夫の死亡を報告せずに提供精子で妊娠した事例〜無精子症の夫を持つ妻として感じたこと〜
よくもまあこんなことしてくれて。
これが最初の感想です。
生殖補助医療のなかでも提供精子に関する法整備は大きな論点のひとつになっているにもかかわらず、第一線であるはらメディカルでこのような事件が起こってしまうと、わたしたちのように提供精子がなければ子を授かることができない者の人権が保証されていない法律が成立しかねません。
提供精子に関する明確な法律がない今
医療機関が定めた厳しいルールに従うことに同意することでようやく治療を受けることができます。
このルールは医療機関がわたしたち患者だけでなく、将来生まれてくる子ども、そして精子ドナーを守り、わたしたちの望みを実現するために定めてくださっているものなのです。
だからわたしたち患者がルールを守ることが、未来の子どもを守りドナーの方への感謝を示すことにもなる。
将来精子提供を受ける身として、そういう役割も果たしているとわたしは認識していました。
この方は意図を理解していたのかな。
たったひとつの大きな嘘が、
同じ想いを抱えた人間や命を分けてくださったドナー、強く望んだであろう我が子までもを不幸にしかねないリスクがあるということを。
こんな人がいてしまう現実が本当に悔しいし悲しい。
どうかどうか、法整備がおかしな方向にすすみませんように。