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ブタの腎臓移植のサルが2年生存

◉アメリカのハーバード大学で、豚の腎臓を猿に移植して、2年間の生存に成功したとのニュースが。同じ哺乳類とはいえ、異なる種の間での臓器移植が可能というのは、大きな 光明ですね。人間同士の移植でも拒絶反応が起こるのですが、豚は心臓や膵臓、皮膚なども含めて他の臓器の移植の可能性も、色々と研究されています。豚の心臓を移植された男性が、2ヶ月 生存したりと、研究が進んでいます。

【ブタの腎臓、ヒトへの移植近づく 米大がサルで2年生存】日本経済新聞

米ハーバード大学などはブタの腎臓をサルに移植し最長で2年間生存させることに成功した。今後、ヒトに移植する臨床試験(治験)で効果が確かめられれば、深刻なドナー(提供者)不足の緩和につながる可能性がある。患者の負担が大きい透析に代わる新たな治療法になりうる。

腎臓には血液から老廃物をこし取って尿をつくる働きがある。加齢や高血圧、糖尿病などで腎機能が落ちると、人工的なフィルターで老廃物や水分を取り除く...

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ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、翼の付いた豚のイラストです。

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■ブタの有利な点■

臓器移植に関しては、iPS細胞による臓器の生成とか、今は網膜や角膜では、臨床試験に入っているものもあります。臓器でも胸腺の再生とかも成功していますが、腎臓や膵臓、肝臓や肺臓などといった大きな細胞は、まだまだ。人工心臓や人工肺臓などの研究と合わせて、豚など他の生物の臓器を移植する研究は、並行して進めるという意味で重要な存在です。選択肢は多い方がいいですし。

遺伝子操作で、免疫の拒絶反応を押さえたブタが開発されており、今回の成果もそれによるところが大きいでしょう。もし豚による腎臓の移植が一般化すれば、豚の飼育技術はすでに、確立されたものでもありますから。豚が いつから家畜化されたかは、定説が見つけられませんでしたが。数千年前の新石器時代にはすでに家畜化されていたというのは、疑いないようで。

現在の食肉用の豚は、だいたい120日弱の妊娠期間を経て出産し、オスもメスも生後8ヶ月ぐらいで交配が可能になるようで。成熟が人間よりもはるかに早く、多産系の動物なので、数も多く育てられ。慢性的に不足している 腎臓の移植が可能になれば、移植医療は大きく前進ですね。もちろん 倫理的な問題とかクリアすべき点は多いでしょう。ムスリムは絶対拒否でしょうし。

■進む胎仔腎臓研究■

腎臓と心臓と膵臓と。これらが 豚から移植できるようになるだけで、移植待ちは大きく改善されるはず。とはいえ最先端科学の話ですし、自分のような科学の素人にはなかなか難しいのですが……。日経新聞は有料記事で、無料部分は 情報量も少なく、重要な部分は分かりづらいですからね。検索してみたところ、コチラの記事が要点を最初にコンパクトにまとめ、解説は詳しくて、わかりやすいですね。

【ブタ腎臓移植は、胎仔腎臓の方が拒絶反応が弱い―サルを用いた世界初の証明―】日本医療研究開発機構

・ブタ腎臓をサルに移植するには強力な免疫抑制を必要としますが、ブタ胎仔腎臓(注1)の場合は臨床に適用可能な免疫抑制でも生着しやすいことを証明しました。
・移植されたブタ胎仔腎臓がサルのからだの中で育つ過程で、ホストであるサルの血管が入り込み生育することがわかりました。
・本成果はブタ胎仔腎臓を芽として、患者体内で自己腎を再生させる「胎生臓器補完法」(注2)の臨床応用に繋がる、技術的優位性を具体的に示すものです。

https://www.amed.go.jp/news/seika/kenkyu/20220323.html

こういう記事があるのに、会員限定で有料にする日経新聞。マスコミのビジネスモデルも、もう限界ですね。情報の流通を独占することで成立していたマスメディアですが、インターネットの出現によって個人が世界に向けて発信できるようになったのですから、他の記事にない 独自 情報がなければ、有料にする意味はないですね。日経新聞の続きに、そのような独自情報があるかは分かりませんが。閑話休題

胎仔腎臓
哺乳類の胎仔は発生中に前腎、中腎、後腎を持つが、生まれるときにもつ腎臓(永久腎)は後腎から分化している。後腎は未熟だが、生体に移植することで成熟腎臓まで成長(分化)できるようになる。

要するに、胎児の段階での豚の未分化な腎臓を、移植に使うと 。移植先で成熟して、成長するということのようですね。成長した豚の腎臓ではなく、胎仔腎臓を移植することで、移植先の生物の体内で血液から栄養をもらい、成長すると。移植してから成長するまでに時間はかかるかもしれませんが、拒絶反応も少なくなる可能性があり、とても興味深い研究ですね。世界の先端医療は核のごとし。

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喜多野土竜
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