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アフリカが毎日わたしを泣かせてくる
世界一周の3ヶ月を過ごした、東〜南アフリカ。
そこでの日々は、
決して楽しいことだけではありませんでした。
物売りにキレちゃった日
アフリカでは、今まで訪れたどの大陸よりも
たくさんの物売りや物乞いに遭遇しました。
タンザニアはザンジバル島の
ストーンタウンを歩いていた時のこと。
お土産屋さんが立ち並ぶ市場で、
一人の男性に声をかけられ
すぐそばにある彼の屋台を見に行くことに。
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「買わなくていいから、ぜひ見てほしいんだ。」
そんなはずないとはわかりつつ、
純粋に興味があったので見てみることに。
面白いものはたくさんあったのですが、
価格設定はなかなか強気。(2,000円〜)
「割引するよ!いくらなら買ってくれるの?」
そもそも欲しいものがなかったので
買う気を見せなかったわたしに対し、
彼は自分の家族の話をし始めました。
「このお店は父と一緒に営んでいるんだ。
生活がとても苦しくて。わたしたち家族を助けてほしい。」
「君は日本から来たって言ってたよね?
日本やヨーロッパでは、人生は楽だよね。
でも、ここではとってもハードなんだ。」
毎日同じような話を聞いていたわたしは、
この時ばかりは耐えられなくなってしまいました。
「人生が楽な国なんてないと思うよ。
なぜわたしがここにいるのか?
それは、毎日必死に働いたからなんだよ。」
アフリカに入ってから飲み始めていた
マラリア予防薬の副作用で
イライラしまくっていたこともあり、
わたしはこんな発言をしてしまいました。
彼は、それ以上何も言ってきませんでした。
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帰り道、うなだれて下を向くと、
そこではわたしの
「iPhone14pro」が揺れていました。
なんであんなことを言ってしまったんだろう?
働く機会に差があることなんて明らかなのに。
でも、、、
出会う人全員に同じことはできないし、
わたしの予算にも限度がある。
それに、、、
彼らが朝から椅子に座っているだけなのもまた事実。
やっぱりお金って、
どのくらい人の役に立っているのか?
で生み出されるものだと思う。
でも、、、
せめてその時自分ができることって、
何かあったはずだよね。
結局、最後は自分を責めざるを得ませんでした。
ホームステイで感じた光と影
タンザニアでは、
とあるファミリーのもとで
2週間ほどホームステイをさせてもらいました。
パパとママ、そして3人の子供たちは
とっても温かくてフレンドリーで、
泣きそうなくらい幸せな毎日でした。
でも、何とも言えない
感情になることもしばしば。
ファミリーのもとでは、
計4人のお手伝いさんが住込みで働いていました。
一番若い子で13歳、上の子で30歳。
みんなママを慕っていて、家族も同然でした。
ある日の週末、ママと子供たち、
お手伝いの女の子ひとりとわたしで
街へ出かけ、地元のレストランでランチをしました。
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ママがわたしに頼んでくれたのは、
チキンピラフとフルーツスムージー。
食べきれないほど大きなピラフでした。
その横でお手伝いの子が食べていたのは、
お皿に盛られたポテトのみ。
ドリンクは瓶のファンタ。
ピラフをシェアしたかったけど、
ママの前でそれをやるのは憚られました。
ママはお手伝いの子たちにも本当に優しいし、
彼らには家庭内暴力を受けていたり、
若くして出産したけどお金がなかったりと、
それぞれに事情があって。
正直もうこれ以上人手はいらないのに、
ママが彼らを受け入れているんです。
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そんな彼らにとっては、
こんな素敵なママとファミリーのもとで暮らせることが
以前の暮らしよりどれだけ幸せか。
ポテトとファンタだって、とても贅沢なはず。
でも、ピラフを食べている時、
その子の視線を何度も感じたんです。
生活水準が上がれば上がるほど、
人はもっと多くを求めてしまうはず。
2歳になる長女が毎週ドレスアップする姿は、
彼らの目にどう写っているんだろう。
勝手にあれこれ想像してしまいました。
ホームステイ最終夜、
わたしはお手伝いの子たちそれぞれに
気持ちばかりのtipを渡しました。
これからも、ファミリー全員が
笑顔で暮らせますように。
異常な利益と半強制tip
タンザニアでは、
夢のサファリツアーにも参加!
恐竜時代を連想させる広大な野原を
野生のゾウやシマウマ、
ライオンたちが歩く姿は本当に圧巻でした。
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しかしながら、
タンザニアのサファリツアーはとっても高価。
1泊2日で約600ドル(9万円)越えという、
現地の物価とはかけ離れた価格設定でした。
では、どうしてこんなに高いのか?
「moe、一緒にサファリツアー会社をやらないか?
日本人観光客をもっと取り込みたいんだ。
タンザニアのツーリズムはとんでもない儲けになるよ!」
そんな誘いをしてくれたタンザニア人の友達が、
その答えを物語っていたように思います。
情報が少ない&不安も多いアフリカでは、
まだまだ観光客は現地のツアー会社頼み。
そうなると、言い値でいくらでも高価にできるんです。
百歩譲ってそれは仕方のない現状だとして……
わたしが疑念を抱いたのは、
利益が公平に分配されていないのでは?という点。
サファリツアー中は、
ツアー会社と提携しているロッジ(宿)に宿泊。
そのロッジのスタッフからは、
半強制的に1,500~2,000円のtipを要求されました。
「君たちがツアーで払ったお金は私たちには入らない。
夜ご飯調理代として、tip12ドルを払ってください。」
※宿泊費も食費も、本来はツアーに含まれている。
彼らの身なりを見ても、
ツアー会社のスタッフ陣ほど
豊かな暮らしをしていないことは
容易に想像できました。
サファリカーのレンタル費や
ガソリン代などをざっと計算しても、
このツアーの利益は十分すぎるほど大きいはず。
なんせ、参加者は8人。
そしてツアー会社のオーナー勢は、
小さな村の大きな豪邸で裕福な暮らしをしながら
次のビジネス計画を練っている。
再びモヤモヤが募りました。
「貧しさ」にフォーカスが
当てられがちなアフリカだけど、
たぶん、わたしたちが思う以上に
ビジネスチャンスもたくさんあって。
(もちろん、簡単なことではないし
様々な事情もあるけど)
でも、それがさらに貧富の差(というか力の差)を
生んでしまっているようにも思えました。
観光客が払っているVISA代も、
ちゃんと国や国民のために
使われてたらいいなあ。。。
「友達」だと思ってたのに
アフリカで悲しかったことの一つがこれです。
フレンドリーな人は多かったけれど、
蓋を開けてみたらお金目的だった、
ということも少なくありませんでした。
街を歩いていたら話しかけられて、
お互いの国の話をしながらお散歩。
5分ほど歩いたら、「tipは?」の一言。
道端で1時間ほどおしゃべりした相手から後日、
「スマホが壊れてしまったから買って欲しい。
君は日本人だよね?ありがとう!」のメッセージ。
無理だと伝えると、
それ以降は一才連絡がこなくなる。
わたしが無知すぎたなあとも反省しつつ、
やっぱりすごく悲しかった。
深く考えすぎずに
tipを渡してればよかったのかなあ。。。
わたしが相手に
純粋な友人関係を期待しているのと同様、
向こうもわたしに違ったことを
期待しているんだろうなあ、とも。
バックグラウンドが大きく異なる分、
自分の価値基準が通用しないことが多く、
理解や整理にとても時間がかかりました。
とまあ、
アフリカ旅では喜怒哀楽がずっとぐるぐるしていました。
特に「哀」かな。。。
いずれにしても、
何事にも絶対的な正解や物差しはないので、
自分の価値基準を押し付けない人であろう、
そう強く思ったのでした。
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