「すべてには時がある」のよ

と、祖母が言った。旧約聖書のコヘレトの言葉として有名な一説だ。

私は祖母に愚痴をこぼしていた。サラリーマンでいたら今頃給料はアップしてたんだろうな。これから大学院に行きたいと思ってるけど、正しい道なのかわからないなとか…。

それに対して、祖母は
すべてには時がある。自分で決めたことをやりなさいと言ってくれた。すべての時は神様とともに、自分が決めている。案ずるなかれってことなんだろうか。

昔一緒に働いた理系ボスが言った「宗教ってさ、人から考えるってことを奪うから嫌なんだよね」と。
その時は、そういう考え方もあるのかぁと受け止めてしまった自分がいたが、後から思い直した。宗教こそ、人に考え続けさせる問いかけがあるのではないかと。

牧師であり神学の学者であった祖父と連れ添った祖母。きっと、宗教と祖父と共に、すべての時を受け入れてきたんだろうな。私はまだ洗礼を受けていない、教会も年に数回しか行かないなんちゃってクリスチャンだ。だけど、すべてには時があると、私も信じたい。

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