畑正憲さん死去
◉ムツゴロウの愛称で知られた、作家の畑正憲さんが死去されたそうです。数年前に心筋梗塞を患われて、入退院を繰り返されていたそうです。87歳は、大往生だと思います。自分たちの世代だと、動物王国のムツゴロウさん、というイメージです。常にニコニコしながら動物について色々解説されていて、自分も好きな番組でした。生物学者でもあられた昭和天皇や上皇陛下も、動物王国の番組は楽しみにされていたという話が、漏れ伝わってきますね。
畑正憲さんといえば駿河伊達氏の分家である陸奥氏の流れを汲み、武名が陸奥五郎入道正憲であることは、よく知られています。古流武術・陸奥圓明流の伝承者としても勇名を馳せ、現役最高位の九段。今までに熊や豹、ライオン、アナコンダ、アジアゾウ、チャトランといった猛獣と戦い、勝利されてきたわけで。かの、牛殺し大山倍達極真空手創始者を超える実績。……などというギャグも、もう言えないですね。
もちろん、いろいろと毀誉褒貶があったのも事実です。御本人も、そのおかしな部分をあまり隠そうとはされていませんでしたし。麻雀が異常に強く、プロ雀士九段。食えない頃は賭け麻雀で生活費を稼いでいたと、豪語する人ですし。二徹三徹当たり前。そもそも、メス熊のどんべえを飼っていたときは、勝手な行動をする熊にブチ切れて、角材で激しく殴打したことを、著書に書かれていましたから。
そんな人物が、テレビカメラの前でニコニコしていても、よく見れば目が笑ってないのに気づくはずです。ご本人も、もし自分が動物に襲われて絶命してもカメラを止めるなと、カメラマンに事前に言うような人ですから。突破者というか、傾奇者というか。狂気を持ち合わせている人でしたね。装ったものではなく、天然の。そういう部分も含めて魅力なのですが、勝手に いい人だと思い込んでいると、ギャップに驚くのかもしれません。
畑正憲先生の、ご冥福をお祈りいたします。合掌