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【支える人びとシリーズ②】自治体営業から感じた「ふるさと納税」の今

もぐふる」は、ふるさと納税を支える人を取材し、どんな人がどんな思いを持って携わっているか、どんどん紹介していきたいと思っています。今回は第2弾として、多くの自治体に「もぐふる」の魅力を伝えた、営業リーダーの渡邊にインタビューをしました。


食卓を彩る、食品の舞台裏の魅力

――――早速ですが、経歴を教えてください。

最初の就職先では、アラスカのアクタン島やカナダのニューファンドランド島での仕事で、カニの品質検品や輸出入業務に従事していました。その後、冷凍食品や冷凍野菜などの輸出入をする企業に転職し、食品が日本に届くプロセスに関わる中で、食品業界の魅力に触れました。食品の裏側には様々な人たちが関わり、それが食卓を囲む瞬間に繋がっていくことに感動し、この業界でのキャリアを積むことを決意しました。

――――そのように食品業界を魅力的に感じているのですね。現在は、どのようなお仕事されていますか?

今は、ふるさと納税「もぐふる」の魅力を自治体にお伝えし、日本の地域の食品中小企業の販路拡大支援に尽力しています。特に大量生産が難しい地域には、素材や製法にこだわり抜いた高品質な食品が多く存在します。それらの魅力を発見し、より多くの食卓に広めるために活動をしています。自分が選んだ商品が消費者に届く過程を通じて、食卓を彩る裏方たちと連携し、その一翼を担うことが何よりもやりがいに感じます。

ふるさと納税でつなぐ、地域産品の魅力

――――自治体はふるさと納税にどんな期待をもっていますか?

300以上の自治体と対話を通じて、自治体がふるさと納税制度について抱く本音を垣間見ることができました。多くの自治体が、ふるさと納税を通じて事業者を支援し、地域活性化を図りたいと考えています。

自治体が地域の食品の認知と売上向上に熱心なのは、特産品の存在がふるさと納税の寄附額に直結するためだと考えられます。ブランド力のある特産物が返礼品として用意されていると、ふるさと納税を通じてそれらを「お得に」手に入れようとする人が増えるでしょう。そのため、ふるさと納税「もぐふる」が事業者の販路拡大を目指している点は、非常に好感を持っていただけました。

――――いかに自治体の魅力、特産品を知ってもらえるかが寄附額に直結するのですね。

他にも、自治体はふるさと納税制度を通じて地域のPRをすることで、関係人口を増やしたいと考えています。この点において、「もぐふる」は少ない広告と、見やすいページが高く評価されています。他社のふるさと納税サイトでは、広告枠によって自治体の紹介が見づらくなり、魅力が伝わりにくいという意見があります。

また、「もぐふる」では自治体の魅力が最大限に伝わる特集ページを自治体が希望すれば無料で作成する点も、良い印象をもっていただけました。他のサイトでは特集ページの作成に別途追加費用がかかる場合もあるため、当サイトでは低コストで自治体のPRが可能であるという点が評価されています。

関係人口を増やす観点では、「もぐふる」は在留外国人向けに全てのページを英語と中国語に翻訳しているため、在留外国人にも自治体の情報が広く知られるようになっています。在留外国人であっても、日本に住みながら税金を納めている場合は、ふるさと納税制度による税額控除のメリットを受けることができます。自治体はふるさと納税をきっかけに、観光客や移住者の増加を期待しており、そのため在留外国人にも自治体を知ってもらえる機会が生まれることに、好印象を持っていただけました。

挑戦するふるさと納税サイトの難しさ

――――ふるさと納税サイトへの不安の声はありましたか?

不安の声として挙げられるのは、既にたくさんの競合サイトがある中、ふるさと納税サイトがどのようにして寄附を集めることができるかという点です。ふるさと納税制度が自治体にとって財源確保の大きな柱となっているということを実感してます。ふるさと納税の寄附額によって、自治体のプロジェクトの範囲が決まるため、自治体にとって重要な機能となっています。

――――渡邊さんがふるさと納税制度で問題視している点はありますか?

個人的に問題視しているのは、「お得さ」が主要な要素として強調されている傾向があることです。ポイントや返礼品の競争が激しく、結果として寄附が集まっている反面、ふるさと納税の趣旨から少し逸脱してしまっているとの声もよく耳にします。自治体の担当者も、「お得さ」に戸惑いつつも、現状を受け入れざるを得ない現実に苦しんでいます。それは、ふるさと納税の業務が多岐にわたり、自治体の職員だけでは十分な運営が難しいためです。具体的には、返礼品の管理や必要書類の作成、問合せ対応など、多岐にわたる業務が少人数で行われています。

私の考える共創の未来:自治体との共同開発と魅力発信

――――今後の展望を教えて下さい。

やりたいことの一つとして、輸出において食文化の違いや輸入ルールの制約が生まれる中で、これらのハードルを乗り越えられる商品を共同開発していくことを考えています。どの国がその商品を受け入れやすいか、そしてどのようにその商品をアピールしていくかを、創業110年以上の食品商社であるWismettacグループとして、じっくり計画を立てながら、事業者の販路支援をしていきたいと思っています。

――――最後に、「もぐふる」の伝えたい魅力はありますか?

もぐふる」では掲載料がかからないため、自治体にはもぐふるのサイトをPRに活用してほしいと考えています。サイトにおいては、食品はもちろん、自治体の魅力もしっかり伝え、地域全体の魅力を広く知ってもらえるように心がけています。

さらに、イベントの充実も大切な要素と考えています。実際に自治体と関わった運営メンバーがイベントに立ち、直接魅力を伝えることで、より実感として伝わることを目指しています。私自身が自治体を訪れ、自治体の職員との交流を通じて肌で感じた魅力を、イベントを通して多くの人に伝えていきたいと思っています。