1人の人間としてありのままでできること

昨日、はじめて小学校の福祉教育の授業で話をしました。
今回は、とある小学校で約100名の4年生の子供達に向けての授業。
まだ見習いなので、この道何十年の先輩と一緒に行って、45分の授業のうち30分から35分を私たちが話す時間、残りを質問時間にして、私は15分くらい時間をもらって話しました。

授業を終えて

緊張したけど、子供達は静かに聴きながらも興味を示してくれて、話しやすかったです。
一緒に行った先輩は全盲の方なので全く見えない人の話、私は弱視なので少し見えてるけど眼鏡で視力が良くならない人の話をしました。

私が話した内容は、私は少しだけ目が見えるけど白杖を持っているという話、不思議なことに眼鏡で視力が良くならない人がいるという話、白杖を持つ理由、新聞の文字の大きさに例えての話、便利な機能のおかげでスマホも使えるという話などをしました。
新聞の例え話の時に実際に記事を持って行って見せたんだけど、沖縄出身でパラリンピックに出場した同級生が載ってる記事を持って行って、ちょこっとだけ視覚障害者のスポーツの宣伝もしてきました😄

質問コーナーは思ったよりもたくさん手が上がっていて面白かったです。
「耳はいいんですか?」、「人の顔は覚えてますか?」、「信号を渡る時はどうしてますか?」、「水を飲むときにこぼしたりしませんか?」などなど!

水をコップに入れる方法は、ちょうどペットボトルのお茶と紙コップをいただいたので先輩が実際にやって見せてました。

帰る時、2階から1階に行く階段を降りようとしてるときに、近くで見てた子がちゃんと横に近づいて来てびっくりさせないように「気をつけてくださいねー」と言ってくれました。
順応するのが早くて驚くばかり。

先輩からは「今日みたいな感じでいいですよ!」と言ってもらえてホッとしました。

私のテーマ

ここからは、ハンドルネームというお面を一枚かぶっているから話せることになります。
私は、生まれつきの視覚障害者として生きていて、子供の頃は盲学校に長いこといました。
だから自然と、「晴眼者 (普通に目が見える人)だらけの社会の中の自分」以外に、「視覚障害者の社会・盲会の中の自分」について考えることが、時々ありました。
とはいえ、私は気分屋だし体力もあまりないし、内面もちょっと拗らせているので、意識しつつも盲会の中で張り切って何かをやってみよう!という気持ちになることは少なかったです。
だけど最近はやる気が出てきていて。
先輩が声をかけてくれたタイミングとか、内容とか、いろんなものがちょうどいい感じにはまったのだと思います。

子供達の前で、視覚障害者代表 (と言ったら語弊はあるけど) として話をする仕事って、日頃仕事も家事もちゃんとやってて自分でいろんな場所に行ける人か、音楽やスポーツで活躍してる人、他の社会活動をすでにやってる人がやるイメージだったけど、「私みたいな人でもやっていいのかも」と思えるようになりました。
自立した生活を送ってても、すごい特技があっても、学校の子供や先生と明るくコミュニケーションを取れるかは別の話だし、福祉教育の授業で「視覚障害について」話すなら自分のことだけじゃなくて他の人のこととか基礎知識も話した方がいいわけだし。

視覚障害者っていっても、全く見えない全盲の人だけじゃなくて、少しだけ見えてる弱視の人もいる。
点字を読み書きできる人も、できない人もいる。(だからと言って、世の中の点字が不要というわけではない)
働いてる人もいれば働いてない人もいる。
家事を一通り練習してできるようになった人もいれば、あまりできない人もいる。
好きなこと、苦手なことはみんな違う。

そういう話なら、私、いくらでもできるってことに気付きました😁
今できないこと、苦手なことも正直に「今はできないけど、これから練習しまーす」って言えばいいし。
それから、実際に授業に行ってみて気付いたことだけど、子供からちょっとびっくりするようなこと (例えば目の見た目のこととか) を言われても冷静に受け止めたり受け流したりできるのも、私の強みかもしれません。
びっくりすることを言われても、この子が今後、私と同じような人に会った時に、よく知らないで酷いことを言ったり傷つけたりするのを防げたらいいな、という気持ちで話そうと思ってます。
そもそも、拡大すれば普通の文字を読めるくらいの弱視の人で学校を回る仕事をしてる人はまだまだ少ないし。
これは、大々的に募集がかかるんじゃなくて人伝に回ってくる仕事だから、条件とかタイミングが合う人が見つけにくいことが理由なんだと思います。
本人にやる気があっても、あまりにも癖が強い人とか、人間不信になってる人とか、ボソボソ話す人には頼みにくいだろうし・・・。
だから、気張らず、辛くならずにできる間は、私が引き受けようと思ってます。
自分がやって、慣れてきたら他の人にも声をかけたいです。

視覚障害者として、1人の人間として。

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