育休ワーママ、大学院入試を受ける/④受験当日~振り返り
あっという間だった受験期間。
同じ学校を目指す受験仲間ができたことで、当初の想定以上に濃い時間を過ごすことができました。そして迎えた受験当日…
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試験当日
迎えた2月17日。筆記試験の日です。
LDCでは筆記試験もオンラインで行われます。ほかの人がいない個室を確保する必要があったので、夫にお願いして朝9時から子供を外に連れ出してもらい(寒い日に本当に感謝…!)試験に向けて準備を整えます。
直前にいつも使っているWebカメラの接続がおかしくなり、急遽普段使わないノートPCのインカメラに切り替えるトラブルがあり、心拍数が爆上がりしながらもなんとかZoomに入室。ずらっと並んだ受験生の顔と張りつめた雰囲気に圧倒されつつ、何とか1時間の試験を終えました。
ここ出るだろ!と個人的に張ってたヤマは見事に外れましたが、なんと仲間とやっていた「1日1問」で取り組んだテーマの一つから出題があり、心の中で仲間に手を合わせ続けた1時間でした(笑)
文字数が足りなかったり、出題の指定を抑えられなかったり、足りない点は多々ありましたが、仲間との勉強を通じて当初思い描いていた以上の準備ができた自負があったので、「これでダメなら、もともとダメだったんだ」と思える吹っ切れた感覚がありました。
そして同日の夜(!)に筆記の結果発表があります。
筆記を通過すると翌日の口頭試問に進めます。
結果は通過!(嬉しい!)
仲間の3人も全員通過!(大興奮…!めちゃくちゃ嬉しい!)
大興奮でドキドキが抑えられないまま、翌日の口頭試問に向けてプロジェクト計画書や志望動機をまとめたメモを見返して準備します。
そして迎えた翌日の口頭試問。
私は緊張して、完全ハイになっていました。(緊張や不安があると、それを隠そうとして(?)ハイテンションになってしまう謎の癖があります…)
質問されたことに、いつもの倍のハイテンションと早口で答えつつ、終わったときには「やり切った…!!」と開放感に満ち溢れていました。(アドレナリン大放出)
しかし、結果発表までの10日間。時間がたつほどに不安が増していきます。
「あの問い、面接官の意図を汲めずにとんちんかんな答えだったな…」
「逆質問も用意してたのに、すっかり忘れて質問しそびれたな…」
「なんだか私、後半緊張しすぎてルー大柴みたいだったな…」
終了直後には「きっと大丈夫!」と謎の自信がありましたが、時間とともに自信は遠のき、不安な気持ちが大きくなりました。
結果発表
そんな中、迎えた合格発表の日。
iPhoneの時計とにらめっこしながら、合格発表の時間ぴったりにURLを開きます。
結果は合格!!
ほかの仲間3人も全員合格!!!
結果はもちろん、仲間全員で同級生になれることが本当にうれしくて、そばにいた我が子を高い高いしまくりました(笑)
ちなみに、応募人数から合格者の倍率を考えたときに、仲間4人全員合格する確率は1%?とからしい…本当にすごい…!
振り返り
家族時間との両立不安から、受験まで悩みに悩んだ数か月でしたが、振り返ると悩んだ期間も含めて本当に実りの多い、濃い時間を過ごすことができました。最後に、今回のプロセスを通して学び深かったことを5つ、書き留めたいと思います。
自分の大事にしたいことがクリアに
受験の決意まで2か月近く、家族の時間を大事にしたい気持ちと、自分の好奇心を大事に突き進みたい気持ちの狭間で揺れに揺れました。
↓迷いに迷った話はこちら↓
しかし、その時間を通して、自分の中で大事にしたいこととその優先順位がクリアになったことは、大きな糧でした。今後の両立生活を送るうえでも、きっと同じ迷いに右往左往する場面が訪れると思いますが、今回の気づきは一つの判断材料になるのでは、と期待しています。
第一優先は家族の健康と幸せ。
私の幸せの土台で、例え仕事や勉強が疎かになっても守りたいもの。今の仕事が好きで、もっと深めたいという気持ちも正直な自分の一部。
家族時間を守りながらも、自分の時間でできることを積み重ねていく。
独身時代のような120%の時間&パワー投下は難しくとも、歩みを止めないことが大事。(LDCの中原先生も著書の中でそう言っておられた…!)無理のない範囲、私のペースで、できることに集中する。迷ったときに、自分の幸せを基準に考えること。
自分が幸せでないと、周りもハッピーにできない。判断に迷ったときは、「どうしたら私が幸せか」を考える。私の場合、幸せの一番土台に家族の幸せと健康があり、(誤解を恐れずにいうと)自分が幸せであるために、家族の幸せは欠かせない、というイメージです。そのうえで、自分を犠牲にせずに、どうしたらより満たされるかを考えたい、という想いを強くしました。
モヤモヤうじうじの末に、これらの考えを言葉にすることでかなりすっきりすることができました。勉強期間の過程で、我が家では今年コロナ1回、インフル2回と胃腸炎が大流行し、試練の秋冬でした。加えて、下の娘の睡眠退行が重なり、「もうダメかも…」とヘロヘロになることも1度や2度ではありませんでしたが、自分の大事にしたいことを言葉にできていたことで、「今の状態が幼子を抱えているリアル。この結果が不合格だとしたら、学生生活もきっと難しいということだ」と開き直ることができましたし、不合格の際のプランBを冷静に考えることができました。
限られた時間を有効に使うための戦略
心が決まれば、あとは実行に移すのみ。
保育園に通う長女が家で過ごす平日の朝夜と休日は家族の時間と決め、それ以外の平日日中と子供たちが寝ている時間が私が勉強に充てられる時間です。悩んでいた時間も長かったので、残された時間は限られていました。ただ、そのことが限られた時間を何に集中投下するか、考えるきっかけになったので結果オーライかな、とは思っています。
時間が足りない、という焦りがあったので、今回は必要な準備と使える時間を天秤に、その都度意識して優先順位付けに取り組みました。必要な入試準備の全体像を洗い出して時期ごとに取り組む優先事項を考えたり、過去問の傾向分析を行い、どの分野で出題が多いのか、例年の傾向からどんな出題がでそうか考えて、インプットの優先順位を決めました。また、たくさんある課題本も領域ごとに分けて、各領域から1冊、これだけは押さえる本を決めて読み進めました。
書き出してみると考え方自体はとってもシンプルなのですが、今回のプロセスを通してさらに研ぎ澄まされた感覚がありました。今後、大学院生活が始まると私の性格を思うときっとやりたいことを欲張ってしまう傾向があると思うので、家庭との両立のためにもやりたいこと・やるべきことと使える時間の天秤は今後も意識したいです。(とは言ってもやっぱり欲張ってしまいそうだけど…)
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発信の威力
今回、学び深かったもの第1位がこれ、発信の威力です。
偶然のきっかけで受験仲間ができ、勉強会へと発展した今回のプロセスでしたが、もとを辿れば、戦友の彼女が志望校を明記して発信してくれていたことがきっかけでした。
彼女の発信があったから、私は声をかけることができたし、
彼女の発信があったから、仲間が集うことができた。
思えばとってもシンプルなことなんですが、
旗を掲げたところに人も情報も集まる
ことを体感する大きな学びになりました。
私が勉強したい人と組織のテーマは、その時の社会情勢を背景に、問題となるトピックも移り変わっていきます。そのことを思うと、自分が旗を掲げることは、新しい情報を集めるために効果的だろうし、同じ興味関心や志を共にする仲間と繋がるためのアドバンテージになるはずです。
これまでは発信への苦手意識があり、書いたものを公にさらすことは私にとってとても勇気のいることでした。しかし今後、移り変わりゆく人・組織の領域に身を置いて価値を出していくためには、自分自身が旗を掲げること・発信することはとても重要で、ニガテを超えて取り組んだ方がいいことだな、と考えるようになりました。
この学びがあったからこそ、今回noteでの発信にチャレンジしよう、と思い立ちました。
前向きでシェアド・リーダーシップを体現したかのような勉強会
今回のプロセスを語る際に切っても切り離せないのが、勉強会の存在。
一緒に勉強をしたのは約3週間ほどと短い期間でしたが、そうは思えないほど濃くて学び深い時間を過ごすことができました。
中でも印象的だったのが、その時の課題に対して全員が、それぞれに出来ることで貢献しあったこと。
例えば、大学を訪問しないと入手できない数年分の過去問をシェアしてくれるメンバーがいれば、それをもとに傾向分析をしてシェアするメンバーがいたり、1日1問でよりリアルな出題にするためにケース問題を自作するメンバーがいたり、お互いに気になっていたことを代表して事務局に問い合わせてくれるメンバーがいたり…他にも書ききれないほど、互いに協力してよりよい学びの場にすることができたんです。
まさにシェアド・リーダーシップを体現したかのような場でした。同時に、勉強会が発足してから、自分の学習の密度と速度がぐんぐん上がっていく実感がありました。
実際には対面で会ったことのない人とこんな関係を築けたことは私にとって初めての経験で、この経験自体が変え難い学びになりました。
共通の目的で繋がること×場に出すことで場が動く
今回勉強会ができていった過程に着目すると、仲間が集まったことと、充実した時間を過ごせたことは因果関係にないと感じています。
集まったメンバーが違えばきっと違うプロセスや関係性になっただろうし、たとえ同じメンバーであってもそこでやり取りされる言動が違えばきっと違う未来になっていた気がする。
だとすると、今回最高な時間と結果を生むことにつながった要因は何なんだろう。
自分でもまだうまく整理しきれていないのですが、今回のプロセスを振り返ることは今後新しいチームと上手くやっていくための大きなヒントになる直感があります。(そう思えるくらい、本当にいいチームだった…!)
一つ思うのは、共通の目的を前提に繋がれたこと。
同じメンバーだったとしても、お互いをライバルと捉えるか、仲間と捉えるかで勉強会でやり取りされる内容も、お互いの関係性も全く違うものになったと思うんです。実際、入試の倍率は3倍近くあり、私たちは受験仲間であると同時にライバルでした。
戦友の彼女をはじめてSNS上で見つけたときも、私は最初、「ライバルだ!」「どんな勉強をしているのか偵察しに行こう」という感じでした。
ただ数日後、ふと「ライバルよりも、一緒に入学を目指せた方がいい関係性&成果になるんじゃないか。ついでに一緒に入学出来たらワーママ仲間もできてとっても楽しそう!」という捉え方の変化があったんです。これが私にとってはとても大きかった。
「ライバル」としてとらえたままだったら、彼女に連絡することはなかったかもしれないし、勉強会もきっと生まれていなかった。そして、試験の結果もきっと違うものになっていた気がします。ここについては、Good Job!と当時の自分を褒めてあげたいです。
ゴールイメージが自分だけの成功から、「みんなで合格」と一緒に目指す成功に広がったことでより良いプロセスと結果が生まれた。そう思うと受験勉強に限らずビジネスでも同じことが言える気がします。
二つ目は、気づきや悩みを場に出すこと。
今回の勉強会で中心的な取り組みになった1日1問の取り組みですが、生まれたきっかけは「時間制限に間に合わない、どうしよう」というぼやきでした。そこから、「自分も同じ!」「一緒にアウトプットの練習できるといいよね」と言う会話に広がり、あっという間に1日1問の取り組みが始まりました。
それはまるで、水辺になげた小石の波紋がどんどん広がっていくようでした。
結果的にそのぼやきから中心的な取り組みが生まれたわけで、お互いがプライドを張りあって弱気な側面や困っていること場に出せない関係だったら、そもそも取り組みは生まれなかったかも知れない。
そう思うと些細なことでも感じていることを場に出すことの威力を感じますし、同時に、前提にあるベースの信頼関係や、投げられたぼやきに対して共感や対応策をリアクションすることが鍵だったと思います。
まとめ
そんなこんなで(?)、無事に大学院に進学できることが決まりました。
ここから先、何が待っているのか今はドキドキワクワクと不安でいっぱいです。ただ、自分で思っていた以上に実り多い受験期間を過ごすことができたのは、この先の両立生活に向けて少しだけ自信になりました。
ここでの学びを大事に抱きしめながら、この先出会う仲間と学びを大切に大学院生活を楽しめたらと思います。
今後は大学院生活や家庭との両立を通じての学びや気づきについても投稿できればと思うので、ぜひお付き合いください^ ^