格闘医学
格闘家って本当に正直言っていい?もう、バカなの!
僕も含めていい意味でバカばっかりしかいない。
なぜかというと「ここに行ったら(リングにあがったら)死ぬかもしれない!それでも行くか?」という問いに「勿論!!」って言って喜んで行ってしまうのが格闘家なんだよね。
だから、死という物に対していつも意識しているし、身近にある人達なんだよね。
死んでも欲しいものがあるし、それを望んで言っているからバカだし素晴らしいと思えるんだけど、そこに行きつくまでもなかなかバカであまり健康とか、ケガとか、そういう物に対しても無関心
実際僕自身もそうだったんだけど先日こんなツイートをした
この本が本当に凄くてこの二重作先生という方が、個人的にやっている試験がタイトルの格闘医学という考え。
脳のはデリケート
これ、本当に何も僕は今まで考えずに生きてきたんだけど、脳に対して覚えておいて欲しいことが二つあって
1,脳は痛みを感じない
2,脳へのダメージはタイムラグがある
これがマストの二つで、よくあるパンチやケリをもらった選手にたいして「大丈夫か?」という質問がどれほど意味がない質問なのかよくわかる。
そりゃ大丈夫に決まっている、なぜなら痛くないし、脳震盪などは別として、脳へのダメージというのにはタイムラグがある。
二重作先生の事例だと2週間後に脳に変化が起きて病院に来た事例があったらしい。
実は僕自身もプロボクシングデビュー戦の一週間後に気絶したことがある。
顔の腫れも大分抜けたから「今日ジム言ってファイトマネーの清算に行こう」と思っていた、夕方にそろそろ行くかな?と思ったらおもむろにトイレに行きたくなった(この記憶が曖昧)
トイレに行くといきなり吐き出した、吐きながら(え?なんで俺吐いているの?気持ち悪かったの?)と思いながら全部出した後、そのまま廊下で気絶しちゃっていた。次に起きたのは深夜の1時頃だった。
これってそうとうヤバい事で次の日にジムに行って「昨日こんな事あったんですよ」って話したら「死ぬかもしれなかったぞ」と怒られたと思うんだけど、今だったら今すぐタクシー呼んで、タクシーに押し込んで一緒に病院に行くなぁと思う。
だからジムのトレーナーと言っても、脳に対してのどのぐらいやばいのか?というのがあまり認識が少ないんだなと思う。
コンタクトスポーツは辞めた方が良いのか?
これが次に大きなテーマになると思うんだけど、結論コンタクトスポーツは身体に対して、脳に対してのダメージが深すぎる。
人の身体は二十歳前後に完成する、二十歳になっても骨がしっかり形成されていない人は結構普通にいたりする。
子供の頭って凄く柔らかい、それはなぜか?脳自体がまだ大きくなる為にカッチリまだはまり込んでいないから。
だから子供の頭を叩くとかどんな理由があっても絶対にダメ、同じく心臓も心臓震盪を起こして最悪死ぬことがある。
野球のボールとかが胸にあたって気絶する子供がいたりする。
血管の太さも人によって違うので「こういう事はよくある」とか「俺も昔はそういう風に強くなってきた」という成功事例はなんの参考にもならない
ダメージダウンと言ってあからさまに効かされて倒されたのではなく、フラッシュダウンというタイミングで倒れてそこまで深いダメージがなかったとしても、脳震盪による体の動作障害が起きた事は間違いないので病院に行く事は重要。
なぜ、上記のような事が起きるのか?それはまさに指導者の学びの低さだと思う。
相手が意識が無かったらどうする?
車の免許を取った時の事を思い出してほしい。(ちなみに僕は免許もっていません、、、💦)
まず何をするのか?
1,救急車を呼ぶ
2,AEDを用意する
この辺はみんなが出来る事だと思う、そしてその後待っている間に出来る事は?
1,気道確保
2,人工呼吸
3,心臓マッサージ
きっとこんな指導を受けたと思う、しかし、これはもうアップデートされている。
気道確保はお医者様でも難しい、なぜなら筋肉の緊張や脂肪の量というのが人によって違うので、どこが適切な気道の位置なのか分かりかねるからだ。
これが一般人がやろうとするのはほとんど不可能に近い、逆に苦しいわ!みたいな事が多々ある。
次に人工呼吸だが、その気絶している人今のご時世だからとかではなく、感染症を持っている可能性はないだろうか?
