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視力0.03、視野10度以内のサバイバル生活
今回は、私の見え方、見える範囲について話してみました。
視力0.03、視野10度以内の私の生活は、残った視力も聴覚も触覚もフル活用します。他の人からするとサバイバル生活みたいに思えるかもしれません(笑)
【文字起こし】
ご覧いただきありがとうございます。いづる もえです。
今回は私の目の見え方の話をします。たびたび動画の中で「私の見え方はこんな感じです」という話をしてきたんですけど、今回は視野、見える範囲のことを話してみようと思います。
私の目は左目の中心部分にほんの少しだけ視力があるという状態です。
全体的に白っぽくぼやけていて、遠くのものや細かいものが見えないんですけど、見たいものを目の近くまで持ってきて、真ん中の方にピントが合えば、文字や絵をどうにか認識することができます。
そのおかげで、顔を近づけて文字を読んだり、iPadで動画の編集をしたりできています。
その代わり、ピントを合わせると見える範囲はとっても狭くなります。
もともと目が小さくて、目を見開いた状態でも視野が狭いんですけど、焦点を合わせるとさらに見える範囲が狭くなります。
小学校の子供たちの前で視覚障害のことを話す授業では、「トイレットペーパーの芯から覗いたような」という表現をしました。
そういう説明をすると、子供たちは驚いたようなリアクションをしていました。
普通に目が見えている人と話していてわかったんですけど、視野が欠けてない状態だったら、人間って顔を前に向けてても横の方も見えてるみたいですね。
もちろん意識してなくて目に入ってなかったとか、そういうことはあると思うんですけど。視界の右とか左とか、そこで何かが動いてたらすぐそっちに目を向けて見ることができるそうです。
でも私は、顔を前に向けてたらほんとに前しか見えません。
自分の右側とか左側で、例えば人が動いたりしたら、耳で聞き取ったり、皮膚で感じ取ったりして気付きます。
音がするとか、なんとなく圧力を感じるとか、他の感覚で気づいて、それで顔を右とか左に向けて、対象のものが視界に入るっていう感じなので、視覚が後からついてくるというか。
普通に見えてる人は多分、目で見て他の感覚が追いつくんだと思うんですけど。
例えば、私が歩道を歩いている時、横から自転車に追い越されるのはすごく怖いんですけど・・・怖いんですけど、体が勝手に傾いて避けてる感じです。
自転車の人がすれすれで避けてくれているというのはもちろんあると思いますが、皮膚の感覚とか聴覚とかが発達してなかったら、私は何回跳ね飛ばされていたかわかんないです。
今の世の中、見えてる人も周りを見てなかったりするので。
自転車よりはまだゆっくりなんですけど、後ろからスーツケースのタイヤの音がしたら道の端の方に寄って先に行かせたり、あと、歩道がないところを歩いてる時に、横とか後ろの方から車の音が聞こえてきたらすぐ端っこに寄って先に行かせたり、そういうこともよくやります。
1人で歩くときはそれぐらい気を使って歩いています。
音の方向が分からなくて困る時は、大きい横断歩道が縦にも横にもたくさん伸びている場所を歩いている時です。
音が出る信号がついてるのはいいんですけど、どっち側の信号が鳴ってるのかわからなくなることが時々あります。
よく使う信号は覚えてるんですけど、全部は覚えきれなくて(笑)
音が出る信号がついてるところでも方向がよくわかんない時は、ほかの人の動きを見て判断して渡ったりしています。
あとは、風が強い日は音があっちこっち飛んでいくので、方向がわかりづらくなります。
私の視野はものすごく狭いという話をしてきたんですけど、具体的に数字で表すと、「視野10度以内かつ95% 以上欠損」というふうに、障害者手帳には書いてあります。
調べたところによると、成人で目が普通に見えている人は視野が大体150度ぐらいあるみたいなので、約15分の1も見えているかどうか、という感じです。
眼鏡とかコンタクトで矯正ができないっていうのは、水晶体とかいろんな目の中の部位が壊れてるというのもあるんですけど、眼球が小さくて見える範囲も狭いから、それは矯正もできないし、手術しても欠けた視野は戻らないので、「今の医学とか科学では治らないよ」と小さい時から言われています。
だけど、小さい時から盲学校で、視力が悪い・視野が狭いなりに、上手に目を使う練習をたくさんやってきたので、自分の視力を最大限に使えてると思います。
ずっと目を使い続けることはできないので、聴覚とか指先の感覚とかも必要に応じて切り替えながら、それでどうにか生活しています。
あと、実際に目では見えてないかもしれないけど、脳みそで情報を補っていろんなことを推理したりもしています。
推測が外れちゃうことももちろんあります。例えば、家の中で歩いてるときに、足元にあるものは見えないので、よく足をぶつけたりします。
それとか、掃除中にいろんなものを動かして、かがんで立ち上がった時に棚に頭をぶつけてしまったりとか。
そういうこともあるので、「慣れてる場所ほど気を付けて動かないといけないな」と、ぶつかるたびに思っています。
逆に外では神経を張り詰めさせているので、ぶつかったり怪我したりすることはそんなにないんですけど。白杖も持ってるし。家の中は気が抜けてるので危ないですね〜。
ということで、今回は私の目の見え方、見える範囲について話をしました。
繰り返しお伝えしていますが、弱視とか視覚障害の見え方って本当に人によって差があります。
みんながみんな、私と同じ見え方ではありません。
今回お話ししたのは、私の見え方、私の視野のことです。
似たような見え方の人は他にもいると思います。
そこのところをご理解いただけますよう、よろしくお願いします。
それでは、また👋
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