音楽レーベルオーナーが派遣トラックドライバーになった話。
あけましておめでとうございます。
はじめましてマットです。今日やっと初投稿です。
noteって何ぞや?って皆さんの記事を覗きながら興味深い記事ばかりで読む専門になってましたが、ボチボチ始めようと思います。
はじめに。
2007年に自分の音楽レーベルを立ち上げてから13年。ミュージシャンのプロモーションをはじめ、音楽を絡めた企業様イベントや地域おこしイベントの企画、各種パーティーや結婚式への音楽の派遣、イベント音響のオペレート業務等「音楽」を絡めた仕事をやってきました。
色々な収益の柱を作っているつもりだったんですが。。すべてにおいて、人が集まる・人を集める事を前提としたものなのでリスクの回避が出来ませんでした。
今年、コツコツ積み上げてきたものが全て奪われましたが、初心に戻り動き出そうと思います。
自己紹介。音楽レーベルを始めた経緯
僕自身もバンドマンとして活動していた頃、全国色んな所で色んなミュージシャンと出会う中で思ったのが「こんなに全国にはカッコいいバンドいるんだな!」って事でした。
そんな中どこにも所属せずに活動を続け、実力があるにもかかわらず自分たちの力だけでは広めていくことが出来ず、結果活動をやめてしまう同志達の状況を見るたびに、残念でモヤモヤした想いを抱えており、この多くの才能が埋もれるのは勿体ない!もっと知って欲しい!と思い動き出したのが始まりでした。
お金もコネも音楽業界の仕事もしたことないただの素人が、ただこの音楽をもっと知って欲しいという想いだけで始めた活動も、気付いたら13年。。
最初は、各地に散らばるバンド仲間を中心に、地元でイベントを開催し200~300人を集客できるライブハウスシーンでは名実ともに力のあるバンドをメジャーに紹介するスカウトマンから始めました。
何組のアーティストを紹介しただろう。50組くらいか。
結果、全く引っかからずに撃沈。委託を受けてた会社に「結構自信持ってお薦めできるバンドばっかりなんですが、何がいけないんでしょうか?」と尋ねたところ、小さなシーンで活躍できても大衆性・時代性を感じないという事でした。
小さな所で燃え出した火を大きくしていくのがメジャーじゃないの?と思ったけど、その当時求められていたものは違ったみたいでした。ちなみにその当時求められてたであろう音楽がこちら
翌年にブレイクして、そこからR&Bのクラブシーンが盛り上がっていく。
Hi-STANDARDの活躍で一気に流行ったメロディックパンクバンドシーン。一時期は集客しなくてもお客さんが集まるくらいイベントが盛り上がってたんですが、流行って怖いね。なんでお客さんが来てくれてたのか、なんでお客さんが来なくなったのか、多くのバンドマンが分からないままライブハウスからお客さんは去っていった。
その後、力ある人のさじ加減や誰かの意向で人生決められるのではなく、自分の力で自分が良いと思った音楽を発信したいという想いで音楽レーベルをスタートさせる。
音楽レーベル立ち上げからコロナ前まで
ライブハウスからお客さんがいなくなったこともあり、ライブハウス以外の場所(路上・カフェ・インストアなど)でも活動出来るアコースティックを主体としたアーティストをリリースし始める。
始めた当初はまだCDもなんとか売れておりマネタイズ出来てたのですが、2年目、3年目でCDが段々と売れなくなっていき行き詰ることに。
アコースティックを主体としているアーティストばかりだったので、CDショップでCDが売れなくても路上やライブで売れるんですが、そうなってくると、もはや自分の存在って意味あるのかと考えだしました。
アーティスト自身で売れる範囲以外に広げていく業務をレーベルが受け持つわけですが、CDショップで売れないなら意味ないわけです。
そこで次にたどり着いた方法が、プロモーションを行いアーティストをブランディングしてライブ集客を増やしたり、企業イベントや地域おこしイベントへ音楽を絡めた提案をする、各種パーティーや結婚式へ演奏家として派遣する、企業CMソングを作るというものでした。
しかし自分の存在意義を作る為、アーティストを売っていく為に良かれと思ってやってきた事が後に後悔を生むことになるんです。
コロナで仕事が無くなり派遣のトラックドライバーに
冒頭にも書きましたが、すべてにおいて人が集まる・人を集める事を前提とした仕事だったのでリスクの回避が出来ず派遣のトラックドライバーになりました。
仕事が無くなった事もあるのですが、一旦音楽から距離を置こうと思った理由がありまして。それは、ずっと一緒に動いてくれてたアーティストが去っていったことでした。
音楽レーベルを始めた時、業界の大先輩からアドバイスをもらうことがありました。その時思ったのが「ビジネスビジネスでばっか考えてるから音楽がつまらくなるんじゃないの?」ってことでした。
しかし、どんどんビジネスの仕組みが分かっていく度に、最初はこの音楽を知って欲しいという想いだけでやってたことが、もっと反響を得るには、もっと仕事を取るには、もっと利益率をよくするには、という考えに変わっていきアーティストに自分の考えを押し付けるようになってしまっていったんです。
そしていつしかアーティストとの会話が噛み合わなくなりました。自己表現の手段である音楽とビジネスとしての音楽は相反するところがあるからです。
音楽で食べていく、音楽を仕事にすると最終的な着地点を決めているミュージシャンなら色々な仕事にも対応できるのですが
生き辛い世界で、喜怒哀楽、吐き出したい想い、夢や希望を音楽で自由に表現するアーティストにビジネスとして「歌いたい歌」「やりたいこと」ではなく、「求められる歌」「求められるパフォーマンス」を求めすぎた事で、音楽が作れなくなりました。
結局自分のやったことでアーティストを潰してしまったんです。
音楽ってなんだろう?音楽ビジネスって何?
新しい目標、これからやっていきたい事
コロナ以降、派遣のトラック運転手を始めましたが現在は並行してこれまでの経験を元に近しいミュージシャンのサポートを行ってます。
今回のコロナで色々と奪われたものもありますが、音楽ビジネスから一旦離れた事で改めて音楽に救われていたなと思えるし、純粋に良い音楽を広めたいという初心を思い出すことが出来ました。
これからやっていきたい事
●SNSを意図的にバズらせる
まず、今更ですがTwitter・TikTokを始めました。色々なバズらせ方ありますが、あくまでも音楽を広めるために何か出来ないかと模索していきます。
具体的には、音楽から離れてしまった中年以上の世代にもまた音楽に触れて欲しいのと、今まで音楽にお金を使ったことがない層をどうやったら取り込めるかの追求。
音楽が、大きな力がなくても、お金を掛けなくても聴かれることで、生粋のアーティストも活動出来る環境を作りたい。
●エージェントとしてアーティストをサポートする
今まではミュージシャン自身では難しいCDショップ展開やメディア露出・広告展開をレーベルとして担ってきましたが、昨今ミュージシャン自身で情報発信・販売・配信から宣伝まで比較的ローリスクで直接リスナーに届ける事が出来るようになりました。
しかし、誰でも簡単に発信できるようになった事で裾野は広がりましたが、“枠”自体は狭くなったと思っています。
多くのコンテンツが溢れる中で露出して見つけてもらうには、Spotifyのプレイリストに選ばれなければいけないとか、サブミッションメディアに取り上げられなければならないとかビジネスである以上、多数の誰かが求めるもの、誰かの意向に沿ったものでなくてはならないという事です。
レーベルやっている時は音楽をビジネスにする為に、より求められるもの、誰かの意向に沿ったものに寄せるスタイルでしたが、アーティストには自分の想いのままに音楽をかき鳴らして欲しい。それを必要としてくれる人に届ける事で生まれる可能性をビジネスに繋げていきたい。
そこで今までやってきたノウハウを生かし、楽曲を露出させ、必要としてくれている人に届ける為のプロモーションをアーティストから請け負うという業務を始めようと思います。
新しい目標
●関わったアーティストを武道館アーティストにしたい!
最後に
音楽コンテンツ自体がネットの普及で売れなくなり、音楽だけ良ければ成り立つという時代じゃなくなってきましたが、アーティストが生み出す音楽を必要としているリスナーに届けることを軸に、実際どういう風に活動を行えばいいのかなど今の時代に合ったサポートをやっていきたいと思います。
noteでは今までの経験を元にアーティストの役にたてるような記事を書いていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします!