外務省在外公館専門調査員 虎の巻(待遇・生活編)

外務省在外専門調査員になりたい方へ

この記事は、一般社団法人国際交流サービス協会(以下、協会の英語表記の略称である「Ihcsa(イークサ)」を用いる)が募集する、外務省在外公館専門調査員(以下、「専門調査員」とする)を目指す方向けの記事である。

筆者は、アジア地域の在外公館で専門調査員として勤務した経験がある(そのため、この記事の内容が全ての専門調査員に当てはまるものではないことを予めご了承頂きたい)。専門調査員という制度自体は非常に長く続いているものの、その選考過程や待遇、業務の内容について多くは一般公開されていない。そのため、専門調査員を目指すにあっては、経験者から話を聞く他なく、そうしたネットワークを持たない人にとっては、全く情報が無い状態で選考に挑まなければならず、情報格差が生じる。

そこでその情報格差を少しでも埋めるべく、筆者が実際に専門調査員として経験したこと(選考試験や専門調査員の待遇、在外公館での業務)について、体験談や経験談という形でnoteで紹介したいと思う(記事の内容はあくまで筆者が専門調査員として勤務した当時の体験に基づくものであり、現在は異なっている部分もある)。特に選考試験や待遇について、受験してみて、また実際に専門調査員になって初めて知ることもあり、事前に知っていたら、と思うことも多々あった。そうした思いが記事を執筆するに至った動機である。

前回執筆した「外務省在外公館専門調査員 虎の巻(試験対策編)」から三ヶ月経ってしまったが、その間読者の方達から多くの反響を頂いた。今回の記事「外務省在外公館専門調査員 虎の巻(給与・生活編)」は、それに続くものとして、専門調査員の待遇面について取り上げることにしたい。

この記事では、

●専門調査員の待遇(給与・賞与・その他手当他)

●専門調査員の生活(住居・生活環境)

の2つに触れたい。文量は公開及び非公開の部分を合わせ約7,000字である。なお、随時加筆修正を行うので購入頂いた後も定期的に確認頂きたい。

1 専門調査員の待遇 その1(給与・賞与・その他手当

専門調査員を受験するにあたって、受験者の関心事の1つはその待遇(特に給与)だろう。しかしIhcsaは、専門調査員の給与(月給)について「33万円~67万円」としか明示していない。それでは、実際に専門調査員になった際に給与はいくらになるのか、具体的な金額はわかり得ないのだろうか。

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