レモネードと花火とはじめましてのキミ
コランダ地方交流
お借りした方
・ザクロくん
・アルヴァちゃん
・エドガーさん、ベアトリスさん
蜂蜜レモンクリームソーダを買いました▼
「祭りに行けばたくさん歩くから、たまごが早く生まれるんじゃないか?」
セラヴィーが幼馴染二人に提案したら、「お祭り行きたいだけじゃない?」とアルヴァが笑った。
「良いじゃない、お祭り楽しそうだよ」
ザクロがチラシを見ながら言うと、セラヴィーの顔がぱぁっと明るくなる。
「じゃあ、行こう!」
甚平に着替えて、三人で夜の祭り会場に繰り出した。
「夜に行動するのって、何でこんなわくわくするんだろ」
黒曜石のような瞳をきらめかせながら、セラヴィーは祭りの会場を見回した。
周りは、人、人、人だらけ。焼けたとうもろこしの良い匂いが鼻をくすぐる。
「楽しそうな屋台がいっぱいだね」
ザクロの言葉に、セラヴィーは嬉しそうに頷いた。
「迷子になっちゃダメなんだからね」
しっかりもののアルヴァに言われて、今度は口を尖らす。
「わかってる~ほら、早く行こう」
セラヴィーのそばにいるアシマリのリリーは『本当にわかってるのかしら』とため息をついた。
買った焼きとうもろこしを齧ると、醤油の香ばしさととうもろこしの甘さが口いっぱいに広がる。手持ちのポケモンたちにも分けると、美味しかったのか皆喜んでみせた。
「お前だって、はやく食べたいよな」
セラヴィーは、もうすぐ生まれそうなポケモンのたまごを軽く撫でた。すると、たまごが少し揺れる。本当に、もう少しで生まれるのだと思うと胸が高鳴った。
「ちょっと喉が渇いたね」
ザクロにそう言われて、確かにとアルヴァとセラヴィーは頷いた。
「何か飲み物売ってないかしら」
喉の乾きを潤すものを求めて屋台を見て歩いていると、リリーがちょうど良いものを見つけた。
ヴァニルシティの兄妹、エドガーとベアトリスの店だった。
「「「レモンクリームソーダ3つ!」」」
選んだのは蜂蜜レモンクリームソーダ。蜂蜜入りのレモネードに、バニラアイス飴細工のチェリーが可愛らしい。
「蜂蜜酒のもあるの?」
「それは大人になったらな」
蜂蜜酒が気になるセラヴィーに、エドガーは軽く笑ってみせた。
「大人になったら、絶対蜂蜜酒で乾杯しようぜ」
ザクロとアルヴァにそう言って、セラヴィーはレモネードで喉を潤した。
***
店を回ってステージを見て、そうしているうちに、打ち上げ花火が上がる時間になった。たまごはゆらゆら揺れるが、まだ生まれない。
大輪の花が夜空に咲くのを見上げていて、ふと、ザクロが写真を撮っていないことにセラヴィーは気付いた。
「ザック、写真はいいのか?」
「この思い出は……写真よりも目に焼き付けたいって思ったんだ」
確かに、ファインダー越しに見る花火より、直接見る花火の方が絶対に綺麗だと思う。
「そっか!」
「ふふ、いいんじゃない?」
三人で笑っていると、セラヴィーの手元のたまごにヒビが入った。
「あっ、生まれる……」
「……シャン?」
さっき飲んだレモンソーダのような色の、まん丸なポケモンがセラヴィーを見つめた。
「ずっと待ってたよ」
生まれたばかりのその子をセラヴィーが抱きしめた時、空にまた花火が上がった。
***
たまごからリーシャンが生まれました!
レモン(リーシャン♂)
特性:ふゆう
性格:ひかえめ
技:ねがいごと、ねんりき、シャドーボール、おどろかす