泣いて笑った謝恩会
謝恩会が無事終了した。実を言えば、形式が立食パーティーとあって、少し不安に感じていた。約3時間立ちっぱなしなのが体力的に不安だったのと、人前での食事に不安があって。
いつからか会食に苦手意識があって、今まで逃げてきた。でも大学の謝恩会になら、出席できるかも。4年間の学生生活を振り返っては、いつしかそう思えるようになった。
そして迎えた当日。都内某所、由緒あるホテルの一角を貸切にして行われた、謝恩会。その空間に入った瞬間、辺りがキラキラと眩しかった。それは物理的に照明が、と言うよりも、周りの人達から放たれるオーラに気圧されて。お化粧バッチリで、袴やドレスワンビースを着こなしている、同級生達。
あ、場違いだな私。
そう思うのに、多くの時間は要さなかった。よくも悪くも普段通りのメイク。それと通常以上の、自信のなさ。内心びびった私は、その場から逃げ出したくなった。でも待てよと。ここから逃げたらこれまでの私と何も変わらないじゃないかと。同じ会食でも、今周りにいるのは、気を許せる人達。もしかしたらそんなに緊張せずに、楽しめるかもしれないよ?頭の中で、私の天使と悪魔が囁きあった結果、その場に居ることを選んだ私。徐々に友達が入ってきて、少し安堵した。
謝恩会で、友達と先生と、写真を撮りたい。私にとっては会食よりも、優先度合いの高かった項目達。結果としては、満足すぎるくらいに、沢山の友達、そして大好きな先生と一緒に、写真を撮れた。友達に対しては、クラスもコースも関係なく、撮りたい人に積極的に声を掛けに行ったり、声を掛けられたりして。異口同音に快く応じてくれたのが、とても嬉しかった。
中には本当に久しぶり…約1年振り?くらいに、顔を合わせた友達もいて。LINEやDMではやり取りしていたものの、直接会えるタイミングが本当に無くて。だからこそお互いに「卒業おめでとう!」の後、目を合わせては「会えてよかったよ!」と言い合った。大好きな友達とのツーショは、ずっと宝物だ。
先生とは、前日の卒業式の時にお会いできず、先生も謝恩会に出席されるから、今日話そう、ということになっていて。先生に話しかけるタイミングを見計らいつつも、中々声を掛けられずにいた私。ちょうど乾杯の合図で、飲み物を取りに行った時に、トントンと肩をたたかれた。振り向くと、大好きな先生だった。どうやら私に声を掛けてくださったみたい。軽く挨拶をし、また後で話しましょうと仰った。嬉しかった。声を掛けてくださったのも、親しげに話しかけてくださったのも、その全てが。
その後、よきタイミングで先生に声を掛けに行った。先生から改めて「卒業おめでとう」と言われて、すごくすごく嬉しかった。大好きな人からのその言葉ほど、嬉しいものは無い。
実は昨日、先生にお会いできなかったため、研究室に置かれている手提げカバン(先生がいらっしゃらない時、提出書類がある場合はここに入れておく為)の中に、一通お手紙を入れさせていただいていて。それを昨日の時点で読んでくださっていて、その話になった。
4年の卒論指導を機に、先生に素を出せるようになったこと。今思えば2.3年の時の私は、先生から見て無理をしていたように見えたこと。4年になって、私が心から楽しそうに話をするようになったこと。それを聞いて、こみあがってくる想いが溢れては、思わず涙が零れた。まさかそこまで、私のことを見てくださっていたことへの嬉しさと、驚き。
その時、たまたま私の隣にいらっしゃった別の先生も、私のことをよく知ってくださっている先生で、「よく頑張ったよ!卒業までこぎつけられて本当によかったね〜!」と仰って。それにもまた泣いた。
その後で先生から、美咲さんの卒論良かったよ、とお褒めの言葉をいただいた。私の書く文章に興味があると言うのか、何か光るものを感じました、と仰っていて。もう本当に言葉に出来ないくらいに、嬉しかった。
実は卒論は「卒業論文」という名目の立派な単位で、卒業必修。その成績が最高評価のSだった。純粋に嬉しかった。
その先生と副査の先生(学科長)のお二方が、私の努力や、作成物の結果に至るまでの過程を、評価してくださったんだ、と思えて。それに加えて、文章が先生的にこれはよかった、と感じられるなにかがあって。全部ひっくるめて、この評価をつけてくださったことが嬉しかった。
最後に先生との、記念すべきツーショも撮れた。先生も私も、満面の笑みで。私は先生の笑顔が、本当に好きだ。見ると安心できるから。これこらも、信頼出来る大人のうちの一人。私はこの先生のこと、人として大好きだ。そう手紙にも書いた。
ほかの先生からも言われたけど、私の強みは「真っ直ぐ」なことらしい。もっとずる賢く生きたらいいのにと仰る先生もいたが、その真っ直ぐさは美咲さんのいいところだよねと仰って。だからこの際、真っ直ぐに気持ちを伝えた。照れとか、今更何も無いから。また大学に遊びに来てね、と言ってもらえた。折を見て、行きたい所存。
そして本当の最後、先生退場の場面でも、大号泣をかました私。後で友達も言ってくれたんだけど、別に永遠の別れじゃないんだけどね。メールもしようと思えば出来るし。ただ本当に、これで一区切りついたんだなあと思って、帰宅後の入浴中に感慨深くなっては、また泣いた。この2日間、私めちゃくちゃ泣いてるなあ。
クタクタに疲れたけど、心がすごく充実した一日だった。
読んでくださってありがとうございます。