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「自分でキャリアを決めるんじゃない」  転職した先輩にある日言われた衝撃の一言

はじめまして。

「自分軸で生きられる日本を作り、日本の精神的貧困をなくす」

ざっくりといえばそんな夢を抱き、7年間勤めた会社をやめ、2022年4月からデザイン系の大学院に通います。

日々あった忘れたくないこと、読んだ本、大学院での学びなどを書き留めたいと思い、noteをはじめました。
共感する仲間や、お仕事につながる出会いなどができたら嬉しいなと思っています^^

今日のテーマは「『自分でキャリアを決めるんじゃない』 転職した先輩にある日言われた衝撃の一言」です。

「いやいや、転職してる時点で自分でキャリア決めてるじゃん」

というツッコミもありそうですが、実際にある日私が言われた言葉です。本当に何気ない会話の一部だったのですが、今でも心に残り、考えさせられた言葉です。そのエピソードをご紹介します。

京都旅行中、突然かかってきた電話

2020年秋。

コロナ禍が少し落ち着き、Gotoトラベルも始まり、人の移動の自由が戻ってきた頃だった。その夏退職した父の退職祝いとリフレッシュを兼ねて両親と一緒に京都を訪れた。

あるお寺を参拝しようと道を歩いていたとき、LINE電話がかかってきた。相手は、数年前に会社を辞めた、10歳ほど年上の先輩だった。

「もしもし?久しぶり。ちょっと聞きたいことがあって。〇〇の案件のお客さんの名前なんだっけ。その会社の別の案件の提案に行きたくて、ツテがないから〇〇の案件のお客さんにあたってみようと思うんだけど。」

「ああ、それなら△△さんですよ。異動してしまってるかもしれないですが。私も事業部を異動してしまったので、詳しいことはわからないです。」

「おお、ありがとう。え?異動したの?今何やってるの?」

「はい。やりたいことがあって探していたら、面白そうな部署があったので、誘ってもらって。上司を説得して、異動させてもらいました。」

「そうなの?もー、相変わらずわがままだね。自分の意志でキャリアを決めるんじゃないよ。」

そんな会話をして、また飲みに行きましょうねー、みたいな話をして、電話を終えたように思う。

「『自分でキャリアを決めるんじゃない』か…」

私のなかでは、もやもやが残った。

環境は人を変える。よくも悪くも。

先輩は、コンサバとは対極なタイプの人だった。

上司や同僚の考えもバサバサと斬り、自分で道を切り開いていくタイプの人だった。そんな姿勢を尊敬して、新入社員時代に「尊敬する先輩にインタビューしてみよう」という課題が与えられた際、私はインタビュー対象者として先輩を選んだこともある。

ただ、望んでいなかった地方転勤、管理職試験の不合格、しまいに東京に戻る際、当初の約束とは異なる不本意な部署に戻された結果、会社をやめ、同業他社に転職したのだった。

そんなふうに「自分の意志」を会社に裏切られ続けた先輩だから、私にもそのようなことを言ってきたのだろう、と思った。

でも、ここ数年で時代は変わった。

いよいよ終身雇用が当たり前ではなくなり、会社がキャリアを主導するのではなく、自分の希望やスキルに合った場所を選びキャリアを切り開いていくべきだ、という個人主導のキャリア形成が大企業でも叫ばれるようになった。

私の会社は、それを急激なスピードで推進していた。社内転職サイトのようなものがあり、希望に合わせて応募することができ、社内異動が加速していた。

一方で、先輩の話を聞く限り、先輩の会社ではまだまだ会社がキャリアを決めることが普通だという。さらに、転職先の決め手として「役職定年になっても出向先として全国関係会社があり、55歳を超えても年収1,000万以上の維持ができるから」と言っていた。

新入社員時代に憧れを抱いていた先輩の面影は、どんどん薄れていく気がした。

環境は人を変える。

私は、会社が個人主導のキャリア形成を推進していたおかげで、自分のやりたいことや進みたい方向性に向き合う機会が増えた。自分の目指したい方向性を話すと、周りの人がおすすめの部署を紹介してくれた。私の異動に向けて動いてくれる人がいた。

先輩は、理不尽な人事異動に不満を言いながらも、耐えていた。結果転職したが、転職先でも馬の合わない上司に耐え(その後変わったそうだが)、定年という「ゴール」を目指して働いている。

一方、私は会社をやめ、一時的にほぼ無収入状態になった。

先輩は60歳まであと約20年間、年収1,000万円を貰い続けるのだろう。運よくそのまま制度が続けば、だが。

人は何歳からでも変われる。良くも悪くも。そして大きな要因は、環境である。

理想とする人が集まる環境に身を置こう。
週に1日でも、数時間でもいい。

これは個人的な価値観だが、時間がもったいないと感じること(頻繁な飲み会、スピード感のない仕事、旦那の愚痴を言い合う女子会…など)、尊敬できる人がいないところで仕事をすることは耐えられない。

お金を稼ぐ手段はいくらでもある。でも、人生の時間は増えることはない。

いろいろなところで目にすることも多い「死ぬ瞬間に後悔する5つのこと」では、後悔することは以下の5つと言われている。

・自分に正直な人生を生きればよかった
・働きすぎなければよかった
・思い切って自分の気持ちを伝えればよかった
・友人と連絡を取り続ければよかった
・幸せをあきらめなければよかった

『死ぬ瞬間の5つの後悔』

「もっとお金を稼げばよかった」や「辛いことを耐え忍べばよかった」や「嫌なことを我慢すればよかった」などという言葉はもちろん見当たらない。むしろその逆の言葉ばかりだ。

こうした人生を送りたいと願うならば、こうした人生を実践している人たち、実践しようと挑戦している人たちとともに時間を過ごすようにするべきだと思う。なぜなら、環境は人を変えるから

「環境は人を変える」というのは先輩のエピソードの通りだし、きっと誰もが「しばらく会わないうちに、話が合わなくなっちゃったなぁ」と感じた経験を持っていると思う。

環境を変えることは簡単なことではないと考える人もいるだろう。誰もが簡単に会社をやめられるわけではないし、どこかに移住したり、留学したりすることももちろん簡単ではない。

でも、そこまで大胆に行動する必要はない。

例えば、週末に尊敬する人が集まるイベントに行ってみる、オンラインセミナーや動画を視聴してみるなどでも良いだろう。そんなことまでしなくとも、本を読んでみるとか、SNSでそうした人をフォローして考えに触れてみるだけでもいい。

インターネットやSNSの普及で、世界各地の人や考え方をますます簡単に知ることができるようになった。まずは週に数時間でも、そうした時間を作り、環境を変えてみることが大切だ。

そして、最後に言いたいことは「自分でキャリアを決める」ことは間違ったことではない。むしろ、「自分でキャリアを決める」べきだ。

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