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「人生最大の大仕事」 出産・帝王切開

ちょうど昨年の今頃、2024年1月15日、私は3020gの元気な男の子を出産しました。可愛い可愛い次男くんです。

長男も次男も帝王切開でした。1人目は臍帯巻絡で"緊急"の帝王切開。2人目はそれに伴って計画帝王切開です。お腹を切っていても、子供が可愛いほどに出産の痛みはすぐに忘れてしまうもの。だから子供達が大きくなった時、ママはこんな風にあななた達を産んだんだよ、と伝えられるように、記録をしておきたくて、書きかけていた note を完成させてみようと思います。

入院の日の朝

家を出ると、ばったり1人目を出産した時に同室だったママさんと出くわしました。「頑張って!」と送り出してくれたことにどこか安堵を覚えながら病院へと向かいます。

入院手続きをして病室へ向かうと、その日夜勤で担当してくれる看護師さんが、これまた1人目の出産で担当してくださった方でした。不安だった私を気遣い、手術中もずっと声をかけてくれて、初めて私の胸に産まれたばかりの長男を連れてきてくれた人。怒涛の展開についていけず涙が止まらななくなった入院中に話を聞いてくれた、とてもお世話になった方です。わざわざそう組んでくれたのか、たまたまだったのか分かりませんが、ここでも少しだけ、2度目の出産(手術)への不安を打ち消してもらった気がします。

そして出産当日、朝6:20にはお腹にモニターをつけました。ちょうどその時次男くんはお腹の中でもよく動いていたので、看護師さんに『赤ちゃん元気ですね〜!』と言ってもらえて、そういえば1人目の時もこの同じ看護師さんがモニターをセットしてくれて、でもお腹の中の赤ちゃん(長男)は危険な状態だったことを思い出し、これなら無事に生まれてきてくれるだろうなと少し元気をもらいました。

それからシャワーを済ませ、点滴を入れるための針を刺します。ちなみにこの処置をしてくれたのが新人君だった為、一度失敗して、尚且つ「失敗しちゃいました  涙。 」と素直すぎるコメント 笑。もうちょっと患者を不安にさせない言葉選びをしようよ!と心の中でツッコミつつ、気を取り直して再チャレンジとなりました。

その後に手術室担当の看護師さんが麻酔の説明に来てくれたのですが、お名前が「杉浦さん」。実はその後分娩室についてからさらに説明をしてくださった方が「杉原さん」だったので、一つの分娩室に、私含めて「杉村、杉浦、杉原」と一字しか変わらないよく間違えられる名前の3名が揃っているって、それもなんだかご縁なのかもと思いました。それと、息子の名前は「紫雲」と決めていたので、手術室でのナース服がまさに紫色に染まった空のような色だったのも、ただのカラーバス効果と言えばそれまでですが、手術前に緊張がピークだった自分にとっては気分を和らげる嬉しいことでした。

さていざ手術室へ出陣。2度目なので、どんな手順なのかを知っているからこそ、もう逃げられないと分かっていても、緊張や恐さで自分の覚悟が決まりません。ですがそんな私の気持ちをよそに、医師や助産師さん達は慣れたもので、淡々と作業を進めていきます。

まずは手術台に寝かされ、胸の上にパーテーションを立てられます。帝王切開は下半身麻酔なので上半身は動くし意識もある。なのでパーテションの下で自分が何をされているのか、先生達の会話など全て解る中での手術なんですよね。生まれてくる赤ちゃんをこの目で見て、産声を聞くためにはそれしかないのですけど、それは恐怖でもあります。

そして背中に麻酔を打ちます。麻酔の種類は2つ。1本はそのまま管を入れておいて術後も痛み止めを入れていくもの。2本目は身体を麻痺させるものです。2本目を打ったら最後、下半身はどんどんと痺れてあっという間に動かなくなります。

アイスノンを上半身から順に当てていき、冷たさを感じるかどうかで麻酔の効き具合を確認したら手術開始です。オペをしてくれる先生は2名+点滴
に失敗した新人君が見学兼アシスタント。看護師さん助産師さんが合計5名。なんと自分の出産に8名も付き添ってくださるのだからありがたいです。

1人目の時は緊急での帝王切開でした。陣痛まで来ていましたが、臍の緒が首に巻いていたせいで子宮が収縮する度に赤ちゃんの心拍が半分に下がってしまっていたんです。そのままだと産道を通って出てくる間に赤ちゃんは弱ってしまうということで、急遽手術に。(その時のnote はこちら

なのでその時は手術も緊迫した雰囲気で行われました。手術時間は18分。あれよあれよと、されるがままだったので、何が普通なのかも分からなかった訳ですが、2回目になって初めてわかったことは、18分ってとても早いということ。

後から母子手帳を見てみれば、その時オペをしてくださったのは産婦人科の部長さんだったようで、手術前に「患者さんは一刻を争う状態なんだから、喋ってないで急いで!」と周りのナースに厳しく声をかけていたのが印象的だったので、指導する立場にある方なのかな?とその時も感じていましたが、どうりで。

一方で今回の手術時間は41分。倍ですね。既に傷があるところの再手術であり、中の状態も見なければいけないとはいえ、18分は若手のドクターにとっても驚異の短時間らしいようでした。というのも今回は計画的な帝王切開だったので、緊迫した雰囲気ではなくて、担当医の方もオペをしながら結構喋っているんです。もちろん私の手術に関する事柄が多いですが、他の患者さんの話だったり、外来からの問い合わせにその場で答えたり、1回目と全く違うので、そんな感じなの?と拍子抜けしました。

その中で、私の挟んで執刀してくださっている2人の先生が「高橋先生15分ってすごくないですか?どうやったらそんなに早く終わるんだ」と話していたんです。高橋先生というのが1人目出産のオペをしてくださった部長さんで、実際は18分と書かれていました早いことに変わりはなく。確かに1人目の手術はあっという間でした。

そして今回の手術で一番辛かったのが血圧が7、8回下がっていたこと。その度に、息苦しさ、胸の苦しさ、圧迫感、血の気がひく感じを体感して、死ぬわけはないと分かっているものの、特に麻酔直後は、人間こういう状態になったら死ぬんだ、という感覚を初めて体感しました。

何度も血圧を示すモニターがピコピコ鳴り、数値が下がる度に血圧を上げる点滴を投与していくのですが、1人目の時はその薬を入れられていた感覚すらなかった。それだけスピードがあったし適切だったということなのでしょうか。後から先生に、私が低血圧だから何度も下がっていたのか?と聞いてみたところ、血圧を上げる薬が効きにくかった感じがあるし、もしかして麻酔がやや上まで効いてしまっていたかもしれないとも言われました。

そうしてようやく産まれてきてくれた可愛い次男くん。今回は家族立ち合いが出来たので、外で待機していた夫が (声は全部聞こえていたらしい) いざ赤ちゃんを取り出す直前に分娩室に呼ばれて、私の手を握ってその時を待ちました。夫曰く、1人の先生が押し出してもう1人の先生が取り上げていたそう。麻酔があるのではっきりとは分からないのですが、スルッと大きなものが飛び出ていったような感覚とともに、先生がこちらの世界へ産まれ出てきた赤ちゃんを「はい!産まれました!」とパーテーション越しに掲げて見せてくれました。

長男の時は産声をあげるのに少し時間がかかってしまい、臍帯が巻いている事もあり、取り上げた後すぐに急いで処置がされていたのですが、次男は出てきたらすぐにふにゃふにゃとした優しい産声をあげ、そこから助産師さんが拭いたり測ったりという処置を手際良くしていくのも、真横でやってくれていたので全てを見ることが出来ました。

前回はいっぱいいっぱい過ぎて言葉すら発することが出来なかった私ですが、2回目は夫も隣にいるし色々としゃべるくらいの余裕はあったようで、「小さいね、産声が優しいね、血まみれだねえ」などど穏やかな気持ちで見守ることが出来ました。

帝王切開、術後編

帝王切開が普通分娩の産婦さんよりも大変になるのは産後。特に手術当日から3日間がピーク。手術直後はまだ麻酔が効いていて動けないので赤ちゃんは授乳の時以外は預けていますが、体には痛み止めを入れ続ける針が背中に刺さったまま、腕には点滴、排泄も出来ないので3つの管が刺さった状態です。麻酔が取れたところで歩行できるか看護師さん付き添いのもと、トイレまで歩いてみて、大丈夫となってやっとは排尿の為の管が抜けるのですが、歩けるようになると言っても当然切ったお腹がものすごく痛い。その痛みに耐えながら、傷を庇いながら、お婆さんのように腰をかがめてそろりそろりとしか歩けません。更に子宮が小さくなろうとする際の後陣痛もやってくるので生理痛のような痛みも伴ってきます。

麻酔が抜けたら今度は24時間母子同室で、基本的に赤ちゃんのお世話も自分でしなければいけません。それをまだ2本の管が繋がっている不便な状態で始めなかければいけないのですから、結構しんどい。おむつ替え、授乳、泣いたら抱っこ。ちなみに赤ちゃんにも呼吸を確認するモニターがついているので管だらけなんですよ。それが外れないように、絡まないように、自分の体も痛いのにやるんです。

それに加えて私の場合は副乳が脇の下にあるので、それがパンパンに腫れて冷やさないといけない。そして情緒も不安定になりがちですから、本当にこの3日間が一番大変なんですよね。そして手術の翌日には鏡の前で驚くことが。なんと頭のてっぺんに、急に白髪が3本!それだけ体にとって大きストレスなんだと実感しました。

名前は紫雲 (しおん)

名前は『紫雲 しおん』。長男の名前は『雨龍 うりゅう』 なんですが、『雲』は『雨』とも『龍』とも常に一緒にあるもの。切っても切れないものだからこそ、兄弟の絆を深く持って育って欲しいという私たち親の願いを込めてこの文字を選びました。

そして『雲』 は太古からずっと変わらない姿でこの地球上にある、とても本質的で普遍的なもの。そして変幻自在に形を変えて旅をするものです。

この変化の激しい時代、子供達が大人になっていく時に、何が正しいのか?何が幸せなのか?その定義は誰も予測できない。だからこそ、周りに流されずに自分の意思で生きられる人になってほしい。雲のように、時代に合わせて柔軟に考えや価値観を変え、必要ならばその場に留まらずに行くべき場所へ自由自在に行動できる。そういう想いをこの文字に込めました。

そんな次男もスクスクと元気に育ってもうすぐ1歳を迎えます。時が過ぎるのは本当にあっという間ですね。2人の子供たちがこれからも素直に愛情深く育つように、母としてもこの時間を大切に過ごしたいと思います。

この note を読んでくださる方の中には、今育児に励んでいる方、これから出産を控えるママさんも多いと思います。母になることは人生の中の大きな役目、とても重要な大仕事だと思いますので、皆さん一緒に頑張りましょう🎵




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MOEMI SUGIMURA
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