キラー・カーンさん急逝
◉昨年のアントニオ猪木さん、12月11日の木戸修に続き、また昭和の名レスラーが……。モンゴル人ギミックで、モンゴリアンチョップやアルバトロス殺法で、アメリカでも大活躍した悪役レスラーでしたが、人気絶頂のタイミングで引退、以降は居酒屋とスナックの経営で、尾崎豊も愛したカレーなど、料理の上手さを活かして飲食業に専念されていたのですが。動脈破裂による急逝。残念です。奇しくも、デビュー戦の相手は木戸修戦だったんですよね。
ヘッダーは自伝『"蒙古の怪人" キラー・カーン自伝』のカバー写真より。
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とにかく、体格が日本人ばなれしていて。公称195センチで、196センチの坂口征二さんと並んで、新日本プロレスでは目立つ巨体でした。実際に見ると、身体の厚みと顔の大きさもあって、ものすごい巨体に見えました。アメリカでも、アンドレ・ザ・ジャイアント選手と絡める、巨体でしたし。テムヒン・エル・モンゴルのリングネームからキラー・カーンに改名して、ブレイク。アンドレ・ザ・ジャイアント選手が試合中のアクシデントで脚を痛めたとき、咄嗟にダブルニードロップで試合を終わらせ、逆に因縁の対立に仕上げたのですが。
あの巨体でトップロープからのダブルニードロップは、見栄えがすごかったです。アメリカでは、ハルク・ホーガンとの抗争など、大型レスラーと絡んでも体格負けしないので、人気だったようですが。アンドレの足を折った、というギミックにも、説得力を与えるに充分。奇声を発しながらの、モンゴリアンチョップも、中学校の頃は良く真似しましたね。試合自体も上手く、全日本プロレスに移籍してからの、長州力選手との因縁の試合は、名勝負だったと思います。
カーンはチンギス・ハーンから取ってるのですが、感じで書いた場合の成吉思汗の汗は、カーンともカンとも、ハーンともハンとも発音するので、居酒屋とかはカンちゃんの名前で出されていました。大相撲でもプロレスでも、ちゃんこが美味しかったので、引退後もそこを活かしての飲食店経営。また、プロレス界屈指の美声で、歌手としてもレコードを出していて多芸多才、ある意味で起用な人でもあったのでしょう。現役時代の凶悪な面構えも、今はすっかり高校屋という感じでした。
歯に衣着せぬ物言いと、坂口征二さんや長州力選手との確執とかあって、プロレス業界的にはやや距離を置かれていましたね。YouTubeの動画も、今はなくなってしまいましたし。内容的にも、事実のズレや盛ってる部分を指摘されてもいましたが。自分には真偽不明。プロレス界では、カール・ゴッチ杯を争った藤波辰爾さんと仲が良かったそうで。藤波さんが先日70歳になられたことが流れてきたんですが。カーンさんは結腸癌を告白されていたのですが、まさか接客中に動脈破裂とは。
キラー・カーンこと小澤正志さんのご冥福をお祈りします。合掌