モリフレは、こども大人も失敗しながらチャレンジできる場所
モリタフレンドスクールとは
morita friend school(モリフレ)は、2020年4月に鳥取県大山町に開校した、”こどもが学びを楽しむ場”です。
ここでは地域の小中高生を対象に
①「個々に応じた学習伴走」
②「教室を飛び出した課外活動」
という2つの取り組みを主に行なっています。
前回、モリフレは「自己決定にチャレンジしていく場所」であること、モリフレの考える成果とは、主体性をもった行動をしていることそのものであることをお話しました。
<前回の記事のリンク>
今回は、モリフレがこどもたちに対して特に注力したいと考えていることが何か、についてお話したいと思います。
”それぞれ違う”こどもたち
皆さんの頭の中で、ベルトコンベアーをイメージしてみてください。
このベルトコンベアーから次々と物体が流れてくるので、それを良い感じに梱包してください、というお題があったとします。
この時、流れてくる物体が全て同じ姿カタチのものであれば、一つの梱包方法を確立して、それを効率化していく事で生産性を高める事ができますよね。
でも、流れてくる物体の姿カタチ、素材、大きさなどが全て異なる、となった場合、その梱包方法は全て違いますよね。異なる物体に応じて、包みのサイズ、素材、包み方など対応する事は変わります。
この全て異なる物体というのが、こどもたち(大人も)のことです。
当たり前の事ですが、ひとりとして同じ人間はいません。モリフレで日々こどもたちと接する中で、そんな当たり前を間近に感じています。
そこに良い悪いはありません。
ベルトコンベアーの例えに戻りますが、それぞれ違う物体に対して、「あーでもない、こーでもない」と様々なツールや方法を使い、その物体にあった梱包の仕方を探し続けているのがモリフレの取り組みです。(モリフレスタッフは試行錯誤を続ける研究員という感じでしょうか)
モリフレには、各々が違うのだから、みんなそれぞれの学び方があればいい、という想いが根底にあります。そのためにまずは、こども一人ひとりを知るということに時間をかけ、その子がやりやすい方法だったり、逆にやりたくない要素を見出したり、主体的に動きたくなる関与の仕方などをこどもも大人も一緒になってトライ&エラーを繰り返し、仮説検証を重ね探っていく、これがモリフレのチャレンジです。
(もう少し具体的に言うと、スタッフとこどもたちとの日常的な対話であったり、じっくり時間をかけるワークショップの実施だったり、親御さんとの定期的なコミュニケーションだったりする部分です。
モリフレではこういった”対話”の時間を通じて、こども自身の心理状態を探っています。)
このチャレンジには当然時間はかかりますし、こどもと一緒に大人も失敗することもあります。でもそうしたチャレンジを続ける中で、思いがけない発見が生まれることもあり、その先に進んでいく大きなヒントとなることもあります。
成功・失敗を積み重ねる中で自分を知る
主体性を以って行動するその姿がモリフレにとっての<成果>だというのは前回からお話していますが、なぜ行動が大事かというと、行動すると必ず何かしらの結果が生まれ、それについて“考える”という機会が生まれるからです。
大きく分けて、良かった・悪かった(成功・失敗)という2パターンの結果が現れると思いますが、この“結果”だけが重要なのではなく、より大切なのは、なぜそういう結果になったのか、成功・失敗から自分についての情報データを収集し、自己理解を深め、次の行動に繋げていくことだと考えています。
こうしたモリフレの“行動重視”の考え方の中では、失敗にも大きな価値があります。失敗という経験は自分を振り返り、学ぶ有効な材料になりますし、過度に失敗を恐れず行動し続ける中で、見えていなかった自分の多様な可能性や、同時に有限性をも知ることに繋がると考えています。
自身が認識している自分、もしくは理想とする自分は“頭の中にある人物像”な訳ですが、それを他人に話したり、行動したり、アウトプットする中で成功・失敗を重ね、その結果の集積から徐々に“本当の人物像”を知っていけるのだと思います。
と言っても、本当の人物像なんて一生誰もわからない、ゴールの無いものだと思いますが、モリフレとしては、こどもたちがチャレンジを繰り返せるよう長期的な視点で見守り続けたいと思っています。
《モリフレのチャレンジも継続中》
これからも、モリフレの理念や、いまチャレンジしている取り組みについて配信していきたいと思います。
ご質問や感想もお待ちしています。
モリタフレンド通信
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?