B型肝炎、C型肝炎、AIDS、梅毒、絶対に大丈夫だろうか?
嘔吐してくるかもしれいないがすぐ反応できるだろうか?
そう思うとまず最初にやる事は心臓マッサージになる。
その意識がない人、心臓が動いていてもいなくてもとにかく周りの人が出来る事はとにもかくにも心臓マッサージしかないのだ。
血液に残った酸素を少しでも脳に送り込むことだけ、そして救急隊が車で、AEDが起動するまで、永遠とマッサージをし続ける。疲れたら交代でやる。
とにかく心臓を刺激し続ける、それが意外に選択肢はない。
パンチドランカーの懸念
頭を叩かれているとパンチドランカーという症状が出る、要は殴られ過ぎてしゃべり方が変になったり、手足がたりする症状。
このパンチドランカーはNFLというアメリカで一番盛んなスポーツでの発症率は94%!!
つまりほぼ全員。
まぁ、当たり前といえば当たり前、2メートル超えるような大男が全力でぶつかって来たり、挟み撃ちにしたり、引っ張ったり、叩きつけられたりする。
こういう風に考えると少なくとも高校生まではコンタクトスポーツは控えた方がよさそうだし、身体が出来上がってからもなるべくやらない方が良いなんて思えてしまうし、頭部に与えるダメージが恐くなる
どうやって防ぐのか?
コンタクトスポーツ自体がダメというわけではなく、僕自身もボクシングを一生懸命やっていたからこそ今の僕がいるし、人生があると思っている。
そういう意味でコンタクトスポーツのおかげで手に入った恩恵は沢山ある。
なので次に考えるべきはどうやったらダメージを少なく済むか?だと思う。
ボクシングに限らずきっとすべてのスポーツに”感”という物を大事にすると思う。
例えば格闘技だと相手がパンチやキックを繰り出してきてから、それを目で見て反応して自分の筋肉を動かして捌く、防ぐ、避ける、これだとどうあがいても間に合わない、つまり事前に来ることを予測していないとディフェンスが出来ないという事。
そこにはさっきの”感”という要素が大きくかかわってくるんだけど、その感はどうやったら鍛えられるのか?と質問した時に、現役当時の僕なら「スパーってやっていると慣れてきてなんとなく分かるようになってくるだよ」というアドバイスをしたと思う。
しかし、このアドバイスは被弾を前提のアドバイスになっている、最初は見えなくて殴られると思うけど、その内だんだん殴られなくなってくるよ。と言っているのだ。
これは車の免許でいう所の「初心者って最初は交通事故起こしちゃいますよねー、でも段々分かってきて事故ら無くなりますよね。最初はぶつかってもしかたないっす」みたいなことを言っているのと一緒だ。
そうなると運転手は相当な覚悟がある人しか運転しなくなる。
(だから格闘技の人口少ないのかも?)
つまりスパーする前にその”感”を養うトレーニングはないのか?ダメージを受けなくてもダメージを防ぐ訓練は出来ないのか?と思った。
それがタッチゲームという奴だ。
ウズベキスタンのトレーニングでよく取り入れている肩、頭、お腹、を触って、触られた方が負け、回数や細かいルールは自分たちで決めたらいい。
ここに足も入って足で足を踏むというのも入ると、周辺視野も養われる。
よく見て、良く反応して、相手のランダムな動きを読み取る訓練をして自分に触られない、相手に触るという方法がだんだん見えてくる。
こういう訓練を繰り返してから、初めてスパーリング等をやるようにすると、身体に対するダメージが無い状態で技術を磨くことが出来る。
だけど今でも、きっと多くのコンタクトスポーツの指導者が僕の現役の時のアドバイスの様に「撃たれて強くなるよ!」みたいな事を指導していると思う。
これがなくなったら格闘技界の未来は大きく広がっていくのではないか?楽しいの延長線上に格闘技というのが出来る様になるのではないか?と感じている。
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