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春闘は賃上げ続々

◉確定申告も終わって、自分の収入の少なさに愕然としつつ。大企業では今年のベアがどんどん発表され、満額どころか要求以上の数字を出す会社も続出です。なお、ベアとはベースアップの略語です。基本給(ベース)を上げる(アップ)こと。熊はベアー。くまクマ熊ベアー。X(旧Twitter)では、「スタグフレーションが~! コストプッシュ型インフレが~!」と、騒いでいる人がいましたが。スタグフレーションは高い失業率とセットで起きるもの、こうやって失業率が改善され、賃金が上がるのは、悔しいんでしょうね。

【大手企業、2年連続大幅賃上げ 自動車、電機で満額回答相次ぐ―日鉄はベア要求超え・24年春闘】時事通信社

 2024年春闘は13日、大手企業の回答が出そろった。トヨタ自動車と日産自動車は労働組合の要求に対し満額回答。日立製作所などの電機大手もベースアップ(ベア)で満額回答した。日本製鉄は要求を超える異例の展開となった。物価高や人手不足を背景とした組合側の前年を上回る要求に対し、経営側も2年連続の大幅賃上げで応じた形だ。

 トヨタの労組は定期昇給とベア相当分として職種や職位に応じ月額7940~2万8440円を、日産の労組は賃上げ総額の平均で月1万8000円をそれぞれ要求。ともに一時金を含め満額回答を受けた。SUBARUも満額で続いた。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2024031300123&g=eco

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、クマさんのイラストです。

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■主要52労組で好解答続出■

詳しくは、上記リンク先の全文を、ぜひお読みいただくとして。左派は相変わらず、失業率や実質賃金で、数字の誤魔化しをしていますが。安倍内閣で有効求人倍率が劇的に改善され、修飾がなくて青い顔をしていた学生と接していた自分としては、彼らの顔がみるみる変わったのを、覚えていますんで。まぁ、そういう実感もなく、数字をいじくって世の中を見たきになっている人は、次に「正社員だけで契約社員が~」とか言うんでしょうけれども。いや、デフレでパイが小さくなってるときならともかく、インフレでパイが大きくなってるのに、何を言ってるのやら。

 自動車など五つの産業別労組で構成する金属労協の集計では、13日までに回答があった主要52労組のベア平均額は月1万4780円。賃上げ率はベアのみで約5%となった。金子晃浩議長は「全体として実質賃金を改善し、物価上昇を上回る回答だ。例年以上に労使の目線、考えが一致していた」と高水準の回答を評価した。

鉄鋼大手労組が、約半世紀ぶりとなる月3万円のベアを要求したのに対して、日鉄は要求を上回る月3.5万円を回答と、景気が良いですね~。労使の関係は、かくありたいです。主要52労組のベア平均額が月1万4780円は大きいですね。年額で17万7360円ですから。もちろん、ボーナスも基本給を元に算定されますから、その分もアップ。従業員500人以上の企業は平均して1.5ヶ月分ですから、夏と冬のボーナスで3ヶ月分。22万1700円ぐらいの収入アップになります。平均でこの数字は大きいです。そしてこの、22.17万円という数字、とても重要です。

■製造業が好調だと効果大■

ペケッターで、各社の賃金アップをまとめていた方がいらっしゃいましたので、こちらを転載させていただきます。日本を代表する大企業12社ですが、おおむね平均値1.478万円に近い数字です。3万円とか、年間ではボーナス込みで50万円近くなるでしょうね。大手は、夏冬とも3ヶ月分とか出ますので。日鉄の3.5万円は、楽勝で50万円オーバー。TOYOTAや日産など、従業員数が多い企業でこれだと、波及効果が大きいんですよね。製造業はやはり、儲けは少なくても労働力の吸収という点で、重視すべき存在です。金融を軽視するのも間違いですが、製造業軽視もおかしいのです。

春闘賃上げ
トヨタ:最大2.84万円満額
日産:1.8万円満額
日立:1.3万円満額
NEC:1.3万円満額
三菱電機:1.3万円満額
富士電機:1.3万円満額
三菱重工:1.8万円満額
川崎重工:1.8万円満額
IHI:1.8万円満額
日本製鉄:3.5万円組合要求上回る
JFEスチール:3万円満額
神戸製鋼:3万円満額

https://x.com/denkikun_stepup/status/1767751541308678390?s=20

マスコミは、パーセントで発表して具体的な数字を避けるが、こうやって見ると壮観ですね。マスコミが比率を言うときには実数を、実数を言うときは比率を確認する、これが大事です。もうマスコミも経済評論家も、ナントカのひとつ覚えの消費税攻撃はやめて、景気浮揚策をちゃんと論じましょうよ? 餃子の王将とか、4万円アップ×12ヶ月=48万円の年額アップです。ボーナスは渋くても、たぶん最低でも年間60万円のアップでしょう。下記のnoteでも書きましたが、とにかく政府批判していればいいというのは、知的怠惰です。

■消費税減額は政策に非ず■

れいわ新選組の試算では、消費税全廃しても平均的な家庭で約22万円の減税でしかなく。実際は、目減りしたぶんを所得税のアップで補うため、22万円の半分が消えてしまい。さらに法人税の倍増で、さらに消え。そう、上で書いた主要52労組のベア平均額が月1万4780円が、ボーナス込みで年間の数字として22万1700円ぐらいの収入アップになる、というのはここにつながってきます。消費税減らせ・全廃しろは、ただの対処療法であって、政策ではありません。具体的な景気浮揚策がなければ、種籾を食うに等しい行為に過ぎません。

上記サイトで検証されていますが、消費税10%をゼロで25-26兆円の減収となり、その財源を所得税と法人税の増税で埋め、足りないところは借金・国債というのが、れいわ新選組の主張です。これで、消費税廃止で家計は年間22万円ほど楽になると計算しているのですが、所得税の増税で半分は吹っ飛び。そもそも、富裕層が~って、日本の富裕層はけっこう高額納税していて、これ以上の重税は無理です。また所得税を昔の最高税率70%に戻しても、昔のような税収にはなりません。さらに法人税を倍増したら、もう会社自体の海外移転が増えるだけ。

鎌倉時代の徳政令と同じ、目先の金をドガチャガしても対処療法に過ぎず、根本的解決にはならないんですよね。そういう意味では、景気浮揚策はあるのか、殖産興業のビジョンはあるのか、ということです。現状維持しかなく、アイデアもなければ他国の成功例を取材することもせず、口を開けば政府批判。政府批判はどんどんやっていいですが、それが内容もなくただ〝為にする批判〟では、政府にはダメージがありません。それどころか、健全な批判がなされなければ、かえって政府が増長するだけです。マルクス経済学なんて、オカルトを信じてる人間には批判は難しいでしょうが、それなら勉強するか、せめて黙ってるのが良心では?

ところで、岸田政権の中小企業向け対策(というか大企業の下請けいじめ対策)について、報道のTBSがまたやらかしていますね。まるで政府が、中小企業の吊し上げをするかのような見出しなっていますが、実際は違います。なぜこんな記事を書いたか、その邪推は別途noteを書いて、後ほど検証しますね。


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