外務省在外公館専門調査員 虎の巻(試験対策編)

外務省在外専門調査員になりたい方へ

この記事は、一般社団法人国際交流サービス協会(以下「Ihcsa(イークサ)」。協会の英語表記の略称)が募集する、外務省在外公館専門調査員(以下「専門調査員」)を目指す方達向けの記事である。

筆者は、アジア地域の在外公館で専門調査員として勤務した経験がある。専門調査員という制度自体は非常に長く続いているものの、その選考過程や待遇、業務の内容について多くは一般公開されていない。そのため、専門調査員を目指すにあっては、経験者から話を聞く他なく、そうしたネットワークを持たない人にとっては、全く情報が無い状態で選考に挑まなければならず、情報格差が生じる。

そこで、その情報格差を少しでも埋めるべく、筆者が実際に専門調査員として経験したこと(選考試験や専門調査員の待遇、在外公館での業務)について、体験談、経験談としてnoteで紹介したいと思う。(記事の内容はあくまで筆者が専門調査員として勤務した当時の体験に基づくものであり、現在は異なっている部分もある)。特に選考試験や待遇については、受験してみて、また専門調査員になって初めて知ることもあり、事前にわかっていたらと思うことも多々あった。そういった思いが今回の記事を執筆するに至った動機である。

まず第一弾として、この記事では、

1 倍率(倍率の高いポスト・低いポスト)

2 望まれる人物像(「経歴」に関して)

3 一次試験(英語・日本語論文)

4 二次試験(英語・日本語面接)

5 合格通知

の5つに触れたい。文量は公開及び非公開の部分を合わせ約7,000字である。なお、随時加筆修正を行うので購入頂いた後も定期的に確認頂きたい。

注)この記事を公開して約一月経ったが、多くの反響を頂いた。そうした反響を踏まえ、今回は日本語論文試験対策の部分を中心に新たに1,000字近く追記し、それに合わせて費用も変更した。

1 専門調査員の倍率は非公開

専門調査員を受験するにあたって、やはり受験者の関心は倍率だろう。しかし、Ihcsaは専門調査員の倍率は開示していない。それならば、倍率はわかり得ないのだろうか。

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6,154字

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