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中国敵視を使って対米自立

2024年10月1日 田中宇(たなか さかい)の国際ニュース解説
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概要
...石破は、既存の日米安保体制について、米国が軍事的に日本の安全を守ってくれる代わりに、日本は外交政策の決定権を米国に握られており、外交権を持たない日本は真の独立国家でないと考えている。
...大統領になったドナルド・トランプに勧められて安倍晋三がやったのが、米日豪印の「インド太平洋」を提唱して米傀儡な感じで中国包囲網を形成しつつ、その一方で中国に対して仲良くしましょうと言い続けて協調関係を維持する「対中強硬的な親中路線」だった。石破は、安倍晋三の好き嫌い重視の幼稚な党運営を批判しつつ、安倍の外交戦略を継承している。
...米国に強要されたからといって、中国を本気で敵視するのは馬鹿だ。中国を敵視する対中強硬派を演じつつ、中国と仲良くする安倍路線しか、日本はとれない。
...現実的に見ると、尖閣諸島の領土紛争は、戦争でなく外交(棚上げによる和解)でしか解決できない。領土紛争は、米傀儡として周辺諸国と対立し続けるために存在している。棚上げによる和解を、政略としてでなく本気で否定する者は馬鹿である。
...中国が台湾に軍事侵攻することはない。台湾は経済的に繁栄している。半導体製造など、世界最高級だ。2014年から内戦で破綻ぎみだったウクライナと違う。中国は、繁栄したままの台湾を自国に併合していきたい。中国は、米国側の諸国が台湾を国家承認するなど一線を超えない限り、台湾に侵攻しない。
...中国は、石破より高市を嫌っており、石破に対してはむしろ以前から評価する傾向がある。高市は女性なので、保守的な自民党内で、男たちを超える過激な保守路線を進まないと認めてもらえない。
...日本の官僚機構やマスコミ権威筋は、旧来の米単独覇権体制の一部である対米従属一本槍の状態を好む米諜報界の傀儡であり、トランプの返り咲きや、トランプと組んで中国敵視活用の対米自立策を進めようとする石破の策を非難誹謗揶揄し始めている。

出典:https://tanakanews.com/241001japan.htm

所感
「石破ショック」というワードがバズったように、株式投資やっている人にとっては石破首相はありがたくない存在だろう。だが、一番重要なことは目先の株価の上がり下がりよりも、日本が真の自主独立国家になることであり、対中戦争に巻き込まれないことだろう。石破氏は安倍氏同様の「なんちゃって対中強硬派」のようだ。民主党政権の鳩山氏がやろうとしてできなかった対米自立は、トランプが当選したら現実性を帯びてくるかもしれない。

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