ドイツでフリーマーケットに出店してみた。
我が家には物が溢れています。
私達の私物以外にも、先住民の残していった残留物がまだ屋根裏部屋に沢山残っているのです。(我が家は中古の一軒家を買い取って、ぼちぼち改築しながら暮らしています。)
「いつか、フリーマーケットに出店して販売してみたい」と、今まで置きっぱなしになっていました。
どこかで読んだ整理整頓のコツに、『「売れるかも知れない」と考え、売ろうとしないこと』とありました。
まさにこれ、そうだと思います。
自分が不必要だと思うものを誰かは欲しがるかも知れない、知れませんが、その誰かにドンピシャで出会うのは中々難しいものです。
思い切ってざっくり捨てたい。
でもドイツでは、古い物を好む人や、物の本来の価値を重視する人が多くいます。そして、リサイクルの精神。物を大切にする精神。
ブランド名に踊らされがち、新しい物好き、使い捨てな現代の日本とはまた違った感覚が浸透していると感じます。
継息子くんも居る間に、我が家もフリーマーケットに参加してみることにしました。
参加すること自体も楽しめそうですしね!
フリーマーケットのドイツ語は、Flohmarktフローマルクト。日本語では蚤の市。
- Flohフロー… 蚤(のみ)
- Marktマルクト… 市場
名前の由来は、「中古品の衣類の販売でFlohフロー/蚤(のみ)がついてくるから」とまあ、夢の無いというか、苦笑いの由来ですけれども。
夫は「小さな店の出店が並んで(小さな)蚤(のみ)が市場をしているような様子から」とか言ってて、まだ可愛かったです。
私はFlohフロー/蚤(のみ)をFrohフロー/喜びと勘違いしていまして「みんなが喜ぶ市場」と思っていました。全然違った。
さて、私達の出展の様子がこちらです↓
手前の机が私達、奥に見えるのは義母と姪っ子の参加スペースです。
終盤には夫の弟夫婦も尋ねて来て、私達は家族の集まりみたいにワイワイなっていました。
9時から搬入で11時から販売開始だったのですが、準備中にもちらほらと見にくる人がいました。まだ並べている段階で「これはいくら?」と話しかけられてしまい、事前に打ち合わせをしていなかった私達はアタフタ。
そこで私は直ぐに悟ったのです。
「これ、私に向いてねぇーーー!!!」(心の叫び)
こちらがいくらと伝えても値切って来るし、言い方がズバズバしているし。
夫と継息子は「そこも会話で楽しむのが蚤の市!」とかなんとか言いますが、私はただただドン引きしてしまいました。
なんだこれ…。
家電の中古ミキサー(故障なし。有名メーカー)を夫が売った時には「そんなに安く?!」と思いましたが、私はビクつき過ぎて交渉に参加できませんのでお任せ状態。(目的が「誰か使ってくれる人に譲ること」ですから安くてもいいはずなのにね。)
すると、別のお客さんが「あれは安過ぎたわ!」とか会話に入ってきてくれたりします。
別のお客さんまで横から混ざって交渉が始まって、結果「これがフェア(平等)だわ。」とか言って値段が決定したりしてね。
凄い世界だな、と思いました。←ビビり過ぎ。
そして多分、早くから見にくる人の中には転売人(?)なのかな、外国語で電話しながら品定めして値切って購入していく人もいました。
このTVが置いてあるだけで反応してくれる人達が多々いて、会話を楽しむきっかけになっていました。
良い物がある内に…なのか、開始早々は見にくる人達も多かったのですが15時を回ると訪れる人は減っていき、
ゆるゆるのフリーマーケット初出展体験は終了するのでした。
私の洋服や靴も出しましたが、ドイツ人にとってはなにせサイズが小さいんですよ。「ああ、子供服ね。」って言われてしまいました。
スポーツ系が2着だけ売れましたがほぼ残っちゃったので、全部ドイツ赤十字の古着&古靴回収ボックスへ入れました。
どこかで誰かのお役に立ちますように。
さて、売り上げですが、
- 継息子くん幼少期の自転車…30€
- 電動ミキサーと保温ポット…5€
- お鍋2個…4€
- タッパー…2€
- プレイモービル(おもちゃ)…8€
- レゴ(おもちゃ)…2€
- 目覚まし時計…2€
- 車のおもちゃ2台…4€
- スポーツ系衣類…2€
- ケーキ型…5€
- ティーポット2個…5€
- ミニチュア飾り…2€
- 80年代模様のクーラーボックス…5€
- フォークナイフセット(トランク入り)…7€
- 動物のツノのコップ3個…15€
- 昔の果物搾り機…0,5€
- 昔の粉ふるい…0,5€
- 1マルク硬貨…1€
…などなど。(値段はうろ覚えですがこんな感じ)
細かい売り上げを重ねて、合計では130€を超えました。夫が頑張った!
我が家では使われずにいる物達が、「これ、気に入った!」と引き取られていくと嬉しいような気持ちになったり、「え?!これ?!」と思うような物が売れて(内心)驚いたり。
面白い体験ではありましたが、私はぶらぶら見て回る立場の方がいいな…。
ふーっ!やり切ったぜ! ※ 私は戦力外でした。
「もう売れ残った物は処分でいいよね?」と夫に聞いたら、「次のフリーマーケットに出すように置いておこう。一度出店した物は段ボールにもう入っている状態だから搬入しやすいよね。」と言われてしまい、「えええええ?!やる気か、この人!なに?気に入ったの?フリーマーケット?!」と唖然。
売れ残った物が収められた段ボール達はまたまた屋根裏部屋へと吸い込まれて行ったのでした。
とほほほほ…
2023年10月3日