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対、人間
対、人間
僕は最近この言葉をよく頭に思い浮かべる
対、とは"対する"、"対面する"の意味の"対"
僕たちは日頃からいろんな場面で人間と対面している家族、友達、学校の授業、スーパーのレジ、夢の中でさえ僕たちは人と"向き合おう"とする
どうして僕がこんなこと考えるのかというと
誰かに裏切るという行為を"させてしまう"から
これだけ聞いたら意味がわからないかもしれない
けれど
本当に裏切るということを"させてしまう"のだ
僕には大切な人がいた
大切な人と言ってもまだ出会って4ヶ月も経ってない
それでも直感で感じた
この人だ
勿論根拠があったわけではないし
話したこともなければ
全く知らない人だった
それでも思ったんだ
この人だって
本当に思ったんだよ?
大切な人が"いた"
この言い方から大体の人は想像つくよね
そう今その人は僕の横、それどころか僕の体の何処というわけでもない全身から繋がり交差してる縁のどれを辿っても行き着かない
もう縁は切れてしまったんだと思う
みんなよく大切な人って言うけど
"大切な人"ってどんな人なんだろうね
みんなは大切な人って言われてどんな人を思い浮かべるかな
家族とか恋人とか友達とか
人間だけとは限らないね
人と人以外のあらゆる存在をみんなは多種多様に思い浮かべてると思う
僕もそうだよ
"大切な人"ってきっと基準も抱く感情も色々で決められないんだと思う
それでも僕には胸を張って"大切な人"って言い切れる人がいたんだ
優しいけど"根がいい人"じゃない
僕の大切な人だった人、、
長いからこれからは彼って呼ぶね
彼は決して根がいい人ではなかったんだ
簡単に言えば性格が悪い
悪口を言ってるわけじゃないよ?
僕はそこを含めて彼を大好きになったんだから
彼は良くも悪くも自分に正直な人
たとえば自分の中で矛盾してることがあっても感じたことがすべて
短気だし
神経質で
超絶面倒臭い
優しくて
暖かくて
ロックが好き
ざっと言ったらこんな人
対、人間と人間経由
始めは彼とSNSでやり取りすることが多かった
でもそのあと
映画に一緒に行って
日曜日に友達とグループで会って
仕事を手伝ってもらって
CDを貸し借りして
って色んなことを繰り返してるうちに
直接で話すことが多くなった
まあ、ようは仲良くなったんだよね
とっても
僕たちはね
2人で仲が良かったってわけじゃなくて
3人、もしくは4人でいることが多かったんだ
対、人間じゃなくて
人間経由で話が伝わってくることの方が
多くなってった
そうなるとどうなるかわかる?
一言で言ったら
勘違いの連鎖
いつのまにか僕たちは元には戻れないところまで来てしまった
当たり前だよね
だって僕は
向き合う努力をしなかったんだから
"対、人間"である努力をしなかったから
僕は初め
相手がなにを考えてるのか
どう感じてるのか
どうしたいのか
わからないって嘆いてた
でも
そんなこと当たり前なんだよね
だって
表情
声のトーン
イントネーション
選んだ言葉
何一つとして
正しく伝わらないんだから
本人が話してる時でさえ
本人の中で矛盾してる可能性があるのに
それを他人が話して正しいわけがない
だから僕はもっと早くから
"対、人間"である努力をしなきゃいけなかった
僕は彼との一連の日々を思い返して
幸せで
辛くて
悲しくて
嬉しかった
燻んでて綺麗な思い出を思い返して
対、人間で話をすることの重要性に気づいた
人間経由で伝わった話を信じることが
どれだけ滑稽なのかを
思い知らされた
対、人間が必ずしも
万能ではないことはわかってる
それでも
今の僕の生活
しいては人間の生活は
人間経由が多過ぎるんだなと
そう思ったよ
裏切られる 裏切らせる
前置きのような感じで僕と僕の大切な人の話を少ししたけど
初めに話した
"裏切ることをさせる"
について話そうか
ことの始まりは第三者の勘違いと
人間の欲
僕たちはうまくやってたんだ
僕たちなりに
お互いのことを想いあって
好きあってた
でもね
それが一瞬にして変わってしまった
全く関係な人の"嘘"によって
その嘘によって僕たちはすれちがい
お互いの縁を結んでおくことを
諦めてしまったんだ
ちゃんと言ったら
彼が先に諦めて
僕もその後に諦めたんだ
彼が結んでいた縁を解いた時に言った言葉が
今も僕を縛りつけてる
"お前の前の俺は嘘"
"本当は俺は性格悪くていい人ではない"
"俺のことを性格で好きになったなら騙してたことになる"
"そばにいるって言ったのに俺から距離を置くって言うのは嘘をついたことになるごめん"
僕はこの言葉を聞いたとき
なんでっていう怒りよりも
ああ
僕が裏切らせてしまったんだ
って思ったんだ
僕は彼に嫌われるのが怖くて
自分を偽ってた
だから彼も
本当の彼を僕の前に晒すことができなかったし
僕が彼が根がいい人ではないってことに
気づいてて
それを分かった上で
彼のことが大好きなんだってことが
伝わってなかった
色んな約束をしてたんだよ
あそこ行きたいねとか
ロックフェスに一緒に行こうねとか
そういう約束を破ってごめんって
言ってた
でも
それを言ったときの彼は
本気だったと思うし
それは信じたい
だから僕がちゃんと向き合わなかったから
裏切らせてしまったんだ
嘘をつかせてしまったんだ
後悔
って言葉で片付けられないくらい
暗くて黒くてなんとも言えない
感情が心の中に浮かんでる
その感情が
まだ僕をあの時の時間に
縛りつけてる
もう縁は解けてしまったから
僕が彼に対してできることって
本当に限られてて
ここから彼の幸せを願うことだけなんだけど
僕は思ったんだ
今僕の周りに居てくれる人
一人一人と
対、人間であり続ける努力を
しなきゃなって
大切な人は本当の意味で大切に
大好きな彼を失わないためには
どうしたら良かったのかな?
なんて何回も考えてる
縁はもうなくなってしまったのに
思い出という形なきものが
ずっと僕の中に大きな巣を作ってる
彼が去り際に僕にくれた言葉は
優しさに溢れてて
でもだからこそ
その言葉が僕を今もまだ苦しめてる
人間って難しいね
これから僕は
対、人間って言葉を忘れないで生きていこうって思って
こうやって形で残したいって思った
それでこの話が誰かの中に
どんな形でもいいから
残ってくれたらなって思ったんだよ
じゃあまたいつか