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世代間格差

世代間格差が話題になっている。
社会保険料の負担率、資産の有無、医療費、年金などなど
感じることは多岐にわたる。

僕には定年退職した父がいる。今年で67歳になる。
その父と会話するとどうもいつもモヤモヤする。
確かに少し確執があるのは確かなのだが
意見のズレがずっと平行線で
モヤモヤが残尿感のように残りずっと気持ちが悪い。

この残尿感を取り除きたく
厚生労働省が発表している「令和4年賃金構造基本統計調査の概況」を元に
賃金の推移という観点から個人的に納得したい。

調査の概要として
賃金については調査実施年6月分の所定内給与額の平均であり、残業代、深夜手当、休日出勤手当などを差引き、所得税などを控除する前の金額である。(≒基本給)

1976年から2022までのデータを基に6月給与(折れ線グラフ)と前年対比での増減率(棒グラフ)で表した。

基本給の推移

1976年の増減率は1974年に起こった狂乱物価(異常な価格の高騰)の余波で賃金が上昇したものと考えられる。
1980年代後半はバブル経済となりものすごい勢いで賃金が上昇している。
1990年に大蔵省の総量規制によりバブル経済が崩壊し上昇率の伸び率も縮小していく。
2000年代はバブル崩壊後の不景気と呼ばれる時代である。昨対比で毎年減少しており、上昇しても0.1%程度と完全に成長は止まっている。
2008年リーマンショック、2011年東日本大震災を機に大きくマイナス成長しているのも確認出来る。

グラフの横軸にわかりやすいように、僕の親の年齢と自分の年齢を並記した。
新卒の22歳から34歳での賃金増減率の平均を比較する。
親:4.5%
子:0.4%
4.1ポイントも差がある(成長率が親と比べて子の方が低い)のはグラフからも一目瞭然。
金利計算などで使われる72の法則(72÷金利=お金が2倍になる年)で計算すると
親の給与が2倍になる期間=72÷4.5%=16年
子の給与が2倍になる期間=72÷0.4%=180年(寿命オーバー)

話を僕個人に戻そう
僕は新卒で金融機関に入社して3年後に転職しているのだが
親からは猛烈に反対された。
「上場企業にいた方がいいじゃないか」「長く勤める方が安定しているぞ」
そりゃそうだ。
親世代は16年も務めれば(40手前)で給与が倍になるんだから
僕の世代はその期待感も感じられないからピンとこないのは当たり前。
何も成果を生み出さなくても
在籍しているだけでどんどん給与が上がるのであれば
その企業にしがみつこうとするのは当たり前の行動だ。

父は自身の成功体験を僕に押し付ける癖がある。
「若い時はこうだった」
「サラリーマンはかくあるべきだ」
現代に生きる僕らには理解はできても自身に落とし込めない。
なんなら全く参考にならないことが多く無視してきた。

残尿感は世代間の生き抜いてきた環境による
アイデンティティ形成、常識の違いのせいで
半ば仕方がないことなのかもしれない(諦め。。。)

将来に明るい希望を見出すことができた親世代
不安と隣り合わせでそれでも強かに生き抜こうとする子世代
この世代間格差(認識のズレ)はなかなかしぶといぞ。

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