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ごまたまごが悲しみの味になるなんて、いや、ごめん、なんの味もわかりません。

ごまたまごの賞味期限が切れた。

ごまたまご、ご存知ですか?
東京のお菓子。

初めて食べたときは、まあ、正直、そんなハマらなかった。すみません。
それがいつの間にかおいしいと思うようになって、今では東京方面に行ったらほぼ必ず買っているくらいに。

で、昨年末に横浜に行ったときに、東京にも行って買ってきたわけです。
いつもは8個入やけど、食べちゃうから12個入買っちゃお、って。
これでしばらくはごまたまごのある生活だぁ、って。

ところが。
ところが、ですよ。
年明け早々に高熱出したあと、においのない世界の住人になったわけです。
そうしたら、おそらくそのせいで、味のない世界の住人にもなったわけです。

そうなると、せっかく買ってきた横浜東京のお土産たちを食べても、おいしくも嬉しくもわくわくもしない。
普段の食事すら思い出にすがって、「こんな味だった気がするなぁ」と思い出しながら食べるしかない切なさ。
思い出補正。(たぶん、それはこんなところで使うやつじゃない)

せっかくのお土産たちを、そんなふうに食べたくないじゃないですか。
「おいしーい」と思って食べたいじゃないですか。
うきうきわくわく食べたいじゃないですか。

それで、食べられなかったのよ。
わかってた、わかってましたよ、賞味期限があることは。百も承知です。
迫りくる賞味期限に「食べないと……いやでも今食べても……」と謎の葛藤しました。そんな葛藤、一生しなくてもいいやつ。

結果、賞味期限、過ぎました。1月16日です。しくしく。
残り4つ。
味がわからないまま食べても、捨てても、どっちにしてももったいない極まりないので、食べます。しくしく。

悲しみの味さえもわかりません。


他のお土産はもう少し賞味期限がある。
賞味期限が切れるのが先か。嗅覚と味覚が戻るのが先か。ファイッ!!
……いや、そんな勝負、一生しなくていいやつ。


2025.01.17 もげら

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