水面が静物だとしても
底が連想できたなら

少し波が立つだけで
怯えては強張ってしまうのを
弱さと言い換えたくはなくて
浮かんできた水紋をそのままに

どれだけ思いやっても
許せないものがあったとして
否定の素振りを見せてしまったら
残る物は何だろう

剥がしていった愛という言葉に
陳腐さより誠実さを載せることは
滑稽じみたものなのかな

汚い心ばかりになってきても
湖は深く控えていて
全てを飲み込んでしまいそう
比較も傲慢も
全部溶けていけばいい
時が経ってたどり着いた
円筒状の渦は
また違った色になっているだろうから

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