貝の口をジワジワ開けろ!業務内容の聞き取りのコツ
一つ前の記事でも書いたとおり、僕は現在、四方八方から追われる身なわけですが、それでもせっかくだからアドベントカレンダーに参加したい!!と思ったので、編集さんに「サボっている」と思われない範囲のブログを書こうと思います。
まあ、この程度なら、許されるであろう!拉致監禁は防げるであろう!!
貝の口にお困りですか
Automation AnywhereなどのRPAツールを使って、業務を改善したいと思った時に、最初に考えるべきは業務の整理です。そりゃそうです。汚部屋を片付ける場合にも、まずは明らかにゴミとわかるものを減らして、場所を作ってから仕分けを始めるように、業務が混乱したままRPAツールを導入しようとしても上手く行きません。
ただ、自分の関わっている業務の整理をする場合は、業務と向き合い、自己と向き合えば、ある程度の答えは出るのですが、他人の関わる業務となるとそうは行きません。自分一人ではどうにかできず、担当者へのヒアリングは必須です。もし、あなたがその業務担当者の上司であったり、前担当者であっても、ヒアリングは絶対にしなければなりません。担当者にしかわからない塩梅や、担当を離れた間に何か変更があったかもしれないからです。
また、自分が知悉していると思っている業務であっても、無意識にやっていたり、手数とカウントしていない行動が眠っていることもありますから、担当者が誰であっても、業務の洗い出しは必要でしょう。
そうした時に、業務内容のヒアリングが上手くいかないこともあります。居ますね、貝になってしまう担当者。
「あなたがいつもやっている業務について教えて下さい」という問いに対し、
「いつも適当にやってます(←何を?)」
「チャチャっとやってます(←だから何を?)」
「パソコンで入力してるだけです(←だから何を!!)」
「あー、すいません忘れてました。暇な時にアンケートに答えておきますね(と、1週間ぶり3回目の催促に答えたが、やる気配はない)」
「大丈夫です(←何が?)」
「それって今答えなきゃダメですか?(←おまえに机の中で貰った温泉まんじゅうが黴びる呪いをかけた)」
などと、ヒアリングに非協力的であったり、答えられなかったり、とんちんかんな返答をよこしてくるケースもあります。こうした担当者から業務内容を聞き出すにはどうしたら良いでしょうか。
非協力的な社員対策は「面倒」を減らす
例えば、非協力的な担当者は、何故、協力してくれないかと言えば、彼らにとってメリットがない(見えてない)からです。メリットどころか、「面倒」というデメリットに捉えられています。
こうした人たちに、メリットを説いて、協力を取り付けるのも手ですが、問題のある社員の場合は、話が通じないこともありますから、デメリットを減らす方が早いです。すなわち「面倒」で減らすことです。
アンケートなどで丁寧に答えて貰おうとすると、彼らは途端に拒絶し、「仕事が忙しいのに、なんでこんなアンケートに答えなきゃいけないんだよ!」と、ヒステリーを起こします。面倒です。
ですから、「とりあえず口頭で聞き出して埋める」「考えなくてもすぐに答えられる質問しかしない」「業務を想像し、質問を小分けにして一言で答えられるようにする」など、「面倒だ」というアレルギーを発症させない工夫でなんとか乗り切るしかありません。
(ただ、こうした対応をする場合は、上司にしっかり伝え、メールなどの文章にも証拠を残しておくこと。このような社内プロジェクトに、堂々と協力しない社員が居るというのは、上司の舵取りに大きな問題があるので、多少大げさに伝えるくらいで宜しい。場合によっては更に上の上司にも伝えるようにしておくべきでしょう。事なかれ主義は、いずれあなたの足下を掬います)
このようなヒアリング方法では、一気に業務を把握できませんが、何度か繰り返すことによって、どうにか形は見えてくるはずです。面倒なのはこちらの台詞だよ!と言いたいでしょうが、どうしても聞き出さなければならない場合は仕方ない。
まあ、正直なところ、会社でオマンマ食わせて貰ってるなら、答えるのも仕事のうちなんだから、そのくらいちゃんとしろやと思いますが、それができるのであれば、彼らはもっと出世しているはずで、出世していないことが答えなので致し方ありません。もし出世しているのならば、それは会社が腐っているので、そんな腐れ会社はいずれ沈没しますから、早くお辞めになった方が良いのではないかと思います。というか、僕なら辞めるね。
上手く業務を伝えられない社員には小分けに質問する
では、非協力的ではないものの、上手く業務を伝えられない社員にはどう対応したら良いでしょうか。
これもやはり具体的に小分けにする作戦が有効です。
例えば、「あなたの業務内容を教えて下さい」では、上手く答えられなくても、「この伝票を処理する時に行う作業を、全部省略せずに話して下さい」「この書類を作る時に、設定する数値を省略せずに全部話して下さい」「いつもどのように設定しているのか、手順を話して下さい」など、相手に判断をさせずに、そのまま話させることです。
「上手くまとめよう」「相手に必要な情報を話そう」と担当者が自分で判断してしまうと、話につまったり、必要な情報がでてこない可能性があります。この方法であれば、担当者が考えたりまとめたりしなくてすむので、担当者側も話しやすいですし、勝手に判断されて情報が消滅することもありません。取捨選択や、纏めるのは調査する側で行うことをしっかりと伝え、担当者には、極力そのまま話させるのがコツです。とは言っても、「上手にまとめよう」とするのは人の常なので、何度か声かけしながらヒアリングしていきましょう。
最初はまどろっこしく感じるでしょうが、双方が慣れてくれば、スムーズになってくるので、それまでの我慢です。
何より、ヒアリングを繰り返すことで、調査側も、業務に対する知識が上がっていき、AutomationAnywhereでロボットを作る場合にも、作りやすくなります。
「貝の口はジワジワあける」一気に成果を求めない
こうした業務の調査、ひいては業務の改善を行いたい時は、「一気に成果を求めない」ことが肝要です。
どうしても、すぐに成果を求めたくなったり、一発で結果を出したくなりますが、そうした焦りはいずれ挫折を生みます。
少しずつ聞き出し、少しずつ改善。場合によっては、うまく調査できない部署は後回しでも良いでしょう。そこを後回しにして、上手く行っている大多数を先に進める方が、かえって調査が上手くいくこともあります。
「貝の口はジワジワ開ける」というのを覚えておいてください。