天然ガスの価格ってどう決めるの?
先日、電力会社の業績が回復した記事を書きました。
石炭価格が下がったことで燃料費が浮いたことが大きな要因で、下がった燃料費はもう1つあります。
それが液化天然ガス(LNG)です。
関電、今期純利益1000億円上振れ 燃料安・原発再稼働で:日本経済新聞
暖冬のおかげで需要を抑え、供給が増えてきた結果LNGの価格は下がってきました。LNGも石炭と同じで電力会社の燃料費は3~5ヶ月後に反映されます。
その差益が電力会社の業績改善に大きく貢献しました。
逆に言えば、燃料費が上がれば業績が悪化するかもしれないということです。
石炭については先述した記事で取り上げたので今回はLNGに注目していきます。
LNGの価格が変化する要因は色々ありますが、ここでは2つ取り上げます。1つ目が原油価格です。
LNGの価格は長期契約で決められているものが多く、その契約は基本的に原油価格に連動しています。
つまり、これから原油価格が上がればLNGの価格も同じように上がるということです。
そして、原油価格は中東の問題で上がる可能性が高いです。
『ハマス』がイスラエルを攻撃したことで世界の緊張感は現在高まっています。
もし、ハマスにイランが関わっていて、そのことが公になればアメリカが経済制裁に動く可能性は高いです。
イランは石油の産出国なので、その輸出が制限されれば原油価格は上がってしまうでしょう。
そして、2つ目の理由も中東の問題に関わってきます。それが地政学リスクです。
イスラエルの天然ガス生産停止、エネルギー供給体制に影:日本経済新聞
本日の記事です。中東の争いに巻き込まれないように天然ガスの生産を停止するというものです。
その規模は大きく、世界最大のLNG輸入国の日本の年間需要の約1割に当たる750万トンもあります。
この影響を受けて欧州の天然ガスの価格が上がる可能性が高く、地政学リスクは避けては通れないものになっています。
地政学リスクはロシア・ウクライナ問題や台湾有事の可能性もあります。
これからもニュースを見て自分の生活に関わる情報を手に入れていきたいですね。