【SEOのプロが解説】PVと収益を爆増させる!ヒートマップを活用し回遊率を上げるテクニック
こんにちは。株式会社ネクストレベルのWEBメディア事業部のマネージャーをしています、白崎 萌です。
前回、ヒートマップの分析手法や思考をちょこっと紹介した記事を投稿したのですが、いろいろな方々に読んでいただけたようで、WEBマーケに興味がある人の多さを体感しています。
さて、今回は、「PVを伸ばす」を目的とした回遊率の改善事例を紹介していきます。
「PV」とはWEBサイトにおける一つの指標
そもそも、「PV(ページビュー)」はWEBサイトにおける訪問数(来客数)を表す指標です。PV以外にも「UU(ユニークユーザー)」や「セッション」という指標もあります。
ショッピングモールで例えると、UUはそのモールに来た人で、PVはモールの中で来店した店舗数のイメージが近いです。
1店舗だけ見る人もいれば、3店舗、5店舗といろいろな店舗を見ていく人がいるように、WEBサイトでも1ページで離脱する人から複数ページをみていく人までさまざまです。
この「PV」を増やす方法としては、以下の2つがあると思います。
(1)モールへの来客数を増やす。つまり、ユーザー数も一緒に増やす。
(2)一人当たりの来店店舗数を増やす。つまり、いろいろなページを回ってもらう。
(1)に関しては、集客自体を頑張らなくてはいけないため、SEO対策や広告出稿、SNS流入など、難易度が高く、コストや時間もかかる方法です。一方で(2)に関しては、サイト内の動線を改善していくだけなので、今日からできる改善施策です。
モール内のお店で例えるならば、店頭でお客さんの呼び込みをしたり、別の店舗で使える割引チケットを配布したりするイメージですね。
PVを増やすために「回遊」をあげていく
WEBの話に戻りましょう。
一人のユーザーが複数のページを見て回っていくことを、「回遊」といいます。お魚がふよふよと動き回るように、ユーザーもサイト内のいろいろなページを動き回っていくイメージです。
先ほど説明したように、一人当たりのPVを増やすためには、この「回遊」をどう増やしていくかがポイントとなっていきます。
例えば、月間5万UUのWEBサイトの場合、一人当たりのページ閲覧数が1.5になるだけでPVは7.5万まで増えます。
2.5万というPVをUUから増やそうと考えるとどうでしょう。広告出稿で増やそうとすると、クリック単価×2.5万ものコストがかかります。1クリックあたり50円で125万円。
また、回遊した後にCVをする確率が3%だった場合。増加した2.5万PVの3%であったとしても750件です。たかが回遊、されど回遊。PVを増やすメリットはご理解いただけたかと思います。
SEOメディアの回遊率は低い。だからこそ!
実は、SEOメディアは全体的に回遊率は低いです。なぜなら、検索での流入は、たまたま検索結果で見つけた記事として読まれるため、今知りたいことを知ることができれば、目的は達成できて満足してしまうからです。
さらに、近年のSEOでは1記事の文字数も増えている傾向にあるため、そもそも最後まで読んでもらうこと自体が難しく、記事の途中で離脱してしまう割合が高いです。
※ちなみに、メディア名の検索を起点にして読み始めるような、WEBマガジン化したメディアの場合、回遊率は高くなります。
こうした、回遊を発生させづらいSEOコンテンツで回遊率を上げていくためには、ユーザーニーズを紐解き、”読者が思わず読まざるを得ないリンク”を、記事中のあちらこちらに設置するしかありません。
これを実現するために、ヒートマップを使いながらどこにどのようにリンクを設置していくかを決めていきます。
ということで、前置きが長くなってしまったのですが、PVを上げるための回遊率改善の流れを3つの事例をもとにご紹介します。
目指すべきところは単なる「PV増加」ではなく、ユーザーが行動するコンテンツづくりである
私は、普段からWEBメディアの改善において最も重要だと考えているのが、「ユーザーが行動するかどうか」です。
なぜなら、ユーザー行動がSEOにおいても集客においてもプラスに働くからです。「PVが増えた」というのは、ユーザーが行動した結果が数値で表れているものだと考えています。
ユーザーの悩み解決のために行動を考える→その行動がSEOでプラス評価をされる→結果的にアクセスの増加×CV行動により、収益が倍増していく。
「ユーザーが行動すること」を起点にポジティブなサイクルが回っていくと考えています。
ということで、キャッチーに「PV爆増!!」なんて書いてしまいましたが、根本的な目的であるユーザーを行動させるための内部リンク設置という観点で解説を進めていきます。
ケース1:「知りたいこと」の解答を冒頭に持ってきてクリック率40%アップ
今回のケーススタディをまとめるにあたり、0%から爆発的に改善した記事を探したところ、リンクのクリック率が40%まで上がっている記事があったので、まずはこちらを例に解説をしてみます。
▼対象の記事はこちら。
スタート時はリンクが一本も設置していない状態でした。この状態で私が一番初めにやるのは、ユーザーが求めている情報が何かを知ることです。
検索では何かを知りたい「解答」が存在しています。コンテンツを制作するときは想像で解答を考えますが、答え合わせ用にヒートマップを使っていきます。
これは前回のヒートマップ分析テクニックの記事でも書きましたが、ユーザーニーズが顕著に現れるのは、目次のクリックマップです。
改善前の記事構成では、”結婚相談所をおすすめする理由”から入り、その後に具体的な相談所サービスを紹介するような流れになっていました。
ですが、目次のクリック率を見てみるとおすすめの理由なんてものよりも、具体的なサービス名のクリックが圧倒的に多かったんです。
当初は、結婚相談所の利用はハードルが高いものだから、そもそも相談所がなぜ良いのかから解説をすべきだと考えていたのです。
ですが、蓋を開けてみると、なぜ相談所で婚活するのが良いかなんてことよりも、「自分の年齢層に合う相談所のサービス名を教えてくれ」というのがこのKWにおける「解答」だったわけです。
もしかすると、既に相談所について色々と調べ尽くした結果、一般的に紹介されている相談所は自分に合わないと感じ、中高年に特化したものを探している人が多いのかもしれません。
であれば、と考え、結論として先に具体的なサービスを比較できる一覧表を持ってきたところ、ページのクリック率は41%もアップしました。
「具体的なサービスを知りたい」という欲求が現れているキーワードはコンバージョンが期待できるワードです。実際にこの記事もこの改善によって毎月収益を生み出すページに変身してくれました。
このように、私たちが想像していた「解答」とユーザーが求める「解答」のすり合わせを行い、行動につなげていくために、ヒートマップを活用することができます。
ケース2:ユーザーの次の行動を見据えて先回り内部リンクを設置する
ケース1ではアクセスしたユーザーが知りたい答えを早くに紹介し、離脱する前に行動を起こさせ、クリック率をあげていくという考えでした。
別のアプローチ方法として、「次の行動を見据えた提案リンク」という考え方もあります。
ケース2の事例はこちらの記事。
「マッチングアプリで1通目のメッセージの送り方」がコアテーマになっている記事です。
この記事を読みにきた人のカスタマージャーニーを考えてみると、
(1)マッチングアプリでメッセージを送るもなかなか返信がこない
(2)メッセージが返ってくるにはどうしたら良いかを学びたい
(3)検索で当記事を読みにくる
(4)1通目のメッセージのコツを理解して実践しようと行動する
ここまでが記事を読むまでのユーザーの心理と当記事における目的になると思います。
これらは、キーワードから考えることができますね。なおかつ、ユーザーが求める「解答=メッセージのコツ」も記事の早い段階で提示ができている状態です。
そして、多くのSEO記事は、キーワードニーズを満たした段階で記事が終了するのですが、考えるべきなのはこの記事を読んだ後の未来。
つまり、1通目のメッセージがうまく送れるようになったら、次は2・3通目とメッセージを続けること。さらに、デートのお誘いをして直接会う流れを作ること。
これが、ユーザーが次に目指していく未来だということまで、1つのKWから想定をしていかなくてはいけません。
ここから「リンクの提案」をするなら、何を提案するでしょうか。
私は、1通目のメッセージを読んでいるこの段階で、2通目のコツを読んでおくべきだと説得し、記事へ誘導する。
2通目のコツを読んでいる中で、デートの誘いの記事を読むべきだと誘導をする。
このような流れで記事同士を連鎖させていこうと考えました。
この記事の実例で言えば、以下の箇所が該当部分ですが、リンク設置によって、アテンションユーザーのうちの30%以上が次の記事を読みに行ってくれました。
もちろん、どのタイミングで設置をするかも重要です。まだこの記事を読みたいと感じる段階ではクリック率は上がりませんし、逆に回答に満足しきった後だと、その前に離脱するユーザーも多いため、PVをベースとしたクリック率は伸びません。記事のキリの良いタイミングで上手に誘導をしていくことが重要です。
上記のように、自分のサイトにきたユーザーを「再検索させない」作りがポイントになってきます。
こうした設計をするためにも、キーワードを基点としたユーザー像の深掘りは超!重要なわけです。(ユーザー像の深掘りについてはまたいつか別の記事で書いてみようと思っています。)
ケース3:「少数派ユーザー」を取りこぼさない
SEOではさまざまなバックグラウンドを持った人々が記事を読みにきますが、コンテンツ内容は多数派が知りたい内容の解説記事になると思います。
例えば、「彼氏へのプレゼント」というキーワードであれば、アクセス者の多数は女性だと推測ができます。ですが、男性から男性へのプレゼントの可能性もゼロではないため、少数派としては男性もいるわけです。
この、少数派アクセスもチリも積もればで、馬鹿にできません。そこで、冒頭で少数派への案内を入れて取りこぼさないようにした実例を解説します。
今回の解説はこちらの記事で。
基本的にマッチングアプリは男性の方が攻略が難しいと言われているため、男性を多数派ターゲットとしています。ただ、女性でもマッチングアプリの攻略を検索する人は存在していて、男女比で言うと男性が75%、女性が25%です。
どちらをメインとするかで考えれば、圧倒的に75%の男性です。が、25%でもアクセス母数で考えると、1万UUであれば2500UUです。これも手放すには勿体無い数値です。
そこで、少数派ターゲット向の記事を作り、記事の冒頭で内部リンクを設置しました。
結果として、アテンションユーザーのうち約13%がクリックをしてくれていました。女性母数の25%のうちの13%と考えると、少数派を漏らさない意図では十分成功だといえますね。
内部リンク設計は収益にも貢献する
弊社では、各ページの回遊率もすべて数値化して見れるようにしています。そのため、UUが多いページから優先して回遊率の改善をしています。
注目すべきは、流入ページではCVが発生しない場合でも、回遊先でCVが発生するケース。
例えば、売上上位のページの流入内訳を見ていくと、検索が8〜90%、回遊が10~20%の割合となり、回遊ユーザーからもCVが発生しています。
つまり、内部リンクの設計を丁寧に行い、収益を出せるLPへの流入を増やすことで実際に収益がアップしていくというわけです。
自分の力だけではどうにもできないSEO対策とは違い、内部リンクの設置はやればやるだけ目に見えて数値に現れます。
今回ご紹介した考え方は、たとえヒートマップがなくても自分の脳みそ一つで実践していくことができるものですので、今日からぜひ試して見てください。
★一緒に働く仲間も募集中★
詳しくはこちら。
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★筆者プロフィール
株式会社ネクストレベル メディア事業部 白崎 萌
WEBメディア運営/SEO /LPO /コピーライティング/WEBライティング/アクセス解析を担当。
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