張本勲さんの苦言が韓国でも反響
◉歯に衣着せぬ言動で、いろいろと物議を醸すことも多い張本勲さんですが。自伝を読むと、幼い頃の手の火傷、実母への思い、長兄への思い、野球への思い、出自を隠した力道山への直言、読売ジャイアンツから放出されたときの王貞治さんとの友情など、複雑な心情が見えます。この記事も、その部分がよく伝わるのですが、タイトルがちょっと扇情的ですね……。そこはメインではないと思うのですが。「60歳までは(原爆の)惨状を展示した広島平和記念資料館に一度も行けませんでした。2回ほど資料館の入口までは行きましたが、手が震えて入れませんでした」の言葉は、重いです。あの世界の片隅に、張本勲少年も確かにいたのですから。
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そういえば、安倍晋三元総理をサンデーモーニングでも褒めていましたね。「安倍ちゃんが総理で良かった」と。安倍元総理はヤクルトスワローズのファンで、野球は好きだったので。張本さんとも会食したことがあり、張本さんはとても評価していたようです。やはり、自身も被爆した人間として、姉を亡くされ最後を看取った広島県人として、深く心に傷を負っておられたわけで。だからこそ、オバマ大統領の広島訪問は、自分が生きている内にアメリカの現役大統領が来てくれた、それはやはり大きいと思います。たぶん、2045年を過ぎないと、謝罪は期待できませんから。
自分も、張本勲さんの事実誤認は批判してきましたし、野球を愛するあまり他の競技への無理解や偏見は異議を唱えてきました。しかし同時に野球人としてその卓抜した野球理論は、とても納得できました。打撃理論の雨の日の立ち小便姿勢の解説は、絵画の人体表現で重心位置を考える上で、ヒントになりました。そこは野球は野球、思想は思想、分けて考えるべきなのに。雑にまとめて馬鹿呼ばわりは、不愉快ですね。これも言論の自由ではありますが。韓国人の崔碩栄さんが、韓国の意見を紹介されていました。ネイティブならではの視点ですね。
朝鮮日報も、韓国のナショナリズムを強調しようとして、なんかチグハグな構成になっていますね。被爆者として、戦後の広島と日本社会を生きてきた個人の言葉として、中沢啓治先生の作品同様、貴重な記録。その検証はまた別の話だと思います。そこを持って聞いてほしかったです。在日コリアンの側にも張本さんの母親の言葉にも、武器で負けたわけではなく戦わずして併合したのだからと、普通に反論や疑義はあり、そいういう多様な意見が出るのが健全な状態でしょう。
翻訳掲示板のカイカイ反応通信を見ても、韓国にも多様な意見があるようですし。韓国の意見としても張本さんを評価し、若者はかなり情報を多用に吸収し、冷静な意見を書く人がいますね。日本人でも、国粋主義丸出しで自分に突っかかってくる人間はちょいちょいいますので、一定数の極論が出るのは当然としても。若い世代は、確実に変わりつつあり、変わっていくでしょう。インターネットの出現とスマートフォンの普及が、世論をマスコミの手から大衆が奪い返しつつあるわけで。万機公論に決すべし。
ところで、関係ない話ですが。王貞治会長と張本さん、板東英二さんは同期であり、仲が良いのですが。王さんの長兄の鉄城さんにしても、張本さんの長兄の世烈さんも、弟思いの兄という印象ですね。板東英二さんも末っ子で、お兄さんがいましたが。三人ともやんちゃな弟タイプで馬があったのか。王さんは台湾国籍で中国人の父親と日本人の母親とのハーフで4歳まで日本国籍。張本さんは韓国籍で、母親が日本語を喋らなかったので、朝鮮語もネイティブ並み。坂東さんは大陸からの引き上げ組で、一歩間違うと残留孤児に。三者三様の人間が友だちになれる、スポーツっていいですね。
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