ホモソーシャル
チンチロの鐘が教会で鳴っている
どっかの風刺画にそんなんあったけ?
おいそんなんしてないで早く寝ろよ
起きててもいつまでも本読まないんだから
お前が見てる言葉の98%は
ほとんどビール工場で作られてる
バイクの後ろに座り風を感じた気になって
そっと転げ落ちるための準備をしている
前の車を追い越すためじゃなくて
自分のエゴを埋葬するために車輪を回してる
隣の県の山肌に集まったネックレスの群れ
ぽつんと座る少年の耳にピアスを足すんだ
帰りにラーメンを食べて帰れば満足か?
時空の歪みに生じるヒップホップという仲間意識の集合体
ビートに乗るよりも媚態をくれるダンサーの元へ行けばいい
僕の仲間は刑務所なんか行ってないけど
もう二度と会うことはない
誰に奪われたわけじゃなくても
消えていく絵画の価値があることを知っているか
深夜二時の寂れた校舎に忍び込んで
もう食べなくなった子供騙しの菓子を置いて帰る
少なくとも文句が言いたい訳じゃない
緑の敷地に並んで肉を焼けとは言ってない
スーツを着て張り付いた理屈を振り撒くふりもしなくていい
ただ少しでも隣人への想像力は欠けてはいけない
それさえできなくなったら知性の鎧を着ててもパノプティコンへ行けよ
鏡に透ける言葉が逆照射して俺の顔を殴りつけている
俺はいつか責任を取らなければいけない
書くことは誰かを刺すことと変わらない
顔を見ないだけもっとタチが悪いはず
でも皮肉でさえ話すことをやめてしまえば
人への信頼は居場所を失うから
分断と喧騒の狭間でまた誰かを谷に蹴落とすだけ
また誰かを思ってるフリをする曲が新宿の空を重たそうに支えてる
ほんとうに愛してたら傷つけずにはいられない
そんなことも知らないユートピアに住むイアンのバカと同種の造形
それはそれで美しさに溢れたバベルの光景
ヴィトゲンシュタインとニーチェに横たわる架け橋に
ゲルハルトリヒターが額縁を作りほくそ笑んでいる
俺はその横でこそこそ帳簿を練るだけ
簿記を取ってしまった後で哲学が出しゃばる領域なんてどこにもないさ
なぁ知ってるか?工業簿記って大変なんだぜ?
キュレーターが指し示す都会の展覧会
「文化資本の上から下まで」って名前で俺が代わりにやってやるよ
また鋭い言葉を簡単に使ってしまった
傷つけるつもりは一切なかったんだ
もうしばらく喋ることをやめるよ
ニュースでまた知らない事実が浮かんでる
小さな箱庭のどうでもいい人間模様
俺はいじめられたことないからわからない
てか今どきそんなことってあるのか?
いや想像力の欠如は俺の方だ
10年後くらいにお前にいじめられてたって
言ってくるやつがいるかも知れない
そんなことにすら頭が回らないなら
きっと書く資格なんてない
静物画に描かれたリンゴを持った神に
愛情を保てなくなったらそこで終わりさ
水槽の中で共に寝ていた女が
ある日突然神聖さを失ってしまったことを
また詩にして金を稼ぐ
それでもきっと朝目が覚めるその瞬間に
出会いもしなかった言葉によって
きっと