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【入門解説】スリヴァーズ

こんにちは、もぎとりです。
モダンのスリヴァーデッキの紹介です。
今回はスリヴァー盛りだくさんのデッキスリヴァーズです。

デッキリスト

サンプルレシピ:JustBurn420より

スリヴァーズ
クリーチャー:36
2:《横這スリヴァー/Sidewinder Sliver》
3:《先制スリヴァー/Striking Sliver》
4:《風乗りスリヴァー/Galerider Sliver》
4:《筋力スリヴァー/Sinew Sliver》
2:《屑肉スリヴァー/Dregscape Sliver》
4:《斬雲スリヴァー/Cloudshredder Sliver》
4:《血吸いスリヴァー/Leeching Sliver》
4:《不確定な船乗り/Unsettled Mariner》
4:《捕食スリヴァー/Predatory Sliver》
3:《熱狂スリヴァー/Frenetic Sliver》
2:《領界渡り/Realmwalker》

呪文:4
4:《霊気の薬瓶/AEther Vial》

土地:20
4:《魂の洞窟/Cavern of Souls》
4:《手付かずの領土/Unclaimed Territory》
4:《スリヴァーの巣/Sliver Hive》
3:《変わり谷/Mutavault》
2:《灼陽大峡谷/Sunbaked Canyon》
2:《焦熱島嶼域/Fiery Islety》
1:《平地/Plains》

サイドボード:15
3:《調和スリヴァー/Harmonic Sliver》
3:《四肢切断/Dismember》
4:《虚空の杯/Chalice of the Void》
4:《虚空の力線/Leyline of the Void》
1:《墓掘りの檻/Grafdigger’s Cage》



デッキ解説

スリヴァーズとは

この記事では、モダンのスリヴァーデッキ〈スリヴァーズ〉の解説をします。主にこれからスリヴァーデッキを組んでモダンを楽しみたい方向けの記事になります。
 スリヴァーの生体についての解説はwikiに譲るとして、ここではデッキを解説します。
 まず、このデッキの特徴として、メインボードの呪文は〈霊気の薬瓶〉以外すべてスリヴァーで構成されています。
1ターン目からガンガン展開していき、4,5ターン目には相手のライフを0にすることを目標としています。
実際、スリヴァーと対戦した方は分かると思います、その早さを。

また、基本はクリーチャーを順番に展開して殴るだけなので、アミュレットタイタンやストームなどコンボデッキと比べると比較的簡単なデッキだと思います。
同じような役割をするカードが多いため、ゲーム展開の再現性が高く安定していますので上達も早くなります。

 さて、このデッキのスリヴァー達はそれぞれ【打点UP】、【回避能力】、【除去耐性】、【戦線維持】の担当がありそれぞれ能力を共有します。

それぞれの役割理解が大切


回避能力

〈風乗りスリヴァー〉

飛行共有。一マナで自軍のクリーチャーに飛行を与えることは、エルフやマーフォークなど他の部族にはない大きな利点。
飛行は基本的かつ強力な回避能力で、デッキによっては「ブロックされない」と同義になります。
また、飛行は守りにおいても重要で〈ドラゴン怒りの媒介者〉や〈濁浪の執政〉のような大型フライヤーでも〈先制スリヴァー〉と合わせて討ち取ることもできる。
 1マナながら場に与える影響力が非常に高いため、1ターン目は他のスリヴァーを召喚し飛行を隠す事も戦術として覚えておきましょう。
孫子の兵法でも「兵は軌道なり」と言う言葉がありますが、
突破できないと思わせておいて『はい、全部飛行持ちました。』と言って相手を踏みつけるのは楽しいです(やばいやつ)。
(実際の対戦でも『飛ばれたら仕方ない』と思いフルタップ、フル展開される方も多くいました。)
ただその場合、〈孤独〉には細心の注意をしてください。

単純な能力の中に様々なエッセンスが凝縮されたスリヴァー界の雄。

〈斬雲スリヴァー〉

飛行+速攻共有。モダホラ1が産んだ怪物。
飛行という回避能力に加え、速攻を共有しスリヴァーゾズの攻撃性をワンランク上に引き上げます。
その高い殺傷能力は数多くの相手のライフを瞬く間に葬ってきました。
2ターン目から戦場に出し、後続のスリヴァーに速攻を付けても良いし、
全体除去の返しにこれを合わせて複数体のスリヴァーを展開し火力のように使っても良い。
ロードと組み合わせることで9点ほどの打点を隠すこともできるので油断した相手をしとめるにはもってこい!

強襲から奇襲までなんでもござれのパワーカード!

打点UP

〈筋力スリヴァー〉、〈捕食スリヴァー〉

+1/+1修正を共有(いわゆるロード能力)筋力は全て、捕食は自軍にのみ効果が反映されます。よく勘違いされるのですがこのカード自身も修正を受けるので実質2マナ2/2相当です。
部族の2マナロードはダブルシンボルであることが多いですが、これらはタッチシンボルです。これは5色デッキには非常にありがたい。
ロードを出しつつ2ターン目に〈変わり谷〉を置くことができるので、〈ヴェールのリリアナ〉や〈時を解す者、テフェリー〉を出された返しに処理しやすい。

自軍の打点を瞬時に計算して言えるようになれば君は立派なスリヴァーブリーダーだ。

〈血吸いスリヴァー〉

「スリヴァーが1体攻撃するたび、防御プレイヤーは1点のライフを失う」能力を共有。打点をロード能力と同じく向上します。
パワータフネスが上がらないことは、殴り合いや火力に弱くなるりますが、PWとライフを効率的に攻めることが出来たり、〈罠の橋〉に引っかかりにくくなるなど、メリットとなることも多くあります。
何より攻撃をトリガーとした誘発型能力は、〈セラの使者〉によるプロテクションや〈崇拝〉や〈濃霧〉等ダメージ軽減に引っかからないことも強力。
相手の場に絆魂クリーチャーがいても戦闘より先にライフを攻めることができます。
となると、相手としても戦闘前に処理したいカードのため、除去の避雷針となることも多く、コンバットトリックでの無駄死にが減ります。

このカードの存在が相手との対話を増やし、スリヴァーズをより高見へといざなう。

戦闘補助

〈横這スリヴァー〉

側面攻撃を共有します。一番ルールを確認されるスリヴァーでもあります。側面攻撃とは、〈側面攻撃を持たないクリーチャーがこのクリーチャーをブロックするたび、ターン終了時まで、ブロックしているクリーチャーは-1/-1の修正を受ける。〉効果です。
つまりブロックしたクリーチャーが一回り小さくなります。
修正はブロックしたクリーチャーすべてに影響を与えるので、1/1に100億体でブロックされても一方的に倒せます。
対象を取らないため呪禁もプロテクションにも有効で、側面攻撃は重複するため2体並ぶとブロックしたクリーチャーは-2/-2の修正となり、〈ファイレクシアの十字軍〉でも一方的に倒せる。
〈先制スリヴァー〉と並んだ日には天下無双。
と、まあ良いことばかり書きましたが、守りになるとまったく役に立たない能力でサイドアウト率の高いカードでもあります。
正直、能力自体よりも1マナのため〈霊気の薬瓶〉のカウンターが1の時に出せる貴重なスリヴァーであること評価されています。

ちなみにこの能力共有は相手にも影響するため、相手の場に多相をもつクリーチャー(主に変わり谷)がいるとそれにも側面攻撃を与えてしまい、効果がなくなるのでご注意を。

古の能力を共有する攻撃特化型スリヴァー!

〈先制スリヴァー〉

先制攻撃を共有。〈横這スリヴァー〉の側面攻撃に対して先制攻撃は守りに強い能力です。流行りのラガバンもこいつの前にはただのサル。
またこれと数体のスリヴァーが立っているだけで相手の大型クリーチャーとにらみ合いができる事もしばしば。
さらに薬瓶から奇襲的に出てくることで相手の戦線を崩壊させたり、戦場の構築や回避能力スリヴァーを引くまでの時間の稼いでくれます。
重複しないので、失ってもそこまで困らないので、とりあえず殴りに行かせやすい炭鉱のカナリアでもある。

その存在を「見せるか」、「隠すか」の駆け引きが大切になるスリヴァー。

除去耐性

〈不確定な船乗り〉
__________________________________
あなたか、あなたがコントロールしているパーマネント1つが、対戦相手がコントロールしている呪文や能力の対象になるたび、それのコントローラーが(1)を支払わないかぎり、その呪文や能力を打ち消す。
__________________________________

プレイヤーと自身のコントロールするパーマネントへ護法①を持たせる名誉スリヴァーその1。軽量除去や想起インカネーションに頼っている相手は大きな減速となり、その間にスリヴァーを育てビートダウンする時間を稼ぎます。
プレイヤーを護る効果も火力や手札・ライブラリー破壊へのけん制となる他、ストームのぶどう弾やヴァラクート等一部のコンボデッキへの対策にもなります。
ただし〈突然の衰微〉や暴勇時の〈悪魔火〉など打ち消されない呪文へは無力なため過信は禁物。

新顔ながらクルーを護ってくれる名誉スリヴァー。

〈熱狂スリヴァー〉

コイントスに勝利することで、スリヴァーをターン終了まで戦場から避難させることができる(ターン終了時までの明滅)。
不確実ながら最強の除去耐性となり、単体除去はもちろん、全体除去すら生き残るため相手からすると非常に厄介。
大型クリーチャーを無傷でブロックしたり。絆魂クリーチャーを無力化させたりリスクはあるが擬似警戒として使ったり色々便利。

後で解説するが〈屑肉スリヴァー〉と組み合わせることで、完全蘇生が狙えるところもポイント高い。

実質ノーリスクで楽しめるファンタスティックスリヴァー。

戦線維持

〈屑肉スリヴァー〉

2マナ2/2と十分なスタッツに加え、蘇生②を共有する。
蘇生能力はトドメの一撃やpwを処理するのに便利。ロードや飛行を戻して高打点を狙いましょう。また、蘇生したスリヴァーを〈熱狂スリヴァー〉でコイントスに勝つと完全蘇生します。

死は労働を辞める理由にはならん!
スリヴァーブラック会社 社長。

〈領界渡り〉
________________________________
領界渡りが戦場に出るに際し、クリーチャー・タイプ1つを選ぶ。
あなたはいつでもあなたのライブラリーの一番上のカードを見てもよい。
あなたはあなたのライブラリーの一番上からその選ばれたタイプのクリーチャー呪文を唱えてもよい。
________________________________
ライブラリーのトップからスリヴァーを送り込む名誉スリヴァーその2
全体除去を打たれてクリーチャーが全滅してもこれ一枚でリカバーが可能なポテンシャル。戦場に薬瓶と土地しかない場合は、これのドロー期待でカウンターを3つにしておきましょう。
3マナ2/3というボディも戦力としても十分に優秀。
リソース回復手段の乏しいスリヴァーにとって心強い存在です。

ライブラリーから戦場へスリヴァー達をご案内。
ツアーガイドスリヴァー。

霊気の薬瓶

疑似的なマナ加速によりスリヴァーを高速展開します。
インスタントタイミングで場に出るので、先制攻撃や飛行によるコンバットトリックや、〈激情〉〈孤独〉などEBT能力カードを唱えるに対応して〈不確定な船乗り〉を出すことで能力を打ち消すことができる。
また、マナを使わずに展開できることから、〈屑肉スリヴァー〉や〈領界渡り〉の能力を存分に使うことができる。
以前はこれと土地が一枚あればキープできていましたが、〈虹色の終焉〉の登場以降はかなりリスキーとなってしまったことが悔やまれる。
土地1枚これ2枚ならキープしても良い。

土地

〈魂の洞窟〉〈手つかずの領土〉

指定した部族に対する5色土地。魂の洞窟については、それからマナを出すと打ち消されないおまけつき。
これらにより色マナ基盤が非常に安定される。
〈血染めの月〉等を使う相手には〈スリヴァーの巣〉よりも優先的に出しましょう。何故なら、月がある場だと、出す際に部族の指定が出来ず、月を破壊した後もただの〈荒地〉になってしまうので。
「神河 輝ける世界」で似た効果のある〈閑静な中庭〉が登場。
〈魂の洞窟〉が買えない方はとりあえずはそちらを代用しても良い。


〈スリヴァーの巣〉

スリヴァー専用の5色土地。トークン生成能力も付いていますが、〈変わり谷〉や〈ホライゾンランド〉の起動が優先されるためほとんど使う機会はない。
これと合わせて3種12枚の5色土地が使えるので後述の〈変わり谷〉が採用できている。
〈魂の洞窟〉と異なり、部族呪文にも利用可能。多相を持つ呪文(名もなき転置など)を唱えることができる。
今後、スリヴァーPWが出ることを期待しましょう。

〈変わり谷〉

いわゆるミシュラランド。1マナで2/2のスリヴァー(多相)になります。
戦力として、マナフラッド受けとして優秀で、全体除去や除去能力のあるPWへの対策としても活躍します。
クリーチャー化するタイミング次第で〈謎めいた命令〉のフルタップを回避できる。
自身から出るマナでクリーチャー化することで、〈スリヴァーの巣〉の起動条件を満たせることは覚えておこう。
無色である故、〈刻まれた勇者〉をブロックできる貴重な存在でもある。
マーフォークの〈アトランティスの王〉で強化されたり、あらゆる部族対策に引っ掛かるところも可愛い。
豊富な5色土地によりマナ基盤が安定しており、色拘束が弱いことから5色デッキにも関わらず〈変わり谷〉が3枚採用できる点もスリヴァーの強みですね。

ホライゾンランド

ドローに変換できるため、息切れ防止にもってこいの土地
マナを出すためにライフが必要ではあるが、このデッキにはショックランドやフェッチランドがないのでそこまで気にしなくても良い。
そもそも、とっとと相手を撲殺してしまえばノープロブレム。
主に〈漸雲スリヴァー〉、〈不確定な船乗り〉のマナの関係上、《赤白》、
《赤青》、《黒白》が使われる。

〈平地〉

〈流刑への道〉、〈暗殺者の戦利品〉用のお守り基本土地。
このデッキは白マナを要求するカードが一番多いので平地を採用。
好きなイラストを使うもよし、新パックの土地を使うもよし。
ある意味数少ない自由枠。


その他

キープ基準


土地や薬瓶が5枚はマリガン。
土地4枚でその中に変わり谷がある場合、キープを検討。
基本的に序盤から攻めたいので、最低限【打点UP】、【回避能力】のどちらかは手札に欲しい。なので1マナスリヴァーばかりで打点が伸びない場合はマリガンした方が良い。
薬瓶、土地1枚キープは〈虹色の終焉〉が怖いので昨今はマリガンした方が良い。ただし、土地が5色土地で1マナスリヴァーや打点UP系が多ければリスク承知でキープしてもいいかも。
デッキシャッフル手段が無いため、マリガンで送ったカードはそのゲーム中使えないと思った方が良い。

と色々書いたけど5色土地が2枚あれば大体キープで何とかなる。

サイドボード

サイドアウトするカードは、横這い、屑肉、熱狂、領界渡りを一枚ずつ抜いたりすることが多い。特に攻めているときしか強くない横這いは後手だと良く抜かれる。
【回避能力】【打点up】は抜くことは無い。
消耗戦の場合、私は1マナスリヴァーや薬瓶を抜いて〈大祖始の遺産〉を入れる派。

墓地対策(虚空の力戦、大祖始の遺産)
虚空の力戦はドレッジ、リアニメイトなど墓地を使ったコンボ対策。
サイドインするなら力戦を引くか、4キルできる手札でないとキープはしない。逆に言うとジャンド等墓地利用がメインでないデッキに入れない方が良い。
それに対して大祖始の遺産は気軽に入れやすい反面、墓地ガチ勢には間に合わないことが多い。

置物対策(調和スリヴァー)
ハンマータイム、親和、エンチャントレス、トロン、アミュレットタイタンなどに入れる。〈ウルザの物語〉も割れる。
全てを壊しまくった後は、自分の薬瓶を割っちゃうお茶目さん。

呪文対策(虚空の杯、歪める嘆き)
虚空の杯は続唱系デッキバーン、感染など0,1マナの多いデッキに入れる。
自分よりも早いデッキを減速させることが一番の目的であることを忘れない。割られやすいので過信は禁物。

歪める嘆きは以前カンパニー型のスリヴァーで採用していた。
続唱やライブラリー破壊、不屈の創造力などが主な対象。
使いどころが限られているためあまり採用されていないが、想定外の打ち消しや、意外と範囲の広い除去として活躍できる可能性がある。
こういうカードもあると覚えておきましょう。

除去(四肢切断、はらわた打ち、次元の歪曲、歪める嘆き)
除去については、呪文用の色マナが出ないのでΦマナ系か♢系呪文以外ほぼ唱えられない。
主にオムナス、ヨーグモス医院、ヘリオッドカンパニーサヒーリコンボ等クリーチャーを使ったコンボに入れよう。

その他(減衰球、倦怠の宝球、墓堀の檻、減衰のマトリックス、呪文滑り)
減衰球はストーム、トロンに入れよう。トロンには効果が高いが入れすぎると打点が足りなくなるので2枚にとどめるのが吉。

倦怠の宝球
エレメンタルデッキが流行っているのなら採用検討。
やたら値段が上がっているのが厄介。

墓堀の檻
軽量墓地対策。
〈集合した中隊〉や〈獣群の呼び声〉などサーチ対策にも有用。
〈屑肉スリヴァー〉や〈領界渡り〉とディスシナジーなところがマイナスポイント。

減衰のマトリックス
マナ能力以外のアーティファクトとクリーチャーの起動型能力を封じる。
石鍛冶デッキ、親和デッキ、ヨーグモスデッキに強い。

呪文滑り
いわゆる避雷針で稲妻キラー。除去対策よりも相手の呪文や効果を奪うために使う方が効果的。具体的には感染デッキのパンプアップカードや鱗親和の接合など。

終わりに


以上がモダン スリヴァーズの解説になります。
単純明快な部族ビートダウンですが、深みもあり良いデッキだと思います。
とまあ偉そうに色々書いていますが、私個人はこのデッキで大きな大会で入賞したとかそういう実績はないんです(^_^;)
店舗大会3-0ぐらいです(笑)。

とりあえず、スリヴァーに関する記事が少ないのでとりあえず思いつくことをつらつらと書いてみました。
これからスリヴァーを組むであろう方の参考になれば幸いですし、これをもとにスリヴァー談義が出来れば最高です。

なによりスリヴァーの使用者が増えればWotcも新規にスリヴァーを作らねばいけませんからね。ヘッヘヘ。

ではまた。

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