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ローランド “SPACE ECHO”
Roland RE-201 SPACE ECHO (1974)
RE-201はテープレコーダーの仕組みを利用して、物理的にエコー効果を作り出す機材。内部にエンドレスで回転する磁気テープが仕込まれていて、録音した音にエコーをかけることができるというもの。
テープエコーと呼ばれるもので、録音ヘッドの後に並んで3個の再生ヘッドが配置されているもの。再生の時間差をつくることで山びこのような表現となって出力されるという仕組み。
電気信号化して効果を得る「アナログ・ディレイ」以前の、いわゆる「空間エフェクター」の元祖だ。
原始的な機械仕掛けゆえに、消耗と劣化が激しい。だれど、ノイズが入ったり、テープが伸びたりして偶発的に生じる音の歪みなどの効果がむしろ面白い!と、現在でも人気の機材となっている。
近年ではニルス・フラームというドイツの音楽家が、RE-201の後継機RE-501を使ってライブパフォーマンスを行っていたのが印象的だった。
カバーを開けた状態で内部を操作し、再生ヘッドを手で直接触れたりしてテープ速度を変えて音を歪ませるなど、まるで楽器のように操り、アナログならではの面白い使い方をしていた。
アーミーグリーンとブラックという、軍モノの無線機のような音楽機材らしからぬハードボイルドなルックスもなかないい。ラック部分の質感を表現してみた。
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