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胃が弱い夫をやっと受け入れられた私の話

夫は胃が弱い。(基本調子が悪い)

年に5回はゲーゲーと吐いてトイレと布団を往復している。

吐くものはなくなっても吐き気はずっとあり、
3日くらいオエーオエーとやっている。

不調は顔に表れる。
口では「大丈夫」と言っていても顔が青白くなりアゴが伸びたように見える。
私はそれを「馬になっている」と言って彼に伝える。
馬になっているとそれはもうゲーゲー間近だ。

彼とかれこれ12年(もうそんなに経ったのか!)
一緒にいる私が分析した結果、
下記の理由が単独、もしくはいくつか重なっているように思われる。

・季節の変わり目
・寒さ暑さ
・ストレス
・食べ過ぎ
・寝不足
・疲れ

本人に聞いても「うーん、今回は寝不足かなぁ」とはっきりしないのである。

この症状は夫にとっては小学1年生からの長い付き合いだからもう俺の一部くらいにしか考えていないようだ。

で、平気で不調になる。
こんな心配事を抱えているのに夜更かしや早起きして動画編集の副業なんかをしだしたりする。
私からしたら「ほーらー」なのである。
(大晦日にこれやられて元旦に調子を崩し家族の新年会に(彼だけ)参加できなかったことがある。新年早々何してくれてるんだ。)

「大丈夫だと思った」じゃないのよ。

彼は自分の体調を過信している。

そして治ろうとする気がない。

私から見たら(なんでこうしょっちゅう体調崩すかねぇ)、(何か他の病気でもあるんじゃないの?)、(精神的に病んでいるんじゃ…)と心配になる。

だから改めてちゃんと身体を調べてもらったら?とか精神科にかかってみれば?
と声は掛けるけど「体質だから」と一蹴されてきた。


それでも子供が生まれる前までは、大変そうだけど数日すれば治るし、まぁしょうがないか、と思っていた。

私には何も影響がなかったから(ホント申し訳ないけど本音。)まぁ度々予定していたイベントは中止になり悲しい思いはしたけど。


しかーし子どもが生まれるとどうだろう。
私はすぐにイライラするようになった。

頼りにしたい時に限って倒れている。
倒れていないにしても弱っているのがありありとわかる人に「これやって」「あれやって」と頼めるだろうか、いや頼めない。(もともと頼むのが苦手なのもある)


彼は頼んだら体調が悪くても青い顔してやってくれちゃうのがわかってるしね。


子育てには健康と体力が必須である

とたまひよにでもデカデカと書いておいてくれないものか。

健康と体力は当たり前にほとんどの人間に備わっていると思っていたが、
夫を見ていると当たり前なんかじゃなくすごくありがたいものなんだとつくづく思う。


私もしんどいんだ、助けてくれ、と1番の協力者に頼れない。
そこにいるのに頼れない。
慣れない育児も重なってどんどん孤独になっていった。

私は彼の体調不良を責めるようになった。
「あなたのせいで私はこんなに辛いんだ」と。


彼はしょうがないじゃないか、という顔をしながらも謝ってくれる。

私だって病人にこんなこと言いたくない。



そんな風にしてだんだん彼との距離が出来ているのを感じながらもどうすることもできず時は流れてつい先週のこと。


夫が金曜日休みが取れると言うのでアンパンマンミュージアムに行くことにした。


下の子は今アンパンマンが好きなのでショーを見せたら楽しめるはず、私はジャムおじさんのパン工場でキャラクターのパンを買うんだ!とワクワクしながらチケットを取った。


心配事は家族みんな風邪で咳をしていたこと。

子どもたちは数日前に受診して薬はもらってある。
どうか効いてくれ。

私はこの調子なら大丈夫そう。

あとは夫だな。


心配事は現実になる。
前の晩から夫の咳がひどい。
夜起きている気配がする。眠れてないな。
こりゃ無理だな。中止だ。


朝、中止する気マンマンで一応夫に聞いてみた。

そしたら「俺は大丈夫だよ」と馬面で答えた。

いや、馬になってるやーん。

「大丈夫そうに見えないんだけど。ホントに大丈夫?中止する気でいるけど」

とあくまで本人の口から不調だから行かないと言って欲しい私。


「大丈夫。」


「自分の体調のせいにされたくないからじゃなくて?」


「うん、本当に大丈夫。」


「大丈夫って言って大丈夫じゃないことが何回もあったから言ってるんだよ?行って不調になったら楽しめないじゃん。馬になってるよ。やめよう。」
「今日はあなたは病院に行くなり休むなり好きにしていいよ」


と言って私から中止にしてしまった。

彼は不服そうに「わかった」と言った。


でもこれでは彼の意思を尊重していない気がしたので、
もう一度
「本当に大丈夫なの?大丈夫なら行くけど」

と確認すると

「大丈夫」

だと。


それじゃあ行きますかと行ったわけだけど。


確かにゲーゲーはしなかった。
ゲーゲーはしなかったけど明らかにしんどそうだった。走った後みたいに両膝に両手ついてたもん。

平日で空いてたから遊び場では子どもたちものびのびできてそれは良かったけど、ショーはあきらめて早々に帰った。

帰りの車の中私は(やっぱりダメだった。あんなに提案したのにどうして大丈夫だと言ったんだろう?)と悲しくなった。


案の定、土日は彼はダルそうにしていつものように動けず子供の相手は私がすることに。
(子どもの相手が嫌なんじゃなくて防げたはずのワンオペをしていることに腹が立つ。)

(こうなるのが嫌だったから言ったのに…)


不満は溜まるばかり。


しかし噴火のタイミングが現れる。


「明日の仕事帰り、病院に行ってくる」


だーかーらー金曜日に行けばよかったじゃん!


我慢できなくなり思っていたことを吐き出した。
あんなに確認したのになぜ行ったのか、行った先で疲れているのが丸わかりで楽しめなかった、結局土日は動けなかったこと。


そしたら結局「行かないと自分のせいにされると思ったから」と返事が来た。


だからそれも言ったよね?


お互い言い合う中で、彼は「行っても行かなくても俺のせいってことね」と言ってハッとしていた。

そして「これは俺の感情だ。気にしなくていい」「俺のせいだよね、ごめん」と言った。

その時はよくわからなかったけど、彼はまだ自分の体質を自分で受け入れられなくて自分のせいにされるのが嫌だったのかな?と思った。

男らしくないとか考えているのだとしたらやめてほしい。

そんなのいいから体調が少しでも良くなるように自分を大切にして欲しい。


彼は非常に良いパパである。
子どもたちを本当に可愛がっているし、お世話も全部できる。
家事も何でもできる。
だから元気でいて欲しい。


そして私はこの言い合いで初めて「あなたの症状を受け入れる」と言えたのだった。


今までなんとか治して欲しい、治るはずだと思ってきたけど、もう求めない。

そういう個性を持った夫を受け入れることにした。

健康診断も問題なく、精神科に行ってもよく寝て自律神経を整えてくださいと言われる程度でコレだ、という原因は見つからなかった。

もうそういう人なのだ。

だからと言ってムカつかないわけではない。

こちとら再発におびえる脳梗塞経験者だ。

私が不調な時にゲーゲーやられたらそりゃイライラもする。

それぐらいは許して欲しい。



なぜこんな文章を書こうと思ったのか、

それは今週彼の風邪が悪化して仕事を休んでいるからだ。

馬になりかけているがまだ持ち堪えている。


彼の体調を受け入れてから今の職場は合っていないんじゃないかと思ってきた。
寒いの苦手なのに訪問リハビリなんて。
利用者さん関係でストレスもありそう。


「なんかあれだね、あなたの体調を考えると今の仕事もどうなんだろうと思っちゃうよね」

と軽く言ってみたけど、


「どうだろうね?10年もやってるけど。」

と一言。


不調で急な休みでも快く休ませてくれる今の職場は確かに彼にはありがたいよな。

そう簡単には辞められないよね。


私が文章で稼いだら少しの間仕事をしないでもいいよ、と言ってあげられるな。

また書くためのモチベーションがあがりましたとさ♫

おわり。

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