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よしながふみ先生と渡辺ペコ先生について語る正月

新年あけましておめでとうございます!
今年もどうぞよろしくお願いいたします。

私は毎年この時期1人時間が多くしばしの孤独を楽しんでいます。
(義実家帰省に付き合わない不届き者….)

ゆっくり時間が流れるこの時期にこそ
読んでもらいたい漫画を紹介したいと思います。

私は漫画によって人生を豊かにしてきた人間ですが、たまに
「なんてゆうものを見てしまったんだ…!」
という位、衝撃的な漫画に出会う時があります。
まさに心が動いてしまう漫画。
もはや漫画ではなく重厚な小説です。  

こうゆう作品に出会えると心底
「生きてて良かった〜!」と思います。

そんな作品の率が高い2人の漫画家先生を勝手に紹介させていただきます。

【よしながふみ先生】【渡辺ペコ先生】です。

共通して価値観の言語化が異常にうまいのと、常識を無視しているところが魅力的で引き込まれる世界観を醸しております。

お二方の作品を全て読破している訳ではございませんが、ぜひゆっくりできるこの時期に読んでいただきたく3作品ずつ紹介させていただきます!

特に1番最初に紹介する【環と周】にはおったまげました…!

なんという作品を読んでしまったのか!(語彙力…)
という感動をいただきました。

是非読んでいただきたいのでネタバレは最小に抑え紹介させていただきます♡


よしながふみ先生について


よしなが先生が醸す世界観に魅了されます。
結構実写化されている作品も多いのですが
私は漫画の実写作品を全く見ません!
漫画単体で世界観が完成されているので見る必要もないし、下手したら
「いや、世界観ぶっ壊しているから…勘弁して!」となることも多いので。

よしなが先生の作品の魅力は
愛のあるお料理の描き方であると個人的に思っています!
お料理を題材にした漫画は「きのう何食べた?」や「西洋骨董洋菓子店」
がございますが、他の作品でもお料理するシーンがたくさん出てきます。
お料理以外でも、きっと先生は丁寧に生活されているんだろうな〜と感じますね。
現代だけでなく江戸や明治など様々な時代を舞台に漫画を描かれておりますが、お料理をはじめとする丁寧な生活の描き方に是非注目してもらいたいなと思っています♡

環と周

よしなが先生の作品だし1巻完結のようだし、とりあえず観ておくか〜
と軽い気持ちで読み出しました。
読みはじめてすぐに
「あ、よしなが先生お得意のBLものだね」と早い段階で決めつけた自分の
浅ましさを今では恥ずかしく思います。
愛の形はひとつではないということ
死ということは終わりではないということ
すごく多くの感動を味わえる作品になっています。
昭和、大正、江戸と、いろんな時代の事情に人生を振り回される
大衆を描いたストーリー集なのですが、最初と最後の数ページの短編が
現代の物語になっています。
最後のストーリーを読み終えた時に何とも言えない幸せな感動と読後感が味わえるので、ぜひチェックしてみてください♡

大奥

大奥と言えば男子禁制の将軍家御用達、女性天国ですが
女性天国→男性天国となっています。
赤面疱瘡という架空の病気がめちゃ流行したので男性が減って
女性将軍となり種保存のため大奥が男性天国になっている
という話で、めちゃくちゃロジックが通っていて
ドラマが始まる前から読み出した私はこの大奥は史実伝承に基づいているのではないかと錯覚したほどでした。

特に食が細い将軍に色々工夫してお料理を用意する話が大好きです。
時代物としても読み応えがタップリあり、全19巻制覇するには
お正月の娯楽にもってこいなのでおすすめです♡

きのう何食べた?

男性カップルが繰り広げる平和な日常を主人公の趣味である
料理を軸に繰り広げられるほのぼのゲイ漫画です。

現行漫画ですが、1話1話で完結していて、必ず料理が登場するので
軽い気持ちで読みはじめることができます。

私、個人的な理由で2023年から2024年にかけて旅費を貯めるため
鬼節約していたのですが、この漫画に本当に助けられましたね。
この漫画を参考に自炊を頑張りました。
主人公の1人であるシロさんは弁護士で高給取りであるはずなのに
食費を月3万円弱(段々高くなっていく描写もあり物価高騰と合間ってリアル)
と設定していて無駄な出費はせず
食材を無駄なく使い切ったことに悦を感じるところがとても素敵です。

食費を節約したい方は是非ご覧ください!

渡辺ペコ先生について

1122(いい夫婦)が実写化しておりますが
1話見て「あ、世界観全然違うわ…」で実写離脱した私です。

渡辺ペコ先生の作品の魅力は
登場人物の内省にあると思っています。
ドラマ版は知りませんが漫画の1122だと登場人物の
心の声がとてもリアルに丁寧に描かれていて、それがとても魅力です。

常識を完全に無視した作品で妙にリアルなのは
不倫や少年愛のようなタブーと言われる題材を
すごく身近に日常に感じるように描かれているからでしょうか。
渡辺ペコ先生は短編集もたくさんあって、どれも日常の中の非日常を
リアルに感じる体験ができるので、お正月、物思いにふけたい方に
とてもおすすめです♡

1122

子なし30代夫婦のマンネリを描いた話なのですが
あるきっかけをもとに旦那様が奥様公認で外に彼女を作るという話です。
外に彼女を作る男性はたいてい、豪快で筋骨隆々な男性という
イメージですが、1122の旦那様は超普通というか草食系…
そこがまたリアルでいいですね。
主人公カップルだけでなく旦那様の彼女の心情もすごく丁寧に描かれていて
最初は彼女にムカついてしまうのですが、彼女の目線に立つと
「あぁ….そうか….」となり、本当に一筋縄ではいかない登場人物の心情に
読み出すと止まりません。

ラストも決してハッピーエンドではないのだけれど感動します。
私はこの漫画で
色々なステークホルダーと一般的に正しいとされる関係性の定義の正解はひとつじゃないし、正解が見つからなくても良いんだなと学ばせていただきました。
痛みも感じる漫画ですが、とてもオススメです。

恋じゃねえから

今まさに私が発売日を楽しみにしている漫画のひとつです。
多感な時期にあったとある出来事に後悔なのかトラウマなのか
何とも言えない切実な感情を今も引きずる中年女性の物語です。

主人公はアル中であるところから物語ははじまります。
このアル中加減もすごくリアルなんですよね。。

世の中に白黒つかない問題ってたくさんあるなと。
昨今の芸能人のやらかし問題にも通ずるものがあります。
もはや問題提起というより哲学です。
色々考えたい方にもってこいの考える材料をくれる漫画です。

ボーダー

大学卒業後の未来に希望を持てない男の子が主人公の漫画です。
普通の学生の恋愛ものかな?と思ったらとんでもない設定があり
これまた登場人物の内省がとても豊かで丁寧で面白い。

就職した先輩と飲んでも、どうしても卒業後の通常ルートにしっくりこない
という心情がとてもリアルに描かれています。
そこに魅惑の年上女性が現れ、価値観がどんどん変わっていく様が
すごく上手に言語化されていて面白いです。

モヤモヤしたままでも進もう!と希望がもらえる作品なので
ぜひ読んでみてください♡

まとめ

以上、お正月にオススメの漫画をご紹介させていただきました!
すべての人は何かしらの側面でマイノリティだと思うんです。
全部の側面でマジョリティの人間なんていません。
もっと自分の変な一面に正直になっていいんだ!と思える
素敵な作品なので、ぜひ一読ください!

ではでは!
Have an awesome New Year with some great manga!


漫画って本当に素晴らしいですね!


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