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ドイツで「就職」の壁② ー私の場合ー

じゃあ、どうすりゃいいんだ!!!
ドイツで仕事につきたいのに!!!

となりますよね。

前記事で書いたように、ドイツでの就職活動(就労ビザの申請)では「ドイツで学んだ、ドイツで働いた経験」が重要視されます。

「日本での学歴と就職歴しかない」と言う人は、
先ずは、ドイツで自分の就きたい職種のAusbildung アウスビルドゥング/職業訓練をやってみるのもいいかも知れません。企業で実際に働きながら(多少のお給料もでる場合が殆ど)、学校へ通い、学び、資格をとる制度です。期間は大体が3年間程です。
※初めの1、2年は生活出来るほどの収入にはならないかも知れません。日本の有資格者や大学卒なら、学びの期間を縮めたりも可能な場合があります。先ずはアウスビルドゥング(職業訓練)の為のビザを申請し、職業訓練が終わればドイツで就職もしやすくなるはずです。

Praktikumプラクティクムという研修制度もあります。こちらは「職業体験」に近く、職場で働き、お給料は、でたとしても低給なものが多いです。「働く代わりに住む場所と食事、部屋を提供」というような条件のみの場合もあります。こちらは短期間でも出来ますが、終わっても、資格も何も貰えません。ドイツで少し働いてみたいだけ、経験を積みたいだけと言う方にはいいと思いますが、その先その職種でのドイツでの正社員就職を目指す方でしたら、「ドイツでの職場経験がある」というアピールには使えるかも知れませんが、あまり効率が良いとは言えないかも知れません。が、ビザが切れそうでドイツ滞在自体が出来なくなる!と困った場合などには、プラクティクム先を見つけて、ドイツ滞在を可能にすると同時に経験値を伸ばしながら次の行動を考えるとこが出来るかも知れません。プラクティクム(研修制度)の場所が見つかれば、外国人局へ出向いてプラクティクム用の滞在許可証を発行してもらう事になると思います。

とは言え、簡単に言う(書いている)けど、
どちらもドイツ語の壁が高くない???

かく言う私も、英語は無理。語学は苦手。ドイツ語も、ドイツへ来てから学び始めて亀さんのスピードでした。そんな私はワーキングホリデーでドイツへ来ましたが、ドイツ在住の日本人の方の会社でちょこっとだけ事務アルバイトをしたのみでした。

語学学校へ通っていたので、その後ドイツ滞在のままで語学ビザへ変更手続きをして暮らしましたが、語学ビザでは就労は禁止ですので、お金が出て行くばかり。貯金は飛ぶように減っていき、「これはまずい。」と収入を生む方法を考えますが先ず就労ビザがないし、私の語学力で就職先が決まる気もしない。日本食レストランや日本食輸入店でなら、もしかしたら働けるチャンスは頂けるかも知れませんが、自分のやりたい事とかけ離れてしまう。それなら帰国でいいかな、と思っていました。
どうしたらいいものやら。
Ausbildungアウスビルディング/職業訓練をする程ドイツ語も話せないし。
Praktikumプラクティクム/職場体験は沢山の会社に問い合わせ兼応募をして、2件だけ、2週間程させていただく事が出来ましたがどちらも無給でした。

収入とビザがないと、もうドイツには残れない!

となった時に、友人を介して、
Freiwilliges soziales Jahrフライビリゲスソツィアレスヤー / 自主的な社会的一年 (すいません、適当訳で…)というものを知りました。略してFSJ。
若者向けの1年間の社会貢献の場、みたいなものでしょうか。決まればFSJの為の滞在ビザを申請することが出来ます。
私はその当時既に30歳を過ぎており、若者ではありませんでしたが、私にも出来るようでした。

※FSJと似たようなもので、
-Bundesfreiwilligendienst ブンデスフライビリゲンディンスト(BFD)
-Freiwillige Ökologische Jahr フライビリゲエコロギッシェヤー(FÖJ)
-Ökologischer Bundesfreiwilligendienstエコロギッシャーブンデスフィライビリゲンディンスト(ÖBFD)
などもあります。
ご興味ある方は調べてみてくださいね。

私が友人に紹介してもらったのは、シュタイナー 教育系の、FSJを斡旋している団体でした。

FREUNDE DER ERZIEHUNGSKUNST
RUDOLF STEINERS
フロインデ デア エアツィーウングスクンスト ルドルフ シュタイナー ズ / 教育芸術 ルドルフシュタイナー の友 (この訳でいいのか…)

当時とはちょっとホームページが違う気がしますけれども。なんせ十数年も前のことですから。

幼児教育に興味があり、シュタイナー 教育にも興味があった私には「ぴったりの体験が出来る!」と嬉しかったです。

このFSJで、障害のある子供達が暮らす施設でのお仕事をさせて頂けることになり、住む部屋(他の参加者との共同暮らしで住み込みみたいな感じです)と食事、ほんの少しのお給料を頂きながら過ごしました。
このFSJでは、健康保険も払ってもらえたのが有り難かったです。
※訂正: 初めにアップした記事では「年金も」と書きましたが、資料を見直した結果、FSJでは年金は支払われていませんでしたので訂正しました。
私が体験したのは世界各国の若者が参加するFSJで、ドイツ語がほぼ話せないような人も参加していた事も、私のドイツ語プレッシャーを軽くしてくれました。

まず現地に到着してから、施設の方が付き添ってくれてその地域の外国人局へビザの申請に行ったと思います。

この仕事が気に入った私は、FSJ(1年半)の後も引き続き同じ施設で働き続ける為に、施設の方に直接掛け合ってPraktikum プラクティクム/研修生として契約して頂き更に1年間(収入が上がった)、それが終わるとドイツ赤十字に登録して、ドイツ赤十字からの派遣(収入が下がった)という形で同じ施設で更に働き続ける…と踏ん張っていました。
その度に、就労ビザは「この施設でのみ有効」のような制限付きで更新していたと記憶しています。

この間は毎日働いても、残念ながら少ない収入(上がったり下がったり)でしたけれども貯金が減っていくばかりの生活では無くなったし、何より仕事が楽しかったです。

そうこうする内にあーだこーだと色々ありまして、夫となるドイツ人と出会い、結婚しました。結婚当時も私はドイツ赤十字を通して仕事をしていましたが、結婚で就労ビザ更新の心配をする必要が無くなったのであります。

…というのが、私の進んだドイツでのビザの道でした。


※どなたかの参考になれば幸いですが、なんせ十数年前の事なので、現状と同じという保証はありません。何事も、チャレンジされるなら、ご自身で然るべき施設や外国人局へ問い合わせるなど、事前にご確認くださいね。


2023年9月27日


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北川 萌子
ありがとうございます。励みになります。 頑張って更新しますね。夫と美味しいものを食べたいな。