17日に確定した。控訴期限の16日までに、検察側、被告側双方が控訴しなかった。

あくまでも、有罪の対象は一部の人気作品のアップであって、膨大な数の違法アップロードされた作品の、包括的な対象ではないので。被告も、落とし所としてここら辺だと思ったのでしょうね。

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■懲役3年は妥当か?■

脱税関係では「1本1年」という言葉があるそうです。1億円の脱税だと、懲役1年が相場、という意味だとか。実際はケースバイケースですが、だいたいの感覚として。であるならば、被害額3000億とも3200億とも言われた漫画村は、懲役3000年ぐらいの罪。日本の漫画海外輸出額は約1000億円弱だとか。ならば国の富を奪う国賊として、脱税以上の重い罪を喰らわせてやりたいと、出版関係者なら思うでしょう。ウケケケケ

ちなみに江戸時代だと、相場として10両盗めば死罪だった訳ですが。10両は米価換算でだいたい、現在の40万円ほど。これが大工の手間賃換算だと、250万から400万円相当。3000億円なら75万両から750万両相当。薩摩藩の借財が500万両ですから。江戸時代なら市中引き廻しの上で磔、死んだ後は生首を晒す獄門。死体は埋葬も許されず、試し斬りで何度も斬られてバラバラにされ、最後は山田浅右衛門のところで人胆───肝臓や胆嚢や脳などは、薬にされて売られる運命。令和の世で良かったね、と(邪悪な笑み)。

■損失を何で埋めるのか?■

こちらの西日本新聞の記事では、〝海賊版で違法に読まれた漫画の被害額は業界団体の推計で少なくとも約2千億円とされる。〟とあります。漫画の国内市場が6000億円ですから、漫画村以降も3分の1に当たる額が、違法に消費されている計算。出版関係者の「感覚的に5~10%程度、売り上げが減っている」という証言も、出版業界の片隅にいる人間の体感としては、たぶん正しいでしょうね。

漫画村のおかげで正規の漫画購入者も増える、という擁護論もありますが。損失額を考えれば、そんなの詭弁だとわかりますね。あなたの願望以外の統計を持ってきてください、というだけです。もちろん、読み放題サービスであるKindle Unlimitedなどで思わぬ需要がある事は自分もわかっていますから、安く読みたいという需要は無視できないと思います。ですがそれは、電子書籍から印刷書籍へという流れが定着すれば、ずいぶん変わると思っています。

■漫画の今後と流通形態の変化■

イタチごっこは今後も続くにしても。漫画の単行本は将来的に電子書籍で出るのが普通になり、よほどのヒット作や濃いファンが付いている作品のみ、あるいは文化的に勝ちがある本のみ印刷書籍になる流れが、出てくるでしょうね。電子書籍なら、旧作の割引とかキャンペーンも仕掛けやすいですし、出版社側も柔軟な対応ができます。更に最近は分冊版とか合本とか、いろんな編集形態もありますしね。

もちろん紙に拘る人には不満でしょうが、それは過渡期に起きがちなこと。これはもう音楽業界では、とっくに起きていることです。iTunes Music Storeでの音楽のダウンロード販売が始まった当初も、やはり手元に形のあるモノを置いておきたいとか、音質が~とか、イロイロと言われましたが。今はそういう人も減り。音楽はアルバム単位でも変えますが、多くの人は好きな曲だけバラで、ダウンロードして購入するのが当たり前になっていますよね?

自分も近年は、ダウンロード販売されていない落語の音源とか、CDで購入するぐらいです。音楽好きの若者の聖地であったHMV渋谷が、2010年8月22日に閉店しましたから、もう10年以上です。それでもCDが好きな人、ショップが好きな人は、利用していますしね。音楽業界は、レコードからCDという、メディアの大変化も経験していますから。今でも、レコードを愛する人は愛していて、需要に見合った形で生き残る。漫画に限らず、本もそうだと思いますよ?

どっとはらい( ´ ▽ ` )ノ

売文業者に投げ銭をしてみたい方は、ぜひどうぞ( ´ ▽ ` )ノ