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恋するマレー人
日本にいようがマレーシアにいようが恋愛ゴシップは好きなのである。
ここでも人の恋バナに首を突っ込みまくった結果、最初は不思議でならなかったマレー人の恋愛観がわかってきた。
マレー人の恋愛観には宗教が大きく関係してくる。
実は一概にイスラム教と言っても、全員が全員敬虔なイスラム教徒というわけではない。
それはどんな宗教でも同じだと思う。
私の友達は両極端だ。
1人は敬虔なイスラム教徒。
ヒジャブはもちろんだし、ハラールマークの無い店では何も口にしない。礼拝の時間になると「じゃ、行ってくるわ!」と颯爽と消える。
1人は「お前は本当にムスリムか」と突っ込みたくなるような格好で、豚肉も食べるしお酒が大好き。大事な儀式のときにしかヒジャブを被らない。
同じイスラム教でもこんなに差があるのが面白い。
それによって恋愛観も変わってくる。
「イスラム教の人って付き合っていいの?」
これは、もちろん!と女の子全員がYESだった。けれどもなんともびっくりしたのは次の質問の答え。
「手とか繋ぐ?」
"絶対繋がない!付き合っても、結婚するまではダメ!"
なんということだ。
反射的に「うそやん、隠れて繋ぐに決まってるやん」と言いそうになったが、彼女の純粋な目を見て口を閉じた。
いや、小さい声で「No way..」とは言った。
確かに、元々男性がムスリムの女性に握手を求めることは厳禁だし、どうしても握手が必要なときは手袋をはめたりする。
その子たちによると、アクシデントで手に触れてしまうのは仕方ないが、自分から繋ぐという行為は禁止らしい。
そしてデートはカフェでおしゃべりしたり、一緒に散歩したりするのが憧れだそうで。
一緒に旅行に行っても、結婚するまで寝室は別だそうで。
なんてピュアな世界。
まるで心が洗われるようです。
でもよく聞いてみると、なあなあになっている部分はあるらしい。公の場では言えないけど、隠れて手を繋ぐ、という子も。
確かに、夜道をこっそり手を繋いで歩いていたヒジャブの女の子を目撃したこともある。
もちろん「そんなの全く気にしないよ!」という、超絶フレンドリーで男の子とハグしちゃうような子もいる。
16億人のムスリムがいれば、16億通りの信仰の仕方がある。
つくづくイスラム教、マレー人って面白いなと思う瞬間である。