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朝からパンを焼く日曜日

 前日の朝から生地を仕込んでいた。Youtubeで見つけて「これなら私でもできそう」と思い、挑戦した初めてのパン作り。パンって予熱が必要だったり、聞いたことがない材料を混ぜて、発酵する時間が必要だったり、不器用な私には工程や材料が多いと扱いきれず、やる前から断念してしまいがちだったが、はるあんさん料理動画は簡単でとても真似がしやすい。

 レシピ通りに材料を混ぜて、朝まで冷蔵庫で寝かす。起きて生地を見るとなんと膨らんでいて、これが発酵か・・・!と感動から始まり、生地を成形してオーブンに入れる。綿棒もパンをこねる時に利用するシートもないので、サランラップでこねる場所を作り、菜箸でなんとなく伸ばしていく。かなりやり辛く、ちゃんと器具の必要性を身に染みながら、なんとか形を整えた。焼けていくパンを眺めているとだんだんと心に余白ができていくような気がする。焼いている間に洗濯物を済ませて、目玉焼きも焼いた。動画通りに綺麗な形にはならなかったけど、初めてにしては上出来のパンが仕上がった。シンプルな味なのでマーガリンと一緒に食べる。熱々のパンを真ん中でちぎると、表面はカリッと音を立て中はふんわりとしている。「焼けている!パンだ!」と感動しながら、マーガリンを塗って食べると本当に美味しい!初めて自分で作ったパンがこうも簡単に出来上がるなんて。旦那にも好評で彼は何もつけなくても美味しいとのことだった。これは嬉しい。簡単に作れるレシピを公開してくれているはるあんさんに感謝である。そして今回知ったのは、意外と簡単に色んなパンが作れるってこと。例えばベーグルだったり、フォカッチャも今手元にある材料で予熱なしで作れる。これがパン沼か・・・!と痛感しながら、気づいた時にはamazonでパン作りのめん棒やシートがセットになっている器具を購入していた。
 パンをこねて焼いている間感じた、あの気持ちに余白ができる感覚はなんだったんだろう。せっせと洗濯物をしている私を横目になかなかベッドから出てこない旦那を見てもイライラしなかったし、特に急くような気持ちにもならなかった。洗濯物を干しているときに、途中から手伝いに来てくれた旦那に感謝の気持ちが溢れ幸せな気持ちになるし、なんとなく朝の時間がすごく充実しているような気持ちになった。パン作りに限らない話だけど、作れるものは自分で作った方が自分を労ってあげているような、大切にしてあげられているような気がしていい気分になるのかもしれない。つまり丁寧な暮らしができている気がして、気分が良くなったような気がした。
 動画などで見る丁寧な暮らしをしている人のVlogを見ると、すごく遠い存在に感じてなかなか真似が難しい。なんてったって丁寧な暮らしは、初期費用が高い。それが日常化すればきっと普通に暮らすよりはそこまで費用もかからなかったり、もしくは抑えられたりするんだろうけど、そこに至るまでの初期費用だったり、努力という名の労力が結構コスパ悪いように感じる。だから最初は憧れて真似するんだけど、なんだか丁寧な暮らしをしたいがために、今無理しちゃってるのなんでなんだ、というジレンマに襲われて途中リタイアが今まで多くあった。
 でも今回のパン作りや、今の私の日々の暮らしの中で気づいたことは「自分を大切にできたらそれはもう丁寧な暮らし」ってことだ。動画の中の人みたいにオシャレな器具や物を買わなくていい。料理も全部完璧じゃなくていいし、添加物も食べたきゃ食べればいい。自分の気持ちに寄り添った行動ができればそれでオッケー。それが結果としてグルテンフリーの食べ物だったり、オシャレな器具や雑貨に囲まれる事であれば、自分のできる範囲内で揃えていけばいい。人と同じようにしなくていいから、自分の思う「丁寧」を形にしていけばいいんだな、と最近感じている。だから予熱も必要なし、特別な材料も必要なし、でもそれっぽく美味しくできるパン作りでも、自分のために作ったパンを食べる朝食は自分の中ではかなり「丁寧」レベルの高い行動の1つだったのかもしれない。だからすごく気持ちに余裕ができているのを感じたのかもしれない、と今考えていて思います。
 今日私は初のこむら返りを経験した。寝ている時に足がつりそうになることは今までもあったが、今回はしっかりと足をつってしまい、しかもなんとかなった後もずっと痙攣しているような刺すような痛みが走った。どっちに足を傾けたらいいかも、寝ぼけ頭では分からず「死ぬ・・・」と焦っているのに私はそれ以上に眠たさに勝てず、結局そのまま寝ていた。最強かよ。本当に痛かったのに、それ以上に眠いから寝るって、どんだけ寝たいんだって自分で突っ込んでしまいます。ただ今日も足がつりそうな気がして少し怖いので、湯船にしっかり浸かって、足のマッサージもし、水もたくさん飲んでから寝ます。痛みを知った後にまた経験するのでは痛みの度合いも変わってきますもんね。

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