【第4回】AIとの“交代制”が生む心の余白――新しい働き方への提案
こんにちは。
今回はシリーズ最終回として、「AIとの新しい付き合い方」における具体的な工夫をお伝えしたいと思います。キーワードは“交代制”です。
“交代制”という発想で感情を守る
行動心理学的には、「自分だけが抱え込まずに、誰か(何か)と分担する」というのがストレス軽減の大きな鍵とされています。AIを「代わりに働いてくれるパートナー」としてとらえてみると、感情労働の削減に大きく役立つはず。
たとえば、こんな場面での交代制が考えられます。
問い合わせ業務
朝の混み合う時間帯はAIチャットボットが一次対応を担当。スタッフが必要なときだけ応援に入る仕組みにする。スタッフは休憩や別の仕事をしながら、どうしても必要なときだけ表に出るようにすれば、感情的なやり取りの連続に疲弊するリスクが下がります。ミーティングの進行サポート
社内の定例会議や作業進捗の共有など、定型的な情報交換の部分をAIが整理してくれるようにする。人が話し合うのは、アイデア出しや創造的な課題解決など“人間同士のコミュニケーションが活きる場面”に絞る。無駄な摩擦や気遣いもぐっと減らせます。カウンセリングやコーチングの前準備
AIのチャットで自分の気持ちをアウトライン化しておき、「本番のセッションではここを集中して相談しよう」という準備をする。そうすれば、人間のカウンセラーやコーチが相手をする時間はより深い話し合いに集中でき、クライアントの満足度も高まります。
生まれた“余白”をどう活かす?
AIと交代制をとることで得られる最大のメリットは、私たちの心に“余白”ができることです。余白ができると、
好きなことや得意なことにじっくりエネルギーを注げる
大切な人とのコミュニケーションを丁寧に楽しめる
自分の感情を整理し、リフレッシュする時間を持てる
こうしたプラス効果が生まれるのが、AI活用の本当の魅力なんですよね。私たちが持つ「人間らしさ」は、無限に感情に振り回されることではなく、自分の感情を大事にしつつ、相手の感情も尊重しながら関わること――そうやって人間味のあるつながりを育むことにあります。
おわりに
「AIとどう付き合えばいいのかわからない……」という不安の声は少なくありません。確かに急速に進化するテクノロジーに、少し戸惑ってしまう気持ちもよくわかります。ですが、AIの大きな特長は“感情を持たないこと”。それを逆手にとって、私たちの感情労働をほんの少しだけ肩代わりしてもらえれば、心にゆとりを取り戻し、“人間らしいコミュニケーション”をより自由に楽しめるようになるはずです。
AIにぜんぶを任せきりにするのではなく、逃げるのではなく、「ここだけは自分が向き合う」「この部分だけAIに頼ってみる」というふうに、じょうずに役割を分担してみる。そんな新しい“交代制”の発想が、私たちの生活をより豊かにし、感情の疲弊を減らす手がかりになるのではないでしょうか。
今回のシリーズが、みなさんの日常のちょっとしたヒントになれば幸いです。最後まで読んでくださり、本当にありがとうございました。もし何か思うことがあれば、ぜひコメントやSNSなどでシェアしていただけると嬉しいです。
これからの時代、AIと共存しながら、もっと自分らしく、もっと心豊かに生きていきましょうね。