『フィンランドで実現したい100のこと』#005
#005 フィンランドのデパート、STOCKMANNで優しさを分かち合う
こんにちは
フィンランド大好き、moeです。
フィンランドで実現したい100のこと、
5つ目のお話。
今回は、少し長い文となりますが、
お付き合いいただけたら、嬉しいです。
フィンランドには「STOCKMANN」という名前の、
老舗のデパートがあります。
ヘルシンキを訪れるたびに、
目的は無くても一度は行ってしまう、
私の大好きな場所の一つです。
中でも私が特に好きなのは、
出入り口の扉と、
地下の食料品フロアです。
STOCKMANNの創業は1862年。
ヘルシンキ本店は、1930年に建設されました。
本店はその長い歴史の中で、拡張や改装を経て、
現在の姿になりました。
威厳のある佇まい。
使い込まれた、金色の手すりの付いたガラス扉。
キャッシュレスや、リモートワークなど、
地方都市までしっかり整備がなされている、
IT先進国フィンランドにも関わらず、
手動の扉。
そういえば、
中央駅や、アカデミア書店、
マーケットホールなど、
歴史のある建物の扉は、同じく手動の開き戸です。
ふと、日本でも歴史のある建物の入り口などは、
自動化されていないところも多い、
と気が付きます。
国は違っても、歴史を持つものを大切にしたい、
という気持ちを持つことは、一緒なのですね。
そして、こういった扉の前で見かける、
助け合いの優しい光景が、とても好き。
ベビーカーを押すお母さんや、大荷物の男性、
スーツケースをひく旅行者にも、
フィンランドの人たちは、等しく優しい。
扉の前では、優しい笑顔の、花が咲きます。
これは、日本でも、たくさん見られる光景です。
でも、最初にこの光景を、
私に気づかせてくれたのは、
STOCKMANNの扉だったのだと、感じています。
だから、私にとって、STOCKMANNの扉は、
特別な扉です。
もうひとつのお気に入りスポットは、
地下の食料品フロア。
特に、お総菜コーナーが好きです。
初めて、フィンランドへ一人旅で訪れたとき、
最初の晩ごはんは、このSTOCKMANNの、
お惣菜とパンでした。
英語さえままならない、
初めての海外一人旅でした。
不安でドキドキする気持ちと、
フィランドのミートボールを食べてみたい!
というワクワクの気持ちだけを、
心のよりどころにして、
「フィンランドのデパ地下で、お惣菜テイクアウト」
というミッションに、一人挑戦しました。
フィンランドでは、番号札を引いて、
順番が来たらオーダーをします。
日本の郵便局のようですね。
ドキドキしながら順番を待ちました。
私の番号が、電光掲示板に表示されて、
胸の鼓動がポーンと、大きく跳ねます。
色とりどりの美しいお惣菜が並んだ、
ガラスケースの向こうにいる、
ブロンズの髪のお姉さんに話しかける時、
ドキドキは最高潮です。
そして、ワクワクも最高潮ですので、
不思議と私の表情は、加速する鼓動に反して、
満面の笑顔になってしまいました。
美しいお姉さんは、
私の片言の英語と、指さしを頼りに、
私のオーダーに一生懸命応えてくださいました。
その後、ホテルで食べたこのミートボールが、
とても美味しかったのを覚えています。
*クリスマスの時期にはイルミネーションにワクワクします*
そして、お姉さんの優しさと、
ミッション成功の喜びと、
ミートボールを食べられる事への高揚感からくる、
ありったけの感謝の気持ちを
「Kiitos!」
の一言にサラリと乗せるには、
この時の私にはあまりに難しかったので、
思わず、「ありがとう」と、
軽くお辞儀までしてしまったことは、
ここだけの話です。
私がまたフィンランドへ行けたなら、
STOCKMANNの扉を、
誰かのために、開けてみたい。
一緒に笑顔になりたい。
そんな光景を、もう一度見たい。
最初のドキドキワクワクを思い出しながら、
またミートボールをオーダーしたい。
そして、「何年も前に食べたこのミートボールは、
人生で一番美味しかったよ。もう一度食べることができて、嬉しい。」と、
ブロンドの美しいお姉さんに伝えたいのです。
今日も、一緒にワクワクを感じて下さって、
ありがとうございました。
moe
現在、STOCKMANNは、
コロナウィルスによる経済的なダメージによって、
深刻な危機を迎えています。
いま、私に何ができるのでしょうか。
いつも自分に問いかけています。
今回のトップ画像は、
フィンランドのニュースサイト「yle」よりお借りしました。
参考HP https://yle.fi/
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