ゆるベジ6年目の私が、「菜食主義の4つの観点」を改めて整理してみた
自然とお肉を食べなくなって6年目の私が、
海外生活で出会ったベジタリアン/ビーガンの人々と話した経験から
「菜食主義者たちの言い分」を振り返ります。
「お肉、食べないんです。」
と言いつつも、こないだホテル隔離のお弁当でやむなく6年振りにチキンを齧ったワタシ。(…てことはベジ歴0年に振り出しになるのかな)
イギリスやドイツに住んでいた時は、「ベジタリアンなんだ」と人に言えば「そーなんだ」で済み、時には何も言う必要がないくらい、ベジのオプションが充実していて、お肉を食べない生活を普通にしてきました。
が、日本に帰ってきてから、外食する時とかに人に説明する機会が結構あるので、改めて理由を振り返ってみようと思いました。
ここで書くのは、海外生活で実際に私が出会った菜食主義の人々と話して、大きく分けて4つの観点があるな、と思ったまとめです。私自身の言い分についても、最後にちょろっと話したいと思います。また、根本的な動機は共通するのでベジタリアン、ビーガンなどの細かい分類は気にせず、「菜食主義」と括ります。
①動物愛護の理由
私がイギリスのエジンバラというところに留学したての頃。大学のアクティビティで大きな牧場に出かけました。そこでは可愛い子豚ちゃんたちが重なり合って寝ていたのです。
夢中で写真を撮る私に、隣にいたイギリス人の女の子(多分10歳くらい年下)が「可愛いよね。だから私、ベジタリアンになったの。」と言ったのです。
その時、私はハッとしました。それは、可愛い子豚たちがいつかはベーコンにされてしまうという悲しい事実にではなく、それに対して肉を食べるのを一切やめる、という行動を取るベジタリアンの人を、初めて目の前にしたから。そこで自分も、「動物が好きなら、殺されるのは可哀そうと思うなら、何で私は行動に出ないんだろう」と思わざるを得なかった。そんな、感情に一番訴える理由じゃないかな、と思います。
②環境保護の理由
「自分はFactory Farming(大規模農業)に反対だから」という理由で菜食主義になる人達もいます。Factory Farmingは、大規模な工場で機械を使って大量に動物を屠畜したり、搾乳したりする、現代の畜産業のやり方のこと。
イギリスのドキュメンタリーで「Land of Hope and Glory」(2017)という映画があるんですが、このFactory Farmingの残酷な部分を取り上げた、かなり衝撃的な映像になっています。①で言った動物愛護の感情的な部分はもちろんのこと、大規模な畜産業は、動物の命だけでなく、飼料も、資材も、廃棄物も、そして働く人間への精神的・肉体的負担という意味でもコストがかかり
すぎている、ということが感じとれるのです。
産業の在り方を変えるなんて、難しくてどうやるのか分からない。ただ、スーパーに並ぶ肉が、どうやって加工されたのかについて想像力が付いてしまうと、複雑な気持ちになって自然とお肉の棚に手が伸びなくなる、というのが菜食主義者たちの感情だと思います。
③健康・美容の理由
なんとなく、日本では「肉を食べない、昔ながらの日本食にならった健康的な食習慣」について取り上げられたりして、菜食主義と健康を結び付ける人は多いのかなと思います。
でも、私が海外で出会った菜食主義者達を振り返ると、案外この健康の理由は少なかったように思います。
確かに、世界保健機関(WHO)は2015年にベーコンやソーセージなどの加工肉に発がん性があると発表したし、Netflixで話題になったドキュメンタリー「What the Health (健康って何?)」(2017)でも動物性の加工食品には健康を害する添加物が多く含まれるということが取り上げられています。
私の周りにも、歳をとってから健康のために肉を食べなくなった、という人はいました。消化に負担がかかったり、アレルギー反応が出るようになって、という人も。でも、これってグルテンアレルギーとか動物性食品以外にも言えることなので、何も菜食主義に限ったことではないです。それよりも添加物を使いまくる食品産業の問題、ということだと思います。その上で、何が健康的な食事なのかは人それぞれ違ってきますしね。
でも、次に書くような精神的な健康という意味で、菜食主義が良いという意見もあります。
④ちょいスピリチュアルな理由
ある日、ベルギー人の元カレがこんなことを言ったのです。
「家畜動物は、殺される時に強い恐怖や怒りを感じ、負のエネルギーを持って死ぬ。その肉を食べることは、その負のエネルギーを体に取り込むことになる。」
この観点は知らなかったので、最初私は「突飛なこと言うなぁ。」と思ったのですが、「殺生してはいけない」という仏教の考えと通じてますね。
どういうわけか、私は東洋哲学的なものに造詣のある欧米人に出会うことが多くて、この食べものから得る「氣」や「エネルギー」を大切にする考え方も、彼らから知りました。
アメリカの有名なYoutubeチャンネルに「Infinite Waters (Diving Deep)」というのがあって、かなり分かりやすくポップにスピリチュアルを語ってくれるのですが、そこでも菜食主義についてよく取り上げられています。
③で言ったような健康の話に加え、この動画の7:20あたりで上記コメントと同じ「負のエネルギー」について言ってます。(日本語字幕あり)
登録者数200万人以上いるので、こういった考え方も広く受け入れられてるのかもしれないですね。
以上が、私が菜食主義の人達と話して気づいた4つの観点です。
もちろん、これ以外にもマニアックな理由が人それぞれあると思います。(肉を使わず肉料理を再現するのが面白い、とか純粋に野菜の味が好き、とか。わかんないけど、多分。)
怒れるビーガン達、敬遠する肉食う人々
菜食主義になるもならないも、人それぞれ。
でも時々、かなり熱心な人達がいます。ビーガンには、肉・乳製品・卵は勿論のことハチミツや、製造過程で動物性の材料が使われる場合は白砂糖も摂らないという人もいます。食生活だけではなく着るものや日用品にも気を付けるので、それは食生活のスタイルというよりも「人生をかけた主義主張」という感じです。ヨーロッパの街中では、食肉産業などに抗議するビーガン団体にときどき遭遇します。
彼らの中には熱心なあまり「肉・乳・卵を消費し続ける人々」への怒りみたいなものが原動力になっているようなパフォーマンスをする団体もたまにあります。そんな風に抗議されては、普通にお肉が好きな人々も気まずくなって敬遠したり反発したくなるもんだと思います。「偽善だ」とか「野菜の命はどうなんだ」という意見が聞こえてきそうですね。こんな風に対立構造になっちゃうと、両者の溝は埋まらなそうです。
所変われば、食も変わるわけで
私自身は、もう自分がお肉を買ったり食べたりすることはないと思います。でも、世界中の人々が皆そうなるべきだとは、特に思いません。
極端ですが、草原に生きるモンゴル人に「羊を食べるのを辞めようよ」ってナンセンスだし。あくまでもベジタリアン/ビーガン云々の議論は、先進国で、都会で生きる人間に突きつけられているものだと思います。
と、ここまで長くなっちゃったので、続きます。
次の記事では私自身の経緯とか言い分をもうちょっと詳しく書こうと思いますので、是非読んでください!
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