私の名前の話
私の本名は、いわゆるキラキラネームに属する。今でこそ、キラキラネームは昔ほど珍しくはなくなったが、(今の小さい子たちには驚くようなキラキラネームがついていることは多い)私と同年代でキラキラネームがついた人には実際会ったことがない。名前は自分にとっては自明なものなので、私の中ではそれほど珍しいという実感は昔からないのだが、人にはよく珍しがられて名前の由来とか聞かれる。私の名前の話題にふれた人なら、大抵の場合は好意的に受け止めてくれた。
だけど、私の名前を気に入らないみたいで、それとは真逆の言葉を投げつけてきた人もいた。年をとった時にその名前では恥ずかしいのではないかと。今その言葉を思い出してみたら、そんなに大した悪口じゃないかもしれないと思ったりもするんだけど、中学生の多感な時期に、大勢の人前でそういう風に言われてだいぶ傷ついた。自分のことを周りからよく思われたいと強く願っていた時期でもあったので、他の人にもその考えが共有されてしまったのが嫌だった。名前は生まれた時から既に与えられたもので、自分の力ではどう頑張ってもコントロールできないのに。そのこともあって、自分の名前がちょっとしたコンプレックスになって、一時期は「普通」の、何の変哲もない名前の子を羨ましく思うこともあった。
あと、キラキラネームは就活で不利になると後ろの席から私に当てつけてきた子もいた。その言葉も当時中学生だった私の心をチクリと刺した。その頃は名前に対して敏感だったのだ。
時は流れて、今では自分の名前に劣等感も持っていないし、名前にもう執着せず、普通の人が名前に対して思ってるであろうものと同じくらいの感情でいる。だけど、両親が迷いに迷って付けてくれた、たった一つの名前にもっと感謝しなくちゃな。
